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第4話 やってきました異世界

 「ーーっうう」


 気がつくとおれは小さな商店街のようなところに横たわっているのに気がつく。辺りは賑わっているせいか、おれをちらっと見るだけで人々は過ぎ去っていく。


 この世界では路地で倒れてても、あんま気にされないのかな。


 「それよりも、まずやるべきことは」


 そう、まず異世界に来てやるべきこと。それは、言葉が通じるかどうかだ。これが出来ないとなると、生活すらまともにできなくなってしまう。


 おれは立ち上がると、会話している人にさり気なく近づいていく。


 「ーー$*€〒€÷・→€」

 「ーー〒+○☆$&#x20AC;\÷<」


 「ーー!? まさかな、聞き違えただけだよね」


 もう一度、別の会話に耳を立てる。


 「ーー☆$%」

 「ーー◇※→☆%#%##〒〆」


 「まじかあああぁぁぁぁ、あのクソ神ぃぃぃ」


 何を話しているのかさっぱり分からない。

 普通こういうのは、異世界特典的なもんであらかじめ解決するもんじゃないのか?

 ああ、あいつのこと思い出したら、余計に腹立ってきた。


 状況の悪さに悶絶していると、目の前から兵士のような格好をした二人組が歩いてくるのが見える。


 ま、まずい。言葉が通じない状況で話しかけられたりでもしたら、捕まえられて異世界牢獄ライフ的なことに‥‥‥


 身の危険を感じると、怪しまれない程度の速さでその場を急いで立ち去る。さっきの兵士を巻いたかと思ったころ


 「ーーキャァァァァァァァァぁぁぁぁ」


 すぐ近くで、女性の悲鳴が聞こえる。目線をそっちに伸ばすと


 「あれって、スケルトン??」


 兵士を巻くため、適当に歩いていたおれはある程度ひと気は残っているものの街の外縁部にまで来ていた。悲鳴の原因は、あの一体のスケルトンで間違いないだろう。街には何やら武装した冒険者らしき人やさっき見かけた兵士もいたし、モブキャラの定番スケルトン一体くらい大丈夫な‥‥‥はずだ??


 だけど、流石に周囲の様子がおかしくないか??


 まず、さっき悲鳴をあげた女性は座り込んだまま両手を祈るようにして白目を向きながら気絶してる。

 おれの隣にいる金持ちそうな男は頭がおかしくなったのか涙を流しながら踊り出し、魔導師っぽいお姉さんは‥‥‥うわっ、立ちながら完全に漏らしちゃってるよ。


 なんだ、この世界のスケルトンってのはそんなにやばいのか!?


 すると、さっきの兵士の一人が駆けつけてきたようで、覚悟を決めたような表情でスケルトンに突っ込んでいった。


 「ーーうおおおおおおおおおおおぉぉぉ」


 おお、なんかあの兵士さん強そうだ。剣とかよく分かんないけど、素人目でも何千、何万回と振ってきたような感じが伝わってくる。


 それに対しスケルトンが、剣を持っていない左手を突っ込む兵士の元に向ける。


 「ーーゴシャっっっっっ」


 「ーーへっ!?」


 おれの目の前には、さっきの兵士さんの頭と剣が振ってきた。デコピンだ、突っ込んだ兵士に対しスケルトンはデコピン一発で頭を吹っ飛ばしてしまった。スケルトンの目の前には、さっきの兵士の頭から下が血を吹き出して倒れていく。


 「ーーオエェェェぇぇぇ」


 ラノベとかで死体とかみても流石に吐きはしないだろうと思っていたおれはバカだった。目の前に転がった頭からは目が飛び出て首からは激しく血が噴き出し、脳みそが飛び散っている。口に二本の腕を突っ込まれている感覚と、止まらない震えが襲った。


 スケルトンは動かぬまま、2度剣を振り下ろした。


 「ーーズドドドォドォォォォォォ」


 おれの両はじを斬撃が進み、そのまま街の中心部まで止まることなく進んでいった。


 「‥‥‥こんなんアリかよ」


 スケルトンはカタカタと歩みを始める。おれの前まで来ると剣を振りかぶった。半ば諦めているおれだか、異世界的なパワーを信じ目の前に刺さっている剣を手に取り渾身のパワーを込めてスケルトンの右腕にぶつけた。


 「ーーパキッーー」


 ーーが、そんな期待は剣とともにに打ち砕かれた。


 「ーーまあ、そんな人生甘くないってこ‥‥‥」


 そして、おれは諦めて気を失った。



 *



 スケルトンの襲撃を受けた街は火で覆い尽くされ、先ほどまで聞こえていた人々の悲鳴はすでに消え失せ、静かに火が音を立てる夜を迎えている。


 その静寂を遮った微かな一つの音


 「ーーポキッ」


 右腕のないスケルトンは元来た道を戻っていった。



 「ーーほぅ」


 夜空を照らす月の光、それをぼやかす黒い翼を生やした一つの影。その口元からは血を欲す牙が伸び、笑みを浮かべながら闇夜に消えていくのであった。


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