クラス対抗戦②
第1章
23話
「それでは対抗戦を始める!双方、準備はいいか!」
メリナ先生が大きな声で叫ぶ。この学園には多くの修練場が存在していてどれもシュチュエーションの違った地形、環境で形成されている。この第3修練場は岩石地帯のような作りで修練場の大きさもとてつもなく大きい。
「それでは!よ〜い、はじめ!!」
「フロル・スラッシュ!!」
「リーフス・ストーム!!」
始まりと同時にヴァレリアとクリステフが魔法を唱える。すると大きな風が集まりそれぞれの風が絡み合い混ざり合っていく。その攻撃を待つ事なく他の生徒達も攻撃を仕掛けてくる。
「飲め!デリオラ!」
グゥゥゥゥーーーーン!!!!
掛け声と共に当たり一面は黒く染まる。闇に吸い込まれた修練場は丸で夜になったかのように静かになる。だが魔法がなくなった訳ではないので12年生達は迷わずに突っ込んでくる。
「(流石にこんな変化じゃ戸惑うこともないか)」
シュシュシューーーーン!!
風の斬撃が襲いかかる。それは見えないが魔法なので感じる事はできる。俺は影に潜りながらそれらを躱す。
ズズズィィィ
空を覆っている影を伝い12年生達の上空から身を乗り出す。
「セイグリット・レイ!!!」
細かいレーザーの様な光が皆を襲う。丸で全ての不浄を浄化する聖なる雨が如く修練場に降り注ぐ。だが、その攻撃にも12年生達は全く動じない。冷静に対処し避ける、防ぐ等して身を守る。
「流石は最上級生。この学園の生き残りはやっぱ違うな。」
再び地上に戻った俺はすかさず次の一手を繰り出す。依然、上空からのセイグリット・レイは止んでいない。
「神達の祝福を信じる者達の声よ、降り頻る雨を晴らし迷える魂達を導く光となりて私達を守りたまえ。」
瞬間光の障壁が降り注ぐ雨から12年生全員を守る。防がれてるというより分解されているに近いふうに見える。粒子のように塵となり消えていく。
「ミラエルシー・バリアント」
魔法名を唱える前に発動させている。これは詠唱していることが大きく関わっている。魔法はとはその魔法名を唱える又は魔法の詠唱で発動させる事ができるが詠唱するという事はその分溜めができる為スキになる。しかしそれを踏まえて詠唱することにより出力の増加に繋がっているのだ。
「パラノイズ・オーディア!」
俺は攻撃するのと同時に障壁を対象として分解魔法を使用する。もちろんこの間も相手の攻撃も緩む事なく俺に襲いかかってくる。
「後ろ、ガラ空きですよ」
突如として背後から声が聞こえる。
「これで僕が!」
至近距離から魔法が放たれる。がアレイスターの姿は何処にもなく影だけがそこに存在していた。
「ちっ!まだ!。??な、何だこれ!!」
背後にいた生徒に影が纏わりつき拘束され身動きが取れないでいる。
「くっクソ!と、とれない!う、動けない!っっ」
「先ずは1人!!」
背後に居た生徒は影で拘束した。この影は1度纏わりつくとアレイスターかデリオラにしか解く事は出来ない為、実質戦闘不能だ。
「ど、どこに行った!声は聞こえたのに!」
俺は背後からの攻撃を躱すと同時に影に潜り常に動き回っている。
「魔神拳!!!」
四方八方、影を媒介にディシディアの魔人の手を複数同時使用する。12年生達の周囲は地獄絵図かのように大きく禍々しい手に囲われている。それらは躊躇いもなく生徒達に襲い掛かる。
「「セシンメモリア・ワール」」
女生徒2人が同時に魔法を唱える。すると魔人の拳は障壁の様なものに弾かれ攻撃は外された。
「魔神脚!!!」
上空から魔人の足が踏み下ろされる。数多の足が生徒達に襲いかかるがこれも防がれる。
「まだまだ!!」
生徒達の攻撃は依然止んでいないがそれを防ぎ、躱しつつ更なる攻撃を仕掛ける。
「折角だしこの機会に試しとくか!」
俺は手の平を空に向け五指を生徒達に向けるようにして
「オーディス・テールジー」
突如として障壁は崩壊する。それは障壁を崩壊させるに止まらず次々に生徒達に襲いかかる。
「ぐわあああああ!!!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!」
悲鳴が飛び交う。血飛沫が舞い腕や脚らしきものが宙を駆ける。
「あ、やば。」
オーディス・テールジーとはオーディンの能力を応用したもので見えない斬撃を細かく連続十字型でで飛ばす。初めて試してみたものの威力は上げ下げ出来ないのでいとも簡単に手足を切り飛ばした。ついでに周囲を覆う影にも斬撃痕が残っている。
「デリオラ、頼む」
「はい、マスターお任せお」
「ありがとう!あ、手は出さないでね!」
「勿論です。出るまでもありませんが」
デリオラは影を一瞬で治すと再び俺の影に戻っていた。
「か、神の祝福を、わ、我々に、い、今一度、こ、この身を癒し三度の再生と奇跡を、、、完全回復再生魔法!!!」
強大な魔力が生徒達を包む。光は段々と満ちていき丸で水で体が浸かっていくような不思議な魔力。すると欠損した筈の部位がみるみる再生していく。
「流石に、凄いな。でも範囲再生魔法は狡い気がするけど、、」
「お前にだけは言われたくないな!1年坊主!!」
クリステフ・キャノフは見えない斬撃を避け気配を消して潜んでいた。俺が再生魔法に気を取られている隙を見逃さず攻撃を仕掛けてくる。
「流石にみんな手応えありますね!!」
クリステフの攻撃を避けつつ集団の方にも攻撃を仕掛ける。が、既に元居た場所には誰も居らず見る影もない。
「私もいます!!」
ヴァレリアがクリステフとは真逆の方向に現れる。どうやらこの2人はどちらも風魔法が得意なようで非常に攻撃の相性が良い。
「まだまだ!」
「こっちも!」
すると周囲を12年生達に囲まれる。瞬間俺の辺り一面に無数の魔法陣が出現する。それは様々な属性魔法で構成されていて障壁や防御の役割もあるみたいで抜け出せない。
『合成共同魔法オクタゴス・プリメライト!!』
「ディレクション・ペンタゴン」
障壁の内側に魔法攻撃がくると同時に周囲の魔法を喰らい尽くす。それは周りの全てを飲み込み丸で最初から何も無かったかかの様に静かになる。
『天より来たれ!聖なる矛よ!天翔竜閃光撃!!」
強大な魔法陣が俺の頭上に2つ3つと増えていく。瞬間神々しい光が身を焦がす。
「これは魔を打ち消す魔法、魔法すら意味をなさない」
「ああ、お前の魔力からこの攻撃が一番有効と判断した。」
「魔特待首席もこんなもんですか、、」
会話が聞こえた次の瞬間、眩い光が目の前を覆い何も見えなくなる。
『これで、終わりだ「です!!』
ズゥゥゥィィィーーーーーーーーーキュュューーーン!!!!!!
影をも貫く光の柱が空を破り天から降り注ぐ。それはアレイスター目がけ一直線に落ちてくるのだった。




