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アリスフィル・エンゼルガーデン①

第3章

56話






ここはヴァルハラ大陸の中心部に有る街ウルミナ。この街ではヴァルハラ大陸全ての流通が管理されており商人たちはこの街で品物を卸し各街の代表者がそれを運搬する。


ヴァルハラ大陸は6つの国で構成されており大昔に6人の兄弟が1つの大陸を賭けて争った結果今の国の形がが発足したと言い伝えられている。嘘か誠か、真実を知る者は既にこの世にはいない。



「よう!今日も賑わってるかい?」


「お!ヒガシの〜!勿論よ!大繁盛も大繁盛!見てみろよいつも通りのこの人集り!」


「こんだけの人が居んのにつっかえねーんだもんなぁ!感謝してるぜ!いつもよ!」


「こちらこそたぜ!毎度ー!」


「キャー!!!」


「う、うぁぁぁ!!」


人が行き交う中央市場。ここは毎日が有り得ない程の人混みで乱雑し混雑しているが行き交いは非常にスムーズ。手際の良さに対応の良さ、この市場は顧客側も一流だ。


そんな活気溢れる市場には似つかわしくない悲鳴や狂声が聞こえる。それは、人から人へと瞬く間に伝染していき市場はものの数秒で大パニックに陥った。


「な、なんだ!やめろ!みんな落ち着け!!何が...」


そのパニックの原因は一目見て理解した。逃げるが早いか叫びが早いか、動き出すのと同時に声を上げていた。


「ま、まものだぁーー!!魔王軍の!魔物だ〜!!!」


大きく生えた翼や鋭く尖った爪は悪魔の様な笑みとそこから零れるキバが物語る。魔王軍の魔物は知性があり装備を身に付けている為スグに分かる。知能の無い魔物は言語を理解せず本能のまま襲ってくる為、動物に近く装備等も当たり前に身につけない。


「アリスフィル様も魔王としての才覚が出てこられた!!こんな、人間相手なら我らだけでも十分!!」


「ソノトオリだ!!」


「このまま人間どもを!!!」バシュ.........


「ン?どうした?」


「うわぁぁぁ!!ヤバいヤバい!!ヤッてもうた〜!」


光か堕ちた。それは空から差す一筋の光のようにただ真っ直ぐ一点を照らすように


光が疾ったその余韻を下降するアレイスターは非常に落ち込んでいた。それはこの作戦に於いて人間側にも魔王軍側にも死傷者を出来るだけ出さないとアリスフィルに約束していたからだ。



〜回想〜


「で、其の作戦というのは??」


「うん、先ず俺が魔王軍が侵略している所に全部行って助ける。んで、今回見たいにド派手に暴れてそれをアリスフィルが止めに来る、撤退。これで、俺の力をハッキリ示せれば侵略を辞める1つの言い訳になるんじゃないかな?と思ったんだけどどうだろ?」


「たしかに、坊やの力は凄いわ。けれど、正直そんなに上手くいくかしら?」


「ひとつはアーティファクトを無効化出来た事かな。これはデカイと思う。あ、そういえば今回の件はそっちではどんな感じに話進んでるの?」


「ビリィーは黒金殲滅隊の中でも日は浅い方だけど実力で言えば上から数えた方が早いわね。周りからも相当信頼も期待もされてたし、勿論わたくしもね。」


「なんか、ごめんね。」


クスッ


笑いが溢れ出るアリスフィル。


「ごめんなさい、でも...坊やが謝ら無くても良いのに...その...顔...ハハハッ!あぁーおもしろ」


「なんなんだよ、こいつ...」


「あぁー!笑った笑った。ふふ、話を戻しましょう、一応城に戻った時に皆には事情を説明したわ。ビリィー本人も覚えていたし...でもみんな納得いかないから取り敢えず(わたくし)が実際確かめてから坊やへの対応を決めるって話になったの。」


「それなら、今から行くか!アリスフィルの城!」


「え、はい?何を言ってるの?」


「その部下達に俺を見せれば良いんだよ。流石に人間より魔物や魔人、魔族の方が魔力感知も敏感だろうし。」


「そういえば貴方あんな神獣達を何体も....使役?契約?してるのよね?人間なのよね?魔力おかしくない?感じる魔力はそこまで大きく無い気がするけど」


「生まれつきエグい魔力量で身体が勝手にかくかくしかじか」


「へぇ〜そんな事もあるのね。それならまぁ、納得か。」


「それで、どうする?」


「......。一度、(わたくし)に見せて貰えませんか?貴方の本気の魔力を」


少し間を開け決心したかのように向き直り目を見て強く話す。その瞳の中には曇りは一切ない。


「ここじゃ無理だしちょっと上行こ!雲もないしさ!」


「上?空?」


手を引き席を離れる2人。神獣達をそっとアヴァロニアに戻し代わりにドランシアの魔導書(グリモワール)を開く。


街が少し小さく見える程度に上昇し月明かりと風に当てられる。辺りには人の影も毛程なく2人だけの空間。


「なんだか、子供に連れ回されてるお母さんみたいね」


「たしかに年齢でいったらそうかも、、、身長も大人程は大きくないし」


話しながらにドランシアの魔導書(グリモワール)の頁をとめ魔法を発動させる。


「『リルウラ・ガブリエル!!!』」


声が重複し共鳴する。本から放たれた魔法はアレイスターとアリスフィルの視界を一変、裏へとひっくり返した。


「な、何が?こ、これは?」


「ここなら人は来ないし多分大丈夫だと思う。いっとくけど本気は出さない!てか、出せないと思う...世界が持たないどっちもの。」


「わ、分かった。出来うる範囲で!」


「よし、いくぞ!」



続く



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