第七話 「か」こと現在(いま) 前編
「うわー…、すげぇ雨だな」
「そう…だな…」
「どうした前田?今日はいつも見たくの元気がねぇんじゃねぇの?」
「…まぁな」
「なんだ、なんだぁ?もしかして、また夕華の事でも思いだしてんのか?」
「…」
土砂降りの雨。思えば、あの日もこんな天候だった…。
窓辺に席がある俺は、天気予報を宛てにせず、晴れの日でも傘を必ず持ち歩く。
すると、どうだろう?今日の天気予報は外れた。
俺の予報は、不運によって、それが雨なのだと悟らせた結果だ。
そんな今の天気を、俺はただぼんやりと眺めていた。
「昔、夕華とお前は、多分俺らの中で一番仲が良かったからな」
「そうか…?俺は、お前と初月の方が仲が良かった記憶しかない」
「ま、過去にいつまでも囚われてちゃ、また安寿ちゃんに怒られるぞ」
荒塚は、そういうと売店に向かった。
売店には傘が売ってるからな。
ただし、昼まで。
俺は、既に手持ちに傘があるから要らない。
「さてと、そろそろ安寿の所に行って…」
カシャンッ…。
その時、ポッケから落ちる鈴の音が鳴った。
「…今日は、行ってやるか…」
俺は、放課後妹を置いて、船場に向かった。
「成のおっちゃん!船あるか!?」
「クク、御主が来るとは…またあの娘の見舞いか?」
「そんな所!」
柴田 成。45歳にして、島で唯一船を扱える人だ。
なぜかアニメやマンガ、その他諸々に興味があり、いつも中二病と呼ばれている。
「それじゃあ、そこの船「大団円」を使うといい」
「ありがとう!」
「よい、結末を」
成のおっちゃんはそう言って、手を振った。
さて…いよいよ…だ!
俺は、夕焼けに染まる海から日本本土にある東京を目指した。
(--- そのころ、学校では… ---)
「…お兄さん?」
安寿は兄・俊成の教室を訪れていた。
この学校の教室に鍵はない。
というか、そこまで設備されていないといっていいだろう
なぜかって、必要ないからだ。
「…これは…」
安寿は、何かを見つめる…それは、黒いノート。
「…。」
表情が少し暗くなる。
噂には聞いていたけれど…これが…これが…。
「エロ本」
だった。
一方そのころ俊成は一人…
「クッソ・・・日本本土はどっちだぁぁぁぁあああああ!!!!」
海で一人、遭難していた。
ただでさえ大雨なのに、そこで船にまで乗って…波に煽られ、方向が掴めず、段々と酔って来ていたのだった…。
「グッぼぇぇぇ…」
思わず白い液体を吐きだす。
口の中に苦みを残す。
正直うがいしたい…。
「ぐっ・・・夕華…今…いくがぁなぁぁぁ!!!」
俺は、必死に海水を押した。
それは、まるでクロール。
しかし、ものすごい速さであった。
…だが!
「なっ…何だぁ…ありゃああああ!!!」
紹介しよう、ここ名瀬川海流は通称死の海と呼ばれている。
そのため、無理に嵐の日にでも海を出ようとすると、そのものは生きて帰ってこれないのだという。
今現在、それを解消すべく、夢の海計画が実行されているわけだ。
そして…今、彼の目の前には大きな津波が存在していた。
全長にして約数百メートル。
大きすぎるにもほどがある。
「くっそぉぉぉぉおおおお!!!!」
俊成は…それ以後、行方不明となった---。
大量の新キャラクターに、いよいよ日本本土へ上陸…と思いきや、津波に襲われ、俊成は行方不明となってしまう!
名瀬川海流恐るべし。