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招かれざる客①

第1章

11話





~1週間後~



マルティラ・ベンガルに襲われて1週間が経った。あの後教室に戻りはしたがマルティラの私兵達を抑えるべく教師陣が総動員でことに当たり生徒達は途中下校という形になった。

次の日以降から何事も無かったかのように普段通り学園は始まったがここ最近はその時の話題でずっと持ち切りだ。


「マルティラ先輩、どうなるんでしょうね」


一緒に登校しているフィオラがあの日以降初めてマルティラの名前を出した。別に意識して出さなかった訳では無いだろうが話すタイミングを伺っていたのかもしれない。


「あの後、ベンガル家から猛抗議があって今は自宅謹慎で済んでるけど後々ちゃんとした制裁が行われるらしいわ」


「へぇーそうなんだ。フィオラはいつも色々知ってるから助かるよ。」


俺は素直に感心と感謝の心からそう口にする。


「言ったでしょ?マルティラ先輩は有名なの。首席では無いにしろ1個人しかも学生の身分で私兵の軍隊持ってるなんて有り得ないでしょ?でもそれを可能にする実力と実績。後は家柄も大きく関わってるけど、まぁ大体そんな感じ」


確かにそれはそうだ。1個人が私兵の軍隊なんて何処の大金持ち貴族だよって話。貴族でも無理か?正直あんまりこの世界の常識や普通がここの人間達より分からない俺からしたらあんまり気にする事ではなかったが、確かに凄いことだ。


「でも、流石に今回はやりすぎたわよね。魔特待首席に成れなかったのが相当悔しかったんでしょうね。」


今回の件で魔法学園側は警備や生徒の自由さが言及されているらしく色々と追われているらしい。マルティラ先輩が今後どうなるかは一旦保留らしい。


そうこう話している次の瞬間だった。


ウゥゥーーーーーーーーー!


警報が都市全体に流れ、緊急放送が始まる。


『緊急避難警報!緊急避難警報!学園都市周辺に魔物、魔獣が大量発生、非戦闘民は速やかに避難を開始してください』


「アレイスター!」


目の前にメリナ先生が現れる。


「メリナ先生、一体どーいう事なんですか?緊急避難警報って、、、」


「取り敢えず一緒に来てくれ!話はそこでする!フィオラ君、君は早く避難したまえ!」


「分かりました!フィオラ、行ってくる気をつけて逃げるんだぞ!」


「先生、私も一緒に!」


フィオラが涙目で先生に懇願する。


「ダメだ!君は早く避難しなさい!」


「で、でも!」


「フィオラ、大丈夫だから今は一旦落ち着いて。いつか絶対フィオラの力が必要な時が来るから!今回は俺に任せとけって!」


「アレイスター...」


俺はフィオラの眼を見て話す。フィオラも俺の眼を見て離さずゆっくりと頷き市民達と一緒に避難していった。


「先生、速く行きましょう!一体何があったんですか?!」


「あ、ああ!そうだな!速く行こう!緊急事態だ!」




~会議の間~




メリナ先生に連れられ俺は学園にある会議の間 所謂会議室に居た。ソコには俺の他にメリナ先生と学園長であるミラエルそして各教員が一同に集まっていた。


「今、この学園都市の周辺を魔物や魔獣の軍勢が取り囲んでいる。その数 約10万位だと推測している、そして5分程前にこんなものが送られてきた」


メリナ先生が淡々と会議を始めた。その内容は今朝の緊急避難警報についてだった。そしてメリナ先生はスっと水晶を出現させた。その水晶から光が差し四角い形を投影させる、どうやら映像見たいなものが見れるらしい。


『どうも皆様初めまして、私はフェイジーと申します。どうぞよろしく。早速ですがこの学園都市周辺に10万程の魔物や魔獣を待機させています。この映像を見た後1時間以内に出撃させますのでこれを魔特待首席1人で応戦してください。もし1人で赴かなかった場合若しくは加勢が入った場合には私の合図で作動する時限式の爆破魔法を発動し学園都市を壊滅させます。尚、結界等は無意味とお考えください。では、お待ちしております、魔特待首席殿』


「以上、こんな感じだ」


映像が終わり静けさをかき消すようにメリナ先生が俺の方を見て口を開いた。


「先程映っていたヤツは何者なんでしょう?」


俺は映像に映し出された謎の人物について尋ねた。全身をローブのようなもので覆い顔すら見えなかった。しかし声色からして男では無いかと推測している。名前はフェイジーというらしいが恐らくは偽名だろう。


「それは、私達にも全く分からんのだ。すまん。」


「魔特待首席アレイスターに命じます。」


メリナ先生が謝ったのも束の間ミラエル先生がはじめて会議が始まってから発言をした。


「貴方にこの都市を守って貰います。条件が有る以上迂闊に手出しは出来ません。ですので加勢は期待できないでしょう。しかし、貴方なら大丈夫。」


ミラエル先生は俺の方に向き直り眼を見て確信してるかのようにそう答えた。


「勿論です、任せてください!その為の魔特待首席なんで!」


「フフッ流石に頼もしいですね、ありがとう。しかし、気をつけて下さい。これは貴方を誘き出す為の罠だと思います。明らかに魔特待首席を狙ってきていますし嫌な予感がします。」


「たしかにきな臭いですね。」


「はい、ですので十分に気をつけてください」


「分かりました!」


俺は元気よく返した。しかし、ミラエル先生の嫌な予感というのが気になる。魔特待首席を態々指名してくるなんて、一応学園都市の最高戦力だ。無策な訳は無いと考えて気を引き締め俺は会議の間を出て魔物、魔獣の群れに向かって飛んでいくのだった。


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