学園生活
「今日から急遽このクラスに転入することになった。四ノ宮有理君だ。
有理君は外国暮らしが長かった為まだ日本の生活に慣れていないそうだ。」
担任の湯山先生がユーリさんのことを紹介している、本当に今日から一緒に生活するんだ…
昨日の私、いきなり部屋に帰っちゃってユーリさん変に思わなかったかな…
でもでもあんな笑顔で返されたら…
ううう…アレは反則だよ〜
思わず昨日のことを思い出して茜が一人顔を赤くしている間に担任による紹介が終わったようだ。
「席はあそこ。
茜さんの隣な。
みんないろいろ教えてあげるんだぞ!」
じゃあこれでHR終わり、授業の支度をしなさいーっと担任が続けるとユーリさんの周りに何人かの女子が集まってきた。
「茜の従兄弟なんだって?」
「茜にこんなかっこいい従兄弟がいるなんて始めて知ったー!」
「ねえねえ有理君ってどこの国にいたのー?」
やっぱりユーリさんってモテるんだなぁ
当たり前か、こんなにかっこいいんだもんね…
改めてユーリを見てみるとその人間離れした容姿に目を惹かれる
なんて言うのかな…まだ未完成の荒削りなナイフのような、誇り高き狼のような、そんな美しさ…
「茜、どうしたの?」
友人に声をかけられてはじめて自分がユーリさんに見惚れていたことに気づき、恥ずかしくなった。
「な、な、な、なんでもないよ?ちょっと考え事!」
しまった、声が裏返った。
隣でユーリさんも怪訝そうな顔でこっちを見ていて更に恥ずかしくなる。
「ねえねえ、有理君って彼女いるの?」
はっ!なんて質問を…!!!
ユーリさんは…なんて答えるのかな…?
「彼女はいないかな」
途端に女子達が騒ぎ出す
「そうなんだー!じゃあ私とかどうかなー?」
「ずるーい!」
「私もー!」
なんでだろ、どうしても言わなきゃいけないきがして、つい、
「ユーリさんは私の婚約者なの!!!」
自分でも思ってた以上の声が出てしまった…
わーもうどうしたらいいの、恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいいいいいい
ちらっとユーリさんを見やると呆けているような顔の後、少し笑って
「そう、彼女はいないんだけど婚約者がいるんだ」
って言ってくれて、なんだかわたしが子供ってゆうか、ユーリさんって意外と大人ってゆうか、とにかく恥ずかしくてまた顔が赤くなってしまった訳です。
ちなみにユーリさんが私の婚約者だというのはあっと言う間に広がりその日四ノ宮家に帰ると鬼の形相の兄・尊が待ち構えていたのでした。