入学式
第1章
6話
あの入学試験から1週間。とうとう入学式の日がやってきた。合格発表の日にデカデカと俺の名前だけが魔特待首席という名目で1番上の上に張り出されていた。そんな恥ずかしい思いをした俺は入学式まで寮の部屋に篭っていた。
魔特待首席というのはどうやら学園都市に存在する最高を誇る戦力らしい。この世界には学園都市がワルキュリア魔法学園の他にも6つ存在するらしくそれぞれにも魔特待首席という名を冠する魔法使いが存在するらしい。
「いよいよ、入学式か本格的な授業は明日かららしいけど」
今日は取り敢えず入学式だけだと聞いている。学園自体が本格的に始まるのは明日からだ。
俺は身だしなみを少し鏡みで整えて寮の部屋を出た。
寮をでると他の生徒は見当たらなかった。俺は入学式の集合時間ギリギリに行こうと考えていた。なんか、遅れて行った方がいい感じじゃん?という事で始まる1分前に寮を出た。
療から学園までの距離は徒歩5分はかかる。間に合わないのは分かっているので俺は裏技を使う。
手を前にかざすと魔法陣が浮かび上がるするとそこから少しだけ大きな口みたいな何かが出現した。
「マスター、お呼びで。」
頭に声が響く。
「あぁ、エリュシオン。こんな形で申し訳無いんだけど学園までお願いできる?」
「もちろん、お任せください。」
エリュシオンという召喚獣は本来国すら覆い隠すくらい巨大だが、部分召喚という方法で口だけだす。このエリュシオンは吸い込んだものを異空間へ飛ばし消失させるのだが契約者だけはワープとして使えるのだ。素晴らしいチートだ。
俺はエリュシオンに吸い込まれ学園まで移動するのだった。
「それでは、生徒代表フィオラ・アルバンド新入生の挨拶を!」
「はい!」
生徒達が連なり座る間を凛とした女生徒が歩いていく。
彼女は主席で合格したフィオラ・アルバンド。入学試験の時にアレイスターに話しかけた女の子だ。
歩いていくその最中彼女の前方に魔法陣が出現する。
その魔法陣から巨大な何かの口が這い出てくる。その口が開くか何か分からない動作を見せたところ彼は現れた。
「な、なんだなんだ!何が起こっているんだ!」
教員の1人が大声を上げる。
「ア、アレイスター?」
フィオラは魔眼でアレイスターだと認識する。
「あれ、フィオラ・アルバンドさんだっけ?久しぶり!」
俺は何事もないように挨拶した。
「あんた、ほんと何してんの?」
フィオラが呆れたような憐れむような目で俺を見下げる
「おい!アレイスター!君は何をしているんだ!」
後ろから怒号が響く。メリナである。
「入学式で遅刻!しかも、そんな登校のしかたがあるか!」
俺はどうやら時間を勘違いしていたらしい。しかも辺りを見渡すと入学式会場のど真ん中だった。どうやらフィオラが新入生の挨拶をするところだったみたいだ。
「すいません、メリナ試験官。ちょっとやっちゃいました」
「お前は、、、もういい!あと試験官はやめろ普通に先生だ取り敢えず早く席に着け!」
俺はメリナに睨まれながら他の生徒の白い目を浴び席に着いた。
「ほんと君は何を考えているだ」
入学式が終わり俺はメリナに呼び出されていた。
「すいませんメリナ先生。遅刻ギリギリに行った方がなんか良いかなと思ったんですけど時間を勘違いしたみたいで...」
「何が遅刻ギリギリの方が良いだ!意味がわからん!入学早々...呆れて何も言えないよ」
メリナはビックリするくらい呆れている。なんか、ちょっと申し訳なくなる。
「いや、ほんとすいません。」
説教から解放された俺は指定された教室に向かう。今日はクラス発表と学校のちょっとした説明をし解散らしい。
これ以上遅れるとアレなので急いで向かった。
「確か、1-α組だったよな。」
なんとも凄いα組という単語。この学園は12年生で6年生以降からは組み分けが無くなる。クラスはα~ηまで存在し各学年毎に進級テストが行われ、卒業する頃には半分も生徒が居ないんだとか。
そうこうしている内にクラスの前に着いた。
ガラガラ
俺は扉を開いた。教室に入るとよく見る大学の教室見たいに段ごとに席があるタイプだ。でも席順は決まっているので自由では無いみたいだ。
俺の1番右上の端っこらしいのでそこに向かって歩いていく。すると、見知った顔がそこにあった。
「おはよう、アレイスター。さっきぶりね。」
「おはよ、フィオラ・アルバンドさんまさか隣とはね」
隣の席はフィオラだった。
「いつまでその呼び方なの堅苦しく嫌。普通に呼んでよ」
「じゃあ、フィオラで。改めてよろしく」
「うん!よろしく!」
ガラガラ
再び教室のドアが開く音がすると教師が入ってきた。
「皆さん、はじめまして!今日からよろしくね!私が担任のネーネロ・バレンリスタよ!」
ネーネロ・バレンリスタ。金髪のロングで少しウェーブががったような髪の毛の綺麗な女性。包容力が歩いているみたいな印象を受けた。
「なんか、凄い人ね」
フィオラがぼそっと呟く。
「な、凄い担任だな」
俺も同じ事を考えていたのですばやく返答する。
「ねぇ、アレイスター。一緒に帰らない?」
学校説明が終わり下校時間になった時にフィオラが俺にそう言った。
「え?あぁ別にいいけど」
驚いてしまった為に返事が素っ気なくなってしまう。
「嫌なら別にいいけど?」
「ビックリしただけだって笑 是非一緒に帰ろう」
俺がそう言うと少し笑顔を見せ2人で教室を出た。
学園から寮までは以外とあるのでたしかに1人で帰るには退屈する。しかし男子と女子の寮は離れていて一緒に帰る距離では無い気がする。
「私ね、友達が欲しかったの」
学校から出てすぐの事だった。フィオラはボソッと呟いた。
「アレイスターは何にも言わないけど、魔眼持ちって稀有な存在だから異形見たいに扱われる事が多くて、」
魔眼。生まれつき持って産まれる先天的なもので後天的に得たという情報は今現在確認されていない。その能力は様々でフィオラの場合詳しくは分からないが俺の魔力を見抜いたという事はそれほどの魔眼という事。普通に魔力を視認しようとしても俺の魔力は抑えられているので常人より魔力が少なく見えるのだ。
「最初は普通に気になって声を掛けようと思ったんだけどアナタ私が魔眼持ちって言っても何にも驚かなかったから」
フィオラは少し暗い表情で語った。
「俺でよければ是非友達になって欲しいな、俺もどちらかといえば避けられる側だし」
フィオラの表情が少し晴れた気がした。
「うん!これからもよろしくね!アレイスター!」
「こちらこそよろしく!フィオラ!」
俺たちは少しばかりお互いについて話しながら帰路に着いた。