部活動
「え、本条って文芸部だったのか?」
体育祭が終わり、学級活動の授業内容は次の行事である文化祭のことについてとなった。
初めは大まかな文化祭についての説明だったが、説明が終わるとクラスでやることを決める時間になった。
お化け屋敷や食べ物屋、射的などなど皆それぞれが違う意見を出していたからなかなか決まりそうになく……
「本条は何がいいと思う?」
話し合いが全然先に進まず、俺は退屈になり隣の席でいつもと変わらず本を読んでいる本条に話しかけた。
あ、ちなみに席替えは結局行えず、まだ同じ席のままだ。俺にとってはどちらかと言うと席替えをしたくないのだが。……後ろの席がいいからね。
「私、クラスの方はあんまり出られないかもしれないの」
本条が本に栞をさし本を閉じると、俺の方を向いてそう言う。
「なんで?」
何か事情があるのだろうか。そもそも文化祭に来れないのか。
そう思っていると本条は、
「部活動の方があるから」
と言った。
「……部活動?」
部活動って、部活動?
「うん、部活動。あ、あれ、言ってなかったっけ。私、文芸部だよ?」
本条は首を傾げながらそう言う。
「え、本条って文芸部だったのか? 知らなかった……」
本当、初耳だ。
言われてみれば、確かに部活動に入っているとわかる点がいくつもあった。
一緒に帰れなかったり、放課後すぐにどこかに行ってしまったり。
「ごめんね、私てっきり知っているものだと……」
本条は俯きながらそう言う。
「いや、本条が謝ることじゃないよ。文芸部……言われてみればずっと本読んでる本条が入っていそうな部活動だな」
「まぁね。私もお試しで入ってみたんだけど、ほとんどの人が幽霊部員で……しかも部室はあるんだけど活動場所は図書室が主だから部室に行く意味が無くて……」
はぁ……とため息混じりに本条は言う。
「な、なんかいろいろ大変そうだな……」
多分、色々と苦労しているんだろう。
本条はしっかりしている人だから……
「で、文芸部は文化祭で何やるんだ?」
そもそも文芸部が普段何をしているのかがよく分からないから、文化祭の出し物の予想が全然できなかった。
「んー、直接話を聞いた訳じゃないからよく分からないんだけどね、文集を作るらしいの」
そう言いながら本条は1枚の紙をリュックから取り出した。
「文集?」
「そう、文集。たまたま部室に寄ってみたら"文化祭でやること"って書いてある紙が置いてあってね。そこに皆で短編小説書いて文集つくりますって書いてあったの」
本条は取り出した紙を俺の方に見せながらそう言う。
「小説かー、俺は読書は好きだけど最近読んでないな。だけど本条が書いたのは読みたいな」
活字は数字より好きだが、本を読む機会があんまりなかった。
けれど友達が書いた本なら是非とも読みたい。
「だめです」
本条は手でバツ印を作りながら言う。
まぁ、絶対そう言うだろうなって分かっていたけれど。




