01 引退娘ティナ
というわけで四周目。
一周目と同じ流れでティナと知り合い、ヘブンズドアの店員に。
順調になかよくなりながら、今度は慎重に動いてます。
また牢屋に入れられて、無駄な時間をすごしたくない。
いや、あれはあれで仲間?もいて楽しかったけど。
そんな中で判明したのは意外な事実だった。
「きゃーっ、誰か強盗よ! 捕まえてー」
買い出しでティナと町を歩いていたら、強盗事件が発生。
泡喰ってる俺の横で、ティナ嬢がさっそうと、その強盗においついた。
そして、華麗に手刀をお見舞いして気絶させてしまった。
おう、プロい。
被害者も目を丸くする手際だな。
「えっと、ティナさま、もしかして歴戦の猛者とかだったりしますん?」
「そういうわけじゃないよ。昔、この国を守っていた一人の騎士だっただけ」
いや、ただの人間じゃなかったパターンでしょ。
いまのみたら。
ティナはなんと昔とても強い人だったらしい。
しかし、病気で引退したのだとか。
体を使うと、悪化する類の病気だ。
治す薬は高い、そして希少。
薬をかうために、お店の店員をしているのだった。
お仕事でためたお金は残ってなかったの?
そんな風に聞いたら、引退時のお世話になった人達へのお礼ですっからかんにしてしまったとか。




