学園生活①
第1章
7話
入学式が終わり学園生活が始まった。授業は魔法について全般的に学び歴史や読み書きなどは徐々に学んでいく方式らしい。しかし、魔特待首席というのは基本的な授業は免除されるらしく受けなくても良い事が多い。だが、この世界についてあまり詳しくない俺は最初の1ヶ月は真面目に学校に通い授業を真面目に受けていた。が、よく考えると俺は基本的な属性魔法が使えないので授業はほぼ意味がなくただ歴史を学んだだけとなった。だから俺はあまり学校に行かずに自主練という形で修行をするようになっていた。
そして、入学式から2ヶ月が経った頃。
「ちょっと、アレイスター!居るんでしょ?出てきなさいよ!」
寮の外から聞き覚えのある声が俺を呼んでいる。
俺はフィオラだと確信し外に出た。
「ようフィオラ!久しぶり〜どうしたんだよここ男子寮だぜ」
俺はフィオラに手を挙げながら笑顔で近づいた。
「よう じゃないわよ!アンタが居ないから学園が全く面白くないじゃない!学園来なさいよ!」
「いや、そう言われても学ぶことないし...」
フィオラはあれから俺以外の友達はできて居ないらしい。俺が居なくて学園生活をほぼ1人で過ごしているらしく少し不憫に感じる。
「アンタが魔特待首席だって事は分かってる!けど、寂しいじゃない...」
「フィオラ...。分かったよ、明日は俺も行くから一緒に行こ」
「ホント?言ったからね?絶対よ?遅刻はナシだから!」
フィオラは元気な顔で手を振り帰っていた。
「全く、嵐のように現れて消えていったな笑」
女の子にアソコまで言わせて無視は出来ないので久しぶりに明日は学園に行く事を決意したのだった。
〜次の日〜
朝になりランニングや魔法の練習を日課として済ました俺は着替えてフィオラを迎えに行った。女子寮の前で待っていたフィオラと横に並び2人で学園に入って行くのであった。
「アレイスター!よかった、今日は君に来てもらわないと大変だったんだ!」
学園に入るなりメリナが俺を見つけ駆け寄ってきた。
「おはようございますメリナ先生、どうされたんですか?」
「あぁ、おはよう!実は今日ウチの生徒全員を集めて新入生歓迎会をするのだが中々日程が決まらなくてな。それが今日になったのだ!それには必ず君に参加して欲しいと学園長からのお達しでな」
どうやら今日は新入生歓迎会というものをするらしい。学園の全校生徒が一同に集まり新入生達と顔合わせする。
云わばお祭りみたいなものなんだとか。
「歓迎会には余興があるのだがそれを是非君にして欲しいのだ」
「余興?ですか?」
「あぁ、学年毎に見せ物みたいなものをするんだが魔特待首席の君は学年とは別で余興に参加して欲しい」
話を聞けば学年毎に魔法つかった催しをするらしいのだが魔特待首席はそれとは別で参加しないと行けないらしい。
「まぁ、そーいうことなら」
「そうか!ありがとう!君の力も見たいしド派手なのを期待してるぞ!」
メリナは明るい笑顔で颯爽と立ち去って行った。
久々に学校に行く事になったと思えば急に歓迎会で催しとか想像してなかったから何をするか考えなければ。
「凄い勢いだったわねメリナ先生...」
横で見ていたフィオラが少し憐れむ目で俺を見た。
「そんな目で見ないでくれよ、俺もめんどくさいんだから」
俺たちは軽口を叩きながら教室に向かった。
ガラガラ
教室に入ると視線が突き刺さる。まぁ、俺は全然学園に来ないからしょうがないか。
俺とフィオラは隣同士の席に座った。
ガラガラ
「おい!今日は来てるらしいな!魔特待首席様がよ〜」
扉が開くと明らかに年上の高学年風な生徒が3人程入ってきた。
「兄様!はい!今日は来ています!」
1人の生徒がバッと立ち上がりその生徒の1人に話しかけた。
「おう!メルトン!そこに居る奴が魔特待首席か?」
俺の方を指差しながら立ち上がった生徒に対して問いかけるをどうやら兄弟らしい。なんだか、面倒な匂いがする。
「俺が魔特待首席のアレイスターですが、何か御用ですか?先輩方。」
俺はサッとその生徒達に近づいた。
「お前がアレイスターか、へぇ〜。魔特待首席っていうからどんなやつかと思えば魔力もカスなゴミじゃねぇ〜か!何が魔特待首席だ!お前にその称号は相応しくねぇ〜!」
俺に向かって怒りを顕にし睨みながら叫ぶ。
「俺様はメラ・テリオラ!ワルキュリア魔法学園10年期生首席!お前みたいな奴を俺は魔特待首席とは認めない!ここに決闘を申し込む!」
メラ・テリオラと名乗るこの人物はこの学園の10年期生らしい。そんな奴が1年生の俺に決闘を申し込むって年齢とか関係無いのかこの世界は。
「俺1年生ですよ?それ本当に言ってるんですか?」
「魔特待首席なんだろ?年齢など関係あるか!」
魔特待首席とはもしかしたら意外と面倒くさいのかもしれない。まぁ、たしかに1年生の俺が国の最高戦力なんて馬鹿げてるよな。よくよく考えなくても有り得ない事なんじゃないかと今更ながらに思う。
「まぁ、なんかウザイから良いですよ。俺もどれくらいやれるのか自分で確かめたいし。なんなら今ここでやります?」
俺は少しイライラしてしまい挑発するように返した。
「ちょっとアレイスター!そこまでにしてよ!」
メラが俺に何か言う前にフィオラが割って入ってきた。
「アンタこんな所で危ないって!」
俺の魔力の揺らぎを感じたフィオラが危険を感じて止めに来てくれたのだ。
「おい何だお前! ん?お前魔眼持ちか?忌々しい!気安く近づいてくるな!」
フィオラに対して手を出そうとするメラ
「お前みたいな羽虫がフィオラに喋りかけんな」
俺はその手を握りメラを睨みつけた。
「アレイスター、大丈夫だから!ホントにいいから!」
フィオラは焦り気味に俺の袖を引っ張る。
「お前、、俺に向かって羽虫だと?許さん。絶対に許さんぞ!今日の歓迎会の余興に貴様をなぶり殺して誰が魔特待首席に相応しいか皆の前で証明してくれるわ!!」
メラは激昂し手を振りほどくと連れていた取り巻きと教室から出ていった。
「アイツ、ちょっとビビってた。あんな感じだったけどアレイスターの魔力ちょっと感じたんだと思う。」
フィオラが裾を引っ張りながら俺に言う。
俺はメラの弟をギッと睨むとフィオラと席に着いた。
〜新入生歓迎会〜
今日は授業はなく1時間目の時間から歓迎会の催しが行われる。これは先生達も参加しているらしく他にもこの学園に存在しているクラブやチームなど色々な人達で行われるらしい。そして、俺とメラとの決闘は今日の目玉として最後に行われる。
「アレイスター!分かってると思うけど絶対に無茶しちゃダメだからね!アンタの本気も気になるけど流石にここがもたないから!」
隣の席でフィオラが俺にしつこく言う。
「分かってるって。でも、フィオラの事あんな風に言ったんだから後悔はさせる。」
「いや、ホントに大丈夫だから。昔から慣れてるし」
「これは俺の気持ちの話でもある!それは曲げられない!」
俺がフィオラの目を見つめながら熱く語る。
「もう、ホントにアンタは、」
少し困りながら髪をかきあげるフィオラ。
「そ、それにしてもここ凄いわね!生徒全員が入るなんてとんでもない広さよね」
話題を変えようとフィオラがこの場所について話す。
「魔闘技場 ワルツベリア、学園都市にある最大級の闘技場で一般人まで入れて歓迎会するなんて凄いわよね〜本当にお祭りみたいな感じなのね。」
学園から離れた所にある学園都市の観光名所でもある魔闘技場ワルツベリア。ここの広さは国民全員入る程の広さで魔法を使用し鑑賞もストレスフリーで全員が楽しめる正に魔法世界をふんだんに生かした闘技場だ。しかも一つ一つの席がふんわりとした心地のゆったりできるソファ見たいな座席でここも最高品質だと言える。
「あぁ、こんな場所はじめてで凄いワクワクするな!」
俺は見た事ない風景に感激していた。こんなの前居た世界じゃぶっ飛んでも見れないだろう。魔法をはじめて使った時もそうだがホントにこの世界は退屈しない。
「なんか、そんなアレイスター見るのはじめてで新鮮。でもホントに凄いわよねこの場所」
「では、只今よりワルキュリア魔法学園の新入生歓迎会を行いたいと思います。皆様、どうぞ最後まで楽しんでいって下さい!」
司会の声が響き渡る。いよいよ歓迎会が始まる。