第12話 「け」んかなんて、したくない。
ある日の俺は、職員室でなぜかコキを使われていた。
…そもそも、どうして俺が職員室なんかいう生徒が踏み入れるべきではない、固有聖域にいるかと言うと、それはほんの数十分前になるが…。
「なあ、安寿…俺、どうして教室の中央で縛られてるんですか?」
「…兄さん、わかりませんか」
「…お願いします、あれは許してください」
俺は、朝。寝ぼけていたとはいえ、とんでもない事をしてしまった。
それは、…我が妹に対して…。
『…安寿って、なんかあんこみたいな名前だよなぁ…なめると、甘い味でもするのか…?』
とかいうセリフを溢した。
そう、彼女の目の前で…。
そして、寝ぼけた俺は、それを実行し…しようとしたが、頭を握られて、床にたたきつけられた。
当然、その後もボコボコにされ…。
「くぁwせdrftgyふじこlp」
「…わけがわかりません」
バゴッ
「ゲフッ…お、お前もか…ブルータ」
「…」
ボゴッ
「やめて、くだふぁ」
「…」
バギィィゴキィイ・・・
「アギャxギアャアアアアアア!!!」
「…ずっと、私のターン…ドロー、モンスターカード…ドロー」
それから、数分。やられ続け…。
そして、今に至る。
「も、もう許してくれませんか…妹様…」
「…だめ」
そして、なぜか…スタンガンを構える…安寿。
それは…まずい…。
1.やめろ!俺はそんな電撃を浴びたくない!
2.まずは、その物騒な物をしまってくれ!
3.さあ、俺にその電撃を浴びせるんだ!はよ!
4.…もう、何も言えねぇ…
さあ、この選択肢…どれでいく…!
「…さあ、行きますよ」
「待て!」
「…?」
俺は、縛られたイスで、堂々をした態度で、
「俺にそんな物騒なものを俺に浴びせるんだ!もう、何も言えねぇ…」
「…電撃MAX…(カチッ)」
ジジジ...という音が、さらに加速する。
おいおい、冗談きついぜ…ハハッ。
「俺にそんなものを当てても、ただ喜ぶだけだと思っているのなら、大間違いです!」
「…変態」
「ギャアアアアアアアアァァァァアアアァアアアアアア!!!!!」
俺は、人間とは思えない悲鳴を上げた。
…そして、それから…俺は、なぜか被害者であるというのにもかかわらず、放課後俺を見つけた教師が、縛られたイスの俺の太ももに乗せられたスタンガンを見て、俺を職員室へと連行…以後、このスタンガンはなんだ、とか…スタンガンはおもちゃではない、なぜお前が持っている。のだとか。
「だ~か~ら~・・・」
「うるさい!お前はこのスタンガンで、何をしていたか、と聞いているんだ!」
理不尽だろ…。
そして、この教師…こいつは、寺田だ。
前にぶん殴ってK.O.した奴で、俺に恨みを持っているらしい。
「…もう、勝手な想像に任せたいが…」
「がっははははっはははははははははあ!」
「…黙れ、また殴られてぇのかよ…」
とか言うわけもなく…。
まじで、笑うなよ…気持ち悪い。
殴ってやりたい…。
「…教えてやろう、お前はなぁ…こいつをどうやって使うのか、…こうやるんだよ」
電撃を最小に、俺の肌にあてる。
されど、体に電撃が走る。
体中を巡る電流は段々と俺をしびれさせた。
おい、これ教師として、体罰とかいうもんだいじゃっ
「くっ・・・くう・・・」
「どうだ?今のは、クラゲの触手から感じるぐらいのもの、そしてくれを上げると…」
職員室では、ヒソヒソと話し声が聞こえる。
「あの子が、例の…」
「ほんと、寺田先生は優しいわね」
「ねー」
訳が分からない…。
体罰を受けさせて、それが…優しい…だって!?
「これが、…電気ケーブルから漏れた電流ぐらい」
「ぐっぁっぁああああああぁあぁあああああ!!!」
「ぶっはははははは!苦しいか!?苦しいか!?あっはははははは」
狂ってる…狂ってやがる…。
ほんと…こいつら…大人は…
「死ねばいいのにね」
最後に職員室から聞こえた教師の台詞に、それがあった…。