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目覚め⑥

第1章

30話






空に浮かぶ巨大な大陸は山よりも大きく広く見える。ここから見下ろす景色は何もかも新鮮でこの世界の全てを見渡している気分にさせてくれる。しかも島という規模ではなく大陸と表わす程にこの大地は広くそして逞しい。これほどのまでの大きさの大陸がどのようにして浮いているのか疑問である。


『これも我の魔法の一種だ。それに基本的に普通の人間にはこの大陸は見えないようになっているから見つかる心配もないという訳だ。』


ユリオン曰く空に浮かぶ星は全て目で見える訳ではないらしくそれと同じ原理なのだとか。正直言ってる意味が理解できなかったので認識阻害ができるという風に考えている。


「てか、本当に連れていかれると思ってなかったんだけど...」


『ん?まぁ良いではないか!我とお前が入れば怖いものなんて何もない!無敵も良いとこだ!ハハハハハ!』


『まったく、、、戦っていた相手とはいえ本当に申し訳無いわね。今からでも帰っていいのよ?』


「いや、まぁ。どうせならね?」


俺はユリオンの方に顔を向けた。先程まで戦闘していた敵同士とは思えない雰囲気。丸で警戒していないのが分かる。勿論、俺も敵意がある訳ではないが魔力を吸収されたり部下に襲撃を命じたりと因縁はある。それを承知の上で俺に協力を求めてきたのだ、そこに多少の違和感を感じている。


『安心しろアレイスター。お前の言わんとする事は分かっている。』


「ん?いや、多分ユリオンが考えている事じゃ・・・」


『いや()()()()()()()アレイスター』


ユリオンは俺の心を読んだかのように話す。それは嫌な気分では無いが良い気分とも言えなかった。何か、自分の大事な何かを勝手に覗かれた様なそんな不思議な気持ちだった。


『すまん、気を悪くしなで欲しい。本当に心を覗いている訳ではあるまい』


「言わなくても本当に分かるんだな。別に悪い気分では無いけど良い気もしないかな、、、」


『そうだろうな。貴様ら人にとっては心を覗かれている気がして落ち着かないだろう。だが、実際は直感と言えばいいのか、相手が伝えたい事を感じるのだ。』


『そうなの、だから私達は意志や思いで会話を成立させる事ができる。これは魔法を用いた念話とは全く異なる別物なのよ』


どうやらユリオンやラシュリー達の種族は声を発する事なく会話をする種族らしく大昔にはその種族達が多く繁栄し国や街を形成していたらしい。魔力が世界を満たし自然に満ちた豊かで広大な土地がこの大陸、世界を彩っていたらしい。しかし、


『突如として我々の世界は終焉を迎えた。そこにラシュリーも関係しているのだろう。話せない事が多い以上我々が自力で手掛かりを探すしかあるまい。』


世界の終焉。それがどの様な経緯で起きたかは定かでは無いらしいがそこを境目にユリオンの記憶は無くラシュリーも封印され世界は生まれ変わったのだとか。


「凄い壮大な話になってきたな。」


『そう言う貴様は何者なのだアレイスター。複数の神獣を使役しているだけでも人間では出来ない芸当。それを複数同時に召喚でき更にはその能力だけ引き出す事も可能など聞いたこともあるまい』


「あーそれなんだけど」


俺は改めてユリオン達に自分の事情を説明した。元々はこの世界では無い別の場所から気が付けばこの世界の赤ん坊になっていた事、生まれつき魔力が莫大だった事、そして小さい時から召喚獣と契約していた事。話せる限りの話を詳しく説明した。


『なるほど、貴様がさっき召喚したあの者が言っていた選ばれたとはそう言う意味だったのか。それに別の世界から来たとはとても信じられんな。』


ユリオンは不思議そうに俺を見つめながら深く考えている様子だ。しかし何故か楽しそうに見える。


『だが、ラシュリーや我の記憶と何か関係しているかも知れん。よく話してくれたアレイスターよ』


「!まさかお礼を言われるなんて笑」


『旅に着いてきてくれるのだ、もう仲間だろう!』


意外な言葉に驚きを隠せない。先程まで俺と殺し合いをしていたとは思えない。だが何故か裏がない様に思える。それ程に真っ直ぐに誠実な男なのだろう。


『この旅は途方もなく長くなるかもしれん。改めて礼を言うぞアレイスターよ。貴様の生活もあるだろうが我はこれを運命だと感じている。この先絶対にこの出会いが無駄にならないと直感が騒いでおる』


真剣な眼差しで頭を少し下げたユリオン。この直感は恐らく当たってる。そう感んじざるおえなかった。



始まるは空の旅。アレイスター達にこの先どんな苦難が待ち構えているのか想像もできない。魔特待主席を失った学園都市に、世界の秘密を握る過去の大戦。ラシュリー捜索・復活編改め第2章が始まる!!



第1章〜完〜

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