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02 勇者シュドさんとお友達
強盗事件の話は、思ったより広まっていたらしい。
翌日、お店に兵士達がやってきた。
そして、その中には、見知った顔ぶれも。
俺が死ぬときに、皆をすくっていた勇者然としていた女性だ。
彼女の名前はシュド。
ティナの知り合いで、昔の同僚らしい。
「久しぶりですね。元気でしたか」
シュドは柔らかな表情で、ティナに語り掛けている。
かなり仲の良い間柄らしい。
そんなシュドは、ティナの健康を気にかけていた。
「早くお金が貯まって、薬が買えるようになればいいのですが」
「だいじょうぶ、順調に貯まってるから、心配しないで」
俺は今なら、彼女に話を聞いてもらえるかもと思った。
シュドが俺という新米店員に気が付いた。
「ところで彼は?」
「実は、行く当てがないっていうから、ここで働かせているの」
「ど、どうも」