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学園生活②

第1章

8話






豪華な音楽と共に紙吹雪が舞い散る。始まった歓迎会はチームやクラブなどから催し物をするみたいだ。炎を中心とした動物や魔獣等を造形する魔法や巨大な氷が砕け散りキラキラと降り注ぐ美しい魔法など色々な催し物がつづいていく。


「すっごいわね!綺麗で迫力満点なものばっか!楽しいわね!アレイスター!」


「ああ!こんなのはじめてだ!」


俺達はテンションがぶち上がりしていた。フィオラも1年生の首席として参加するのだが緊張はしていない様子。俺達は存分にこのお祭りを楽しんでいる。


「アレイスターも私も午後の部よね!それまでは思う存分楽しみましょ!」


俺はフィオラの言う事に素直に答えた。


時間はあっという間に過ぎていき催し物は大目玉の決闘、 つまり俺の番が来た。


「さぁ〜!いよいよやってまいりました!10年期生首席メラ・デリオラVS史上最速最年少!魔特待首席アレイスター・マグナ!この2人の決戦の行方やいかに〜!!」


司会の声が会場中に鳴り響く。そして入場曲が流れ先ずは相手のメラが会場に入っていく。お互い向かい合う様に入る入口も違う。そして、俺の番が来た。


「アレイスター!」


後ろから聞きなれた声がする。振り向いたそこにはフィオラが居た。


「ホントに、やり過ぎないようにね!分かってる?」


フィオラは再三俺に向かって念を押す。


「フィオラ」


俺は今日この会場に来て思った。こんな大きい会場で大観衆が見守る中ウザイ奴と試合ができる。ド派手にやらずしてそれは男なのか?否!俺はぶっ飛ばしてやると心に決めていた。


「ぶちカマしてくるから!」


俺は大勢が見守る試合会場に入って行く。


「さぁ〜!アレイスター・マグナの登場だ〜!」


会場の熱気は凄まじく歓声は大気を震わしている様な気がする。俺は少し緊張した。しかし俺はその緊張感を求めていた、だからその緊張は直ぐに興奮へと変わり戦闘欲を駆り立てた。


「いよいよ本日の大目玉!決闘試合の始まりです!会場の皆様の身の安全を考慮し魔力障壁を展開しておりますのでご安心くだささい!では、私も待ちきれないので早速はじめて頂きましょう!」


そう司会が言い終わり始まりの合図である花火が上がるその前にメラは魔法を放つ。


「焼け!メラ・ファイラ!」


俺の眼前を覆い尽くす程の凄まじい炎が襲いかかる。


「召喚門!」


黄金の扉が開き炎を吸い込んでいく。それと同時にメラの頭上に魔法陣が浮かぶ。


「魔神ディア・ディシディア!」


巨大な脚がメラに向かい踏みつけるように勢いよく落とされる。


「そんなものか!魔特待首席!」


メラは攻撃を躱しながら更に炎を放つ


「中々やりますね!パイセン!」


俺が大きく振りかぶりその場で殴り掛かるとそのままメラに向かい同じ動きをした魔神の大きな腕が襲いかかる


「そんな安っぽい炎でディシディアが燃えるかよ!」


その腕に向かい反撃するメラだが魔神には効かない。体を捉えたと思った攻撃はメラを透き通りそこには炎の残滓が漂っていた。


「こっちだゴミめ!」


俺の真上から炎が放たれる。その真紅は会場を包み魔力障壁まで届き焦がす勢いだ。


「へぇ〜中々やるじゃん!でも...」


俺は再び召喚門を展開し全ての炎を吸い込み扉は閉じる。


「フン!魔特待首席というのも伊達ではないようだな!」


「パイセンこそただのカスじゃないみたいですね!」


「初っ端からなんという攻防!これは正に大魔法対戦を彷彿とさせます!」


実況が叫び会場の熱気は最高潮まで達している。


「灰も残さんぞ!ゴミめ!」


大きな魔法陣がメラの四方に現れ炎をドンドンと出現させていく。


「エルフロンティア・メリオゾーラ!!」


魔法名と共に果てしない業火が会場を包む。魔法障壁がメリメリと焼けていき今にも溶けそうな程恐ろしい火力。


炎をが止み煙が晴れていく。そこにアレイスターの姿は無かった。


「フン、消し炭になったか!」


メラの声と共に鐘が鳴り響く。


ゴーンゴーン


「なんだ?これは」


すると上空に大きな光の魔法陣が出現する。


「ちょっとだけ、本気出してやるよ!」


その魔法陣から大きな何かが出現する。


「お、おい。アレはなんだ!」


その会場を覆い隠す程のそれは異様に大きく綺麗で恐ろしい怪物。


「喰らい尽くせ!エリュシオン!」


エリュシオンと呼ばれるそれはアレイスターが呼び出した召喚獣らしい。号令と共にに大きな穴が開きメラを吸い込んでいく。その勢いは障壁を超え会場から学園、街までも吸い込む勢いだ。


「ディレクション・ペンダゴン!」


魔法名を唱えると吸い込みが止みメラの眼前に黒い球体の様な物が現れた。


「くっ!なんなんださっきから!魔法も使えない!こんな事があってたまるか!」


メラは魔法を使おうとしても使えずにいるらしい。藻掻けど動くこともできない。


「そこまで!!!!」


その声とともに俺はエリュシオンに魔法を止めるように命じる。


「勝者アレイスター・マグナ!」


「おぉっ〜と!ここでメリナ先生による宣言で終了!勝者は魔特待首席アレイスター・マグナだ〜!」


「うわぁ〜〜〜!!!」


実況の声と共に大きな歓声が魔闘技場内に響きわたる。俺はリュシリオンに乗り魔闘技場に向けて空中から降りていく。


「さぁ!今回の主役が戻って参りました!何と言えば良いでしょうか!まさに脱帽!魔特待首席の力を存分に魅せてくれました!」


観衆達が大盛り上がりで迎えてくれる。花吹雪が舞い花火が上がる。今回の目玉とはいえ自分の決闘でここまで盛り上がってくれるのは素直に嬉しい。俺は観衆の盛り上がりが止まぬ中を出口の方に向け歩いて行くのだった。


「アレイスター!!」


出口にはフィオラが待っていてくれた。少し怒っているようだがその目には涙が浮かんでいた。


「もう!あんなに派手な事して!」


「あれでも足りないくらいだよアイツには」


「でも、ありがとう。スッキリした」


フィオラは不意に笑顔でそう答えた。


「いいんだよ、フィオラの事悪く言うやつは絶対許さねーから」


俺が冗談ぽく言うと声を出して2人で笑い今日の勝利に酔いしれるのであった。

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