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大いなる空の支配者①

第2章

36話






魔法障壁は内側からなら自由に出入りが可能だ。これはユリオンの許可した者に限られるがその分外側の守りは強固なものになっている。しかし、竜達の攻撃は音を立てながら障壁を削っていく。魔法というよりは自然そのものに感じた。ユリオンの様に独特な魔法を作り出す者もいるという事も有り得ない程のだが竜たちの様に自然を操るという事は神にしかできない事だ。つまり神獣達にも匹敵するかもしれないということ。


『アレイスター!この障壁内では基本的に我以外の魔法は使えん!だが本気の、戦った時の貴様なら関係ないだろう!!』


「ああ!なら久々に、、リュシリオン!!!」


大きな魔法陣の中から出る光り輝く白き竜。それは敵のドラゴン達も一瞬攻撃を止めてしまう程に光る。しかし、姿形は似ても似つかなく神獣を体現するに相応しい容姿をしている。


「あ、あれは、、、神獣?」


「あの姿も。魔力量も竜王親衛隊おも遥かに凌ぐ、、」


「あの人間、、何者なんだ一体、、」


竜たちが念話で話していると後方から凄まじい速度で飛んで来る何かが見える。それは竜の空島とともに姿を現した。


「おもしろい魔力を感じたんでな、急いで来てみりゃおったまげだぜ!!あれは神獣か?」


「マスター!!!やっとお呼びくださいましたね!!皆んな寂しく思っておりますよ」


「リュシリオン!!ごめんな、アレから訳あってだな、それはまた後で話す!ところであのドラゴン達見た事ある?」


「いえ、私もこの世界のことはあまり、、ですが私たち神獣にも近いものは何匹か感じます。」


「だよな、何だが不思議な気配だ」


「それでも私の足元にも及びませんがね!!」


「そんなの当たり前じゃん!じゃなきゃ困る!」


『アレイスター!』


ユリオンの声が聞こえた瞬間リュシリオンが飛翔しながら大きく横にズレた。


「うぉぉぉぉぉ!!!!」


落ちそうになりながらも必死に踏ん張る。何かから避けたような動きは考えている暇もなく何度か続けられた。向き直り前を向くと周りのドラゴン達より大きな図体をした巨体がこちらを睨んでいる。


「ほう!!避けるか小賢しい!人に操られる召喚獣など、神獣にして神獣に在らず!!ここで俺があんたを殺してやるよ!!!」


「ふん、青二歳が!格の違いを教えてやろう!!」


二者はお互いに向き合うと次の瞬間に咆哮と共に息吹を放った。それは魔法障壁の内側と外側から撃ち合いになった事で障壁が崩壊する事を意味していた。しかしそれはドラゴン側からすると好都合で崩壊と同時に此方へと流れ込んで来るのであった。


がしかし、リュシリオンは冷静に敵ブレスを退けながら新たな障壁を展開する。それは対魔法・物理を反射する効果に範囲内に存在する味方には身体強化を的には弱体化というバフ・デバフ付きのトンチキ性能。それに加えて部分保護も怠らない。撃ち漏らしならぬ防ぎ漏らしもない様にお得意の障壁を展開し攻撃を完全に防いだだけに在らず反撃もする。


「流石、リュシリオン!お前凄すぎ!!」


「お褒めに預かり光栄ですマスター。これもマスターの魔力が強まった影響なのでう。本来と同等かそれ以上に力が発揮できます。我々の世界で戦っているかのように魔力で満たされています!」


「ここ最近、碌に特訓もしてなかったんだけどな〜」


会話をする余裕がある程度には蹴散らしたに思える。想定以上だと判断したのか次々にドラゴン達が撤退していく。ただ1匹を除いて。


「俺の名前はアルキメデナ、竜王親衛隊候補生 筆頭 にして神竜騎士団にも届きうる存在!!ここでお前らを殺す!」


『逃げなかった事は褒めてやろう。だが、貴様がしようとしている事は囮であり逃げた奴らを庇う為。貴様は勝てないと分かりながらここで我らを足止めしようと?なぜだ、なぜ我らを襲う。』


「貴様らの存在は我らの国に危険やいらぬ恐怖を与える。それだけの年月俺たちは人との。もっというなら地上との関わりを捨ててきた。遥か昔も空を浮かぶ巨大都市を見たがすでに滅び原型は留めていたが生物か確認できなかった。つまり空に人が居るだけで俺達からしたら脅威になりうるんだよ」


『成程、そう考えるのも無理はないか。何せ人が空に来るなんて微塵も考えてはいないだろうからな。しかし、残念。お前の前にいるのは普通とは大きくかけ離れた存在だ!』


「そんなの魔力ですぐわかる。こんな大きな魔力反応なのに数を見れば2人。しかも片方は神獣を呼び出す召喚士。国どころか世界をも支配できそうだ」


「それが全然そんな事も無いけどね笑笑」


何か不思議に感じる。ユリオンの時もそうだったが相手から仕掛けて来たのに何故か話が通じると、会話が成立すると何故か許せてしまう。コイツらにも色々な理由があって寧ろ空は彼達にとっての故郷でありそこに無断で入っているのは自分たちなのでは無いかと。そうこう考えているとユリオンとドラゴンの戦いは今まさに始まろうとしていた。


『名乗っていなかったな!我は魔王ユリオン!星と共に堕るがいい!!』


「改めてアルキメデナだ!いくぞ魔王ユリオン!!」


「ちょ、ちょっと!!!まっ!!」


俺の声は虚しく二者の攻撃にかき消されその戦いの火蓋を落とす事になってしまったのだ。



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