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『魔王城での最終決戦』~おかしな勇者と魔王とティータイムと。~

掲載日:2026/10/11

ついに魔王城に辿り着いた勇者――。


聖剣でばったばったと魔族たちをなぎ倒してく。


魔王のいる『玉座の間』まで、サクサクと魔族たちを討伐してった。

四天王もいた気がする。

気のせいかも。

まぁ、いっか。


玉座の間に辿り着いた勇者――。


魔王「フハハハ………よく来たな、勇者。

我こそは混沌を招きし魔界の覇者――『魔王』。

今こそ我と『決戦の時』を迎えようではないか!」

マントを翻し、周囲に魔族の大群を引き連れ、挑発的に笑う。


それを見つめる勇者。

しかし…


私(……んー。普通に斬るの、もう飽きた。)

手に持った聖剣を眺める。


私(…普通に使えば『魔族特攻の近接武器』。

でもこれ、投げれるよね?

投げれば『魔族特攻の遠距離投擲武器』。

……こっちの方が便利そうだな。)


魔王「行け、眷属の魔族ども!!」


勇者に一斉に襲いかかってくる魔族たち。


私、無言で投げた。聖剣を。勇者の象徴たる『伝説の聖剣』を。


魔王「…………は?」


魔族にザクッ――!!!

一瞬で灰となった。


私(そのまま聖剣スキルもいけるのでは?よし!)


片手を頭上へ掲げ

私「聖なる裁きを受けよ……神光のグランドクロス――!!」


聖剣から強力な眩い純白の光が放たれる。

十字の形で周囲へ光が弾けた――!!!


魔族たち「ぎぎゃぁぁぁーーーー!!!!」

周囲にいた魔族が次々と消し炭と化した。


魔王「……え。……いや?……いやいやいや……

そんな使い方、するのか…聖剣を?

……勇者の証の……『伝説の聖剣』……を????」


私「うん?効くし、有効打だし、いいじゃん♪

こっちの使い方の方が♪」

魔王にサムズアップ。


魔王「いやいやいや?!?!まともに戦え!!

最終決戦だぞ?!これ!!!」


私「まともになれって?…まともな勇者?

え、そんなのつまんない~♪

いいから、そんなことより喉乾いた。」


カバンから湯呑と粉末状の緑茶を取り出し、

その場で魔法でお湯も入れた。


温かい緑茶、完成~♪


私「魔王も、お茶飲む?」

魔王に湯呑差し出し、自分は自分で先に飲んだ。


魔王「ティータイムも後にしろ!!」


お茶、飲みつつ…

私「あ、魔界のアークデーモン。以外と美味しいらしいね?

さっき中庭にいた下級悪魔から聞いた。」


魔王「今、食情報をよこすな!!

というかうちの眷属を食うな!!

そして、敵と井戸端会議もするな!!!」

勢いのいいツッコミが魔王から響いてきた。


私「じゃあ……

人間界のドラゴンも美味しいよ?

ドラゴンステーキで有名なお店が……」

魔王「場所の問題でもないわ!!!!」

ナイス、ツッコミ。


私、ふと時間が気になった。

そういえば、自宅の洗濯物……干しっぱなしだったような?


私「あ、そろそろ洗濯物取り込まないと。

出しっぱで出てきちゃったから。帰るね。じゃ。」

玉座の間の外へとスタスタ。


魔王「待て待て待て?!我との『最終決戦』だぞ?!?!

取り込み忘れの洗濯物の方が優先順位高いってなんなのだ?!?!」


魔王の叫び、関係なし。スタスタ。


魔王「戻ってこい!!

帰るな、勇者!!マジで帰るなって!!!

ティータイム、この後に用意するからぁぁ!!!!」


魔王「大体、なんだその優先順位は!!

優先順位がおかしいだろ!!『優先順位』がっ!!!」


私「なんで?」


魔王「どう考えても我との『最終決戦』の方が

『自宅の取り込み忘れた洗濯物』よりも大事だろうが!!」


私「え。でも、洗濯物忘れたままだと後で取り込む時に湿気るし、

この後、にわか雨降るかもだし、そうなると後が面倒じゃん。」


魔王「我と決戦せずに帰る方が、

後 が 面 倒 だ と 思 う が ?!?!?!」


私「あ!転送ゲートの使える時間、終わっちゃう!

乗り遅れたくないし、まったね~魔王♪」

ちょっと早歩き。


魔王「乗り遅れってなんだ?!『終電電車』かなにかか?!

だぁぁぁぁ!!!帰るなと言ってるだろーーーがぁぁ!!!!!」


魔王の叫び、関係なし。スタスタ。(※本日二回目。)


私(と思ったけど……)


私「んー……じゃあ、マカロン。いいやつの。」


魔王「『マカロン』…?

あ、あぁ…あのカラフルな焼き菓子か。

いいだろう。高級店の用意してやる。」


私「あと、魔界の中心街で有名な、

売り切れるほど話題の『誘惑のプリン』も。」


魔王「あぁ、あの店か。

四天王のやつも「また買えなかった」とか騒いでたな。

うむ、いいだろう。パティシエに交渉しよう。」


私「やった♪ んじゃ、やる、決戦♪

えいっ!!」


そしてまた聖剣をぶん投げた――!!


魔王「あぶなっ……おおいっ!!

さっき投げるなと言ったばかりだろーーがぁぁ!!!!」


私「え~…小言多いなぁ。うちの頑固なお師匠みたい。」

ブーブーとむくれる。


魔王「お前のあの『偏屈ジジィの師匠』と我を一緒にするなっ!!!!」


結局、勇者に投擲武器化した聖剣でそのままスキル乱射され、

魔王、ボコボコにされた――。


……


…


魔王城、とある大広間にて――。


四天王「あの……魔王様。あれは一体……。」

困惑してある場所を見つめる四天王。


大きな長テーブルの一端に、大量のカラフルなマカロン。

その他にも色々な洋菓子。紅茶。

そのお菓子の並ぶ真ん前に、

満面の笑みでお菓子を頬張る勇者(※我らの天敵)。


しかも魔王は今、マントも服も、なんかボロボロ。


しかも魔王はそのまま、正反対のテーブルの端にて、

なにか通信機利用中。


魔王「まぁ、なんだ……気にするな。

勇者を『まともにさせるための策』とでも思え。」


四天王「『策』……ですか。

あの『甘いもの尽くしの光景』が…?」


魔王「そこをなんとかならんか?できれば今日明日中に……。」

通信機に顔を近づけてなんか必死そうな魔王。


四天王「……???」


魔王「分かった!!経費も報酬も弾む!!頼む!!」


四天王「……魔王様?」


通信が終わったようだ。

魔王「ふぅー……なんとかなった。

やはり売り切れ続出で予約も取れないと言われてただけあるな、

あの店は。」


四天王「まさか…魔王様。あの、例の『評判の菓子店』の……?」


魔王「あぁ。勇者と約束したのでな。」

疲れた顔でコーヒー飲む魔王。


四天王「あ、あの……

ついででいいので、よろしければ私の分も……。」


魔王「……四天王……お前もか…。」


ー完ー


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