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第二話 転移とVRMMORPGエンカウンター

ローディングエフェクトの輪っかがあたまのさきから、足元におりていく。

それと共に、草花や木の匂いが、そして遠くから喧騒が聞こえるはじめる。...エフェクトが消えた時、私は、小高い山の中腹に立っていることに気がついた。

「セット!カバーアップツー!」

「サアリリングサーチファイブ!」

咄嗟に魔法を詠唱しながら身を伏せる。

これで、私は周りから見えなくなって音、匂い、気配も遮断隠蔽。周辺5km内の物品、人物、脅威をサーチ出来た。

「ふむぅ、魔法は、VRMMORPGエンカウンターと同じ物が使えるのか...」

意識すれば頭の中に浮かんでくるサーチデータの自分の項目を確認して、ズボンの右尻の無限収能ポケットから手鏡を取り出して自分の顔を見てみる。鏡にジャガイモみたいな不細工な顔が写る。

「あっ、こいつエンカウンターで使っていたキャラクターか?!」

ユノ チェルシー、それがキャラクターの名前だった。


さて、ここで一度"VRMMORPGエンカウンター"の説明をしようと思う。

2055年、大手スタジオの子会社がサービスを開始したゲームで、ユーザーは勇者となり魔王を倒すため旅に出るVRダイブ型RPGだった。

始めは、大手スタジオのサービスとあって、それなりの人気があったが、開始時10万人アクセスから、3週間で3000人前後のアクセスに減少。その後もアクセス数は増加せず、しかもほとんどのユーザーは少額の課金しかしなかったため、親会社は収益が目標値に達しなかったとの理由で一年半でサービスを終了した。

「クソゲーかよ!」と、思われるだろうがそうではない。今までのゲームとは少し変わったシステムを採用した意欲作であった。


例えば、ダイブ空間で、リアルと同様に動ける現役のヘビー級ボクサーが、レベル1のまま自らの拳でレベル最高値100レベルの魔王を瞬殺したり、例えば、魔法は軽い怪我を治す"ヒール"しか用意されていなくて、貴重な資源などを身体に取り込んでオリジナルの魔法を作るしか方法がなく、そのため魔法で攻撃されるとすると、どんな威力の魔法か分からないとか、貴重な資源や物品や魔物は、日本列島なみに広いマップからなんらの情報がないまま探すしかないとか。

実際にプレイすると戦闘では(オリジナル魔法のせいもあって)なにが起こるかわからないし、VR空間でリアルボディーのポテンシャルを出せるように空間内で修行をし始めた格闘家や兵士が出てくると一般人が勝てるわけがなかったなど、なんか悪口っぽくなってしまったが俺とパーティを組んだ仲間3人は、居残った3000人達と同様に思い切り楽しく遊んだし、一般人クラスのパーティでは上位の実力を持っていた。

ただそのせいで、上位クラスから矢鱈に絡まれて、数え切れないほど下天したが。(下天(げてん)ゲーム内用語でプレイアブルキャラが死亡した場合のことば。)

ちなみに、クラスはプレイヤーたちが勝手に名付けており、実力順で上から"化け物クラス"達人クラス""プロフェッショナルクラス""一般人クラス""実力がないならやめてクラス"の5段階に分かれていた。

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