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第六話 赤の将軍⓷

投稿が遅くなりすみませんでした。

「ユウノッ、フィブブバァゼンドブ。」

(中尉、あの水売りの水は飲めそうか。)

将軍は、私の擬像や幟などを一暼した後、中尉に尋ねた。

「バァセクソロンス、インデソンブロンスバジアソブレンキョリイアピズニキィヨリィズミ。」

(閣下、水を飲んだ虜囚には別段問題はなさそうです。)

一瞬、眉間に皺を寄せた将軍は、直ぐに普段の気性の柔らかそうな顔に戻し、横に居る騎乗の人物に声を掛けた。

「アジョワ、ジョシュフィ-クズビュィヤンヂマシイパリヤバン。」

(副官、確か貴官は鑑定の魔道具を持っていたな。)

「ウイッ、パッセラ。」

(はい、これに。)

彼は、胸元まで右の手の平を上げると、淡い光と共に綺麗に装飾された細長い小箱が手の平に現れると同時に、いつのまにか左目に丸い片眼鏡を装着しており、さっさと、私の擬像とテーブルや幟、壺と中の水とコップ。そして、地面と平地の奥にある崖や草木と足元の道まで見つめてから将軍に向き直ると、

「インゼパションデリレクデパッショイン。ァゥレッシイルゥイフェコンデデシサデリシャス、イッセンァブリアミィシアァイグゼンパーマジィカ。」

(毒物の反応はありません。また...、水は美味しい飲料水と表示され、魔法で出したようです。)

若干後半で声が震える様にきこえたが、以上のように報告した。

将軍は、直ぐに馬の背嚢から小さくて綺麗な巾着袋を取り出すと、副官に渡しながら顔を近付け、小声で水を買い取る様に指示した。副官は、頷き巾着袋を手に取ると馬から降りて、少し青ざめた顔をした中尉の横を抜けて私の擬像の前まで歩いてきた。


そして、副官は身振り手振りで壺を見ながら手を楕円機動を描く様に動かし、私の擬像に巾着袋を渡してから、右手を開いて手のひらを見せ、手のひらの下側に人差し指を立てた左手を置いた後、一旦両手を握り込むと再度右手の手のひら開いて私の擬像に見せた。

私の擬像は、巾着袋のなかを確かめると優雅にお辞儀をして、「お買い上げありがとうございます。」と明るくお礼を言った。

すると、副官は満足そうに頷き、ついでに6頭の騎馬に阻まれて待機していた輜重兵に全ての壺を運ぶ様に命令して、将軍のもとに帰っていった。

私は擬像の目を通して巾着袋の中を見たが、白金色に輝く5センチほどの長さの棒一本と、金色に光る5センチほどの細長い板が入っていた。


「あぁ、棒貨なんて現代の地球には無かったもんな。サーチに掛からなかった訳だ。」


私は納得して頷いていると、突然甲高い音が聞こえると同時に空のテーブルや幟が爆散して、私の擬像は爆発の衝撃で崖に叩き付けられて大量に吐血するとそのまま動かなくなった。

私は慌てて木々の間から道ま出て麓を覗くと、青の装束の兵隊達が、大型の棒火矢の様なものをうち上げていた。

打ち上げられた大型の棒火矢もどきは、さきほどまで隠れていた木々の間に直撃して火焔と衝撃を周囲に撒き散らした。


「ちっ!魔力を探知されたか!!。」


私は立ち上がった火焔を睨め付け、麓の青の軍団に反撃に出ようとした時、ふと視線を感じてその方向を仰ぎ見ると、広場から死角になる場所まで登って待避していた将軍が、目を見開きわたしを凝視していた。

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