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始まりの空⑤

第2章

35話






あれから少し時間が経ち落ち着きを取り戻したラシュリーはいつもの調子で笑った。しかしあの時何が起きたかだけは一向に話す事は無かった。アレイスターとユリオンはそれが封印に関わる事だと何となく察していた。あの空間の歪みは何だったのか疑問は残るが今は皆んなが無事だった事を喜ぶように俺達は探索を続けた。しかし中心から離れるにつれ街は何事も無かったかの様にその姿を保ったまま荒廃していた。


『このまま何もなさそうだな。しかし、本当にこの場所が存在していたとは驚きだな。どうにかしてこれを我の大陸と繋げれたら良いのだが・・・』


『確かにここで放置しておくのもなんだものね〜』


「それに関してはラシュリーも賛成なんだな」


『ええ、勿論。研究にもなりそうだし、、色々しれそうじゃない?』


『しかし手立てがないとなると、、、』


俺達は悩みに悩んだ末何も解決策が思い浮かばなかったので泣く泣く空中巨大王朝フルバーニアンを後にする事になったのだった。


〜ユリオンの城 アレイスターの部屋〜


帰還して早々ユリオンは確かめたい事があるとすぐに何処かへ行ってしまった。この巨大大陸にも何かあるのかと考えると同時に今回の空中巨大王朝フルバーニアンでのラシュリーの1件を思い出していた。


「(あれは多分ラシュリーの封印に関係している。それを察してユリオンも何かを確かめに行ったんだろうな。でも、あの空間の捩れ?歪みの正体が分かれば話は早いんだけどな〜)」


あの空間が何だったのか全くわからない。しかしアレに引っ張られる様な感覚を覚えたのも確か。ラシュリーが止めてくれなければ何が起きていたかは見当もつかない。


〜一方その頃ユリオンは〜


『(ラシュリーのあの急激な状態の変化は確実とは言えないが封印に関係しているハズだ。今は大事をとって休ませてはいるが次いつ姿が消えて居なくなるかはわからん。だが我の記憶の中に答えはある筈なのだ。あの空間に我は何かを感じアレイスターが近付いて行くのにも強くは何も言えなかった。それに加えラシュリーの異変にも気付かなかった。何か、何かアレに関する情報を我はきっと持っている。それを見つけ出す事ができれば、、、)』


ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


「何だ!?」

『何だ!?』


アレイスターとユリオンが同時に違う場所で反応を起こす。それは巨大な魔力達がこちらに向かって来ているのを感じたからだ。空中に浮かぶこの大陸の大地を揺らし大気は震え空は響き雲は嘆く。その集合体ともいえる魔力の数は数千から数万にも及ぶと感じれた。


『アレイスターー!!!』


「ユリオン!来るの早いな!」


『そんな事より感じた!!』


「あ、ああ。凄い魔力塊を感じた。」


『アレは恐らくドラゴン、竜だ』


「マジ!ドラゴン!?」


『ま、まじ?貴様度々変な言葉を使うな。だが、まぁマジってやつだ』


「ドラゴンなんて本当に存在するんだな、」


『遥か太古から存在するとされる生き物たちだ。我も過去に1度だけ1匹の竜とあいまみえた事があるがソイツの と同じ様な魔力を感じる。』


ドラゴン。それは元いた世界でも空想の生き物として存在し俺のいた国では神としても神聖視された伝説の生き物。そんな伝説の生き物がこの世界には実在し今も生きている。


「で、この感じだと近付いてるんだよな?しかも魔力が荒だってるように感じるから歓迎はされなそうだし」


『あぁ。もうスグそこと言ったところだな。取り敢えずは見に行ってみるか』


「見れるの?」


『あぁ、もう視認できる所まで、、、』


ギュイオオオーーーーン!!!!


突如轟音が響いたと思えば耳鳴りで何も聞こえなくなった。そして激しい振動がユリオンの城を襲う。アレイスターとユリオンはお互いが目を見合わせてアイコンタクトを取り屋上まで急いで上がった。すると、、


ギュイオオオーーーーン!!!!

ガァァァァァァーーーーン!!!

フトゥゥルルルルヒューーーイン!!!


数匹のドラゴン達が魔法障壁に向かい攻撃をし破ろうとしている。その大きさはユリオンの城よりやや大きくまさに怪獣というに相応しい。


「あれが、、、」


『あぁ、アレがドラゴンだ』


火を吹き風を纏い大瀑布を落とす。正に自然そのものの化身であるかの様な怪獣達はこの大陸を落とそうと言わんばかりに激しく攻撃を加える。


「聞こえるか人間!!お前らが我らに何の用か分からんが即刻立ち去れ!!!ここはお前らなどが来ていい場所ではない!!」


ドラゴンの声が響き渡る。


「え!あいつら喋れるのかよ!」


『ああ、奴らは知能が高くいついかなる時もこの世界を傍観してきた謂わば観測者みたいなものだ。人間がこんな空に到達するなどほぼ有り得ん話だ』


「なるほど。世界には不干渉ってわけね。」


この異様なまでの警戒は人間を知らないが故のものらしい。しかも俺とユリオンは魔力量も凄まじい。勿論、俺は普段魔力を抑えられているので普通なら感知はできない。しかしフィオラの魔眼やユリオンの様な強者等一定のレベルには感じ取られてしまうらしい。ユリオン曰く俺の魔力は深いらしい。抑え込まれている分魔力の深み見たいな物が生まれているらしく明らかに異質らしい。


「どうする?ユリオン」


『あぁそうだな。奴らも話を聞く連中じゃあるまい。お前も最近暴れたりていないだろう?』


2人して笑い合うと


「久々に、」


『ああ!暴れてやろうじゃないか!!』


2人は空を駆け上がるかの様にドラゴンに向かい飛んでいくのであった。


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