とある異世界人の手記
「ぜんっぜん駄目」
ため息交じりに呟くと私は文字で満たされている一枚の原稿用紙をクシャクシャに丸めて後ろへと放り投げる。これでかれこれ何回目だろう。
鬱屈な気持ちのまま再度新たな原稿用紙を取り出し、その上に自身の名である『ガーベラ・ディジール』と文字を記す。
「ガーベラ、また行き詰ってるの?」
そう話しかけてくるのは劇作家仲間であり、親友でもあるジュリア・キャドルフラである。彼女は帝都で指折りの人気を誇る超売れっ子の劇作家だ。
とある大人気劇作家の下で共に弟子として日々研鑽し合っていた当時から仲が良く、今もこうして二人でルームシェアをして暮らしている。
そしてたまにこうして私の悩みを聞いてくれるのだ。
「そう。何かこう、書いても全然面白くないの。私って才能ないのかな?」
「そんなことないでしょ。才能が無かったら処女作であれだけの人気なんて出ないじゃない」
「あれは運が良かっただけだもん」
ジュリアの言う通り、私が最初に脚本を担当した『騎士王の帰還』は当時、帝国中の誰もが認知するほどの大層な人気を勝ち取った。
しかしそれから思うように作品を書くことが出来ていなかった。一作品目が売れているからこその重圧。それは私の中で多大に大きなものであったと気が付いた時にはもう一枚の原稿用紙を埋めることすら出来なくなってしまっていた。
「そんなに思いつめないで。伸び伸びとあなたらしい脚本を書けばきっとまた売れるわよ」
「……ありがと」
いつも前向きな言葉をかけてくれるジュリアには感謝しかない。一人で思い悩んでいたらきっと私は筆を折ってしまっていたことだろう。
そして私は持っていたペンを机の上に置き、大きく伸びをすると立ち上がる。もう今日の執筆はここまでだ。
「さ、ご飯にしましょう」
――――
「ジュリア、また賞を取ったんだってね。おめでとう」
「ありがとう。まあでもガーベラほど凄くはないけれどね」
照れ笑いを浮かべながらそう返すジュリア。私ほど凄くないなんてそんな訳ないでしょと突っ込みたくなるのだが、彼女は本気でそう思っているらしくいつも私の反論をキョトンとした顔でこう返してくるのだ。
『だって騎士王の帰還なんて史上初の殿堂入り作品で今でも根強く人気があるんだよ。そんなものに比べたら私なんてまだまだ』、と。
そう返されるのを知っていてもなお私は決まってこう返す。
「いやいやジュリアの方が凄いでしょ」
「ガーベラは自分の事を過小評価しすぎなんだよ。もうちょっと自信を持とうよ」
「持てないわよ。だって私、かれこれ2年くらい何も書けてないんだよ? その間にジュリアは次から次へと人気作を生み出していくし。どっちの方が凄いかなんて誰がどう見てもジュリアの方だよ」
「でも一発の強さはあなたの方が断然上じゃない」
「だから一発しかないんだってば」
こんな事を言ってくれるのはジュリアくらいなものだろう。世間では最早私の名など忘れられており、作品名を告げてようやく、「あぁ、あの一発屋か」などと揶揄されるのが関の山である。
正直、一作品目の脚本使用料だけで食べていけるほどには潤っているため、自分が何のために脚本を書こうとしているのかが時々分からなくなってくる。
「きっと切羽詰まっているから書けないのよ。一度、リフレッシュのために旅行にでも出かけてみたら? 私は仕事があるから付いていってあげられないけれど」
「旅行ねぇ」
――――
次の日の朝、私は大きな手提げ鞄を持ち、駅のホームに佇んでいた。ジュリアに旅行にでも出かけてみたらどうかと言われ、確かに悪くないなと提案を受け入れこうして荷物を鞄に詰めて魔導列車の駅へ来た。
魔導列車というのは私が住んでいるレメイン帝国の西側に位置するイシュラード魔導王国で開発された長距離輸送列車のことである。
何でも『魔導』の力を使って超高速な輸送が可能になったとかなんとか。魔導については『火とか出せるよく分からない超能力』という程度の知識しか持ち得ていない私には原理などさっぱりだけど。
そうして少しの間待っていると魔導列車が駅に到着する。車体が浮いているため、音もたてずに静かに到着した魔導列車に少し感動を覚えながら中へと入っていく。
普段は長距離を移動することの無い私は魔導列車に乗ることは稀なのだ。だからこそこうしていつも新鮮な驚きを魔導列車から感じ取っている。
車内に入ると指定された席に向かい、そこに腰かける。まもなく発車するのだろう、突如来る浮遊感、そして近未来的な内装に私は旅への高揚感を抑えきれずにいるのであった。
――――
「着いた」
魔導列車のスピードには毎度毎度驚かされる。魔導王国の王都なんて帝国からものすごく遠い筈なのに。
そう、今回私が来たかったのはイシュラード魔導王国である。
魔導王国に来て真っ先に目に入るのがプカプカと宙に浮かぶ建物群。ここでは誰しもが魔導と呼ばれる不思議な力を使えて当たり前であり、日常生活に浸透しているのだ。
公園では子供たちが魔導を使って宙に浮かんで遊んだり、家では魔導を使って風を起こすことで洗濯物を乾かしたりとその用途は多岐に渡る。
そんな不思議な国『イシュラード魔導王国』に来たら私の創作に何かの影響を与えるんじゃないかという期待の下来たわけなんだけど。
「これは思った以上に凄いわね」
魔導王国の王都を歩いていくと次々と得体のしれない物が目に入ってくる。どこか別の世界に迷い込んでしまったんじゃなかろうか。
そんな錯覚を覚えるほどに不思議な周囲の世界に胸を躍らせながら私は今回泊まる宿を目指す。
「こちらがあなたの部屋の鍵となります。こちらを扉にタッチするだけで開きますので」
宿に到着すると渡されたのは普通の鍵ではなく、カードのような物であった。話によると魔導を使える者であれば受付で認証を行った後はその人自身が鍵となって自由に出入りできるようになるらしいが、魔導を使えない者は代わりにこうしたカードを用いるらしい。
どちらにしても私にとっては目新しい訳だけど。
鍵を渡された私はお礼を告げるとそのまま魔導で動く箱型の機械に乗る。魔導王国は階段で上り下りするのではなくこうした魔導を用いた機械で上り下りするらしい。
改めて思うけど、本当に同じ時代に住んでいるのだろうか?
終始圧倒されながらもようやく部屋にたどり着くとゆっくり鞄を椅子の横に置き、腰を落ち着ける。
「はぁ~っ、何か予想以上に疲れたわね」
目に飛び込んでくる情報が全て新しいものだとこうも疲れるものなのだろうか。でも部屋に閉じこもって悶々としているよりも気分が良いかも。
新しい物を見るというのはそれだけ創作の刺激につながるんだから。
「さ~て、どこを回ろうかしら」
そう言って鞄の中から取り出したのは向こうで調達した観光雑誌。何でもイシュラード魔導王国には『魔導の英雄』という者が存在しているらしい。
先の戦争で亡くなってしまったらしいが、その力は凄まじく50年前の他国との戦争で次から次へと敵を駆逐していったのだとか。そもそも魔導という物もこの『魔導の英雄』が魔導王国にもたらした物らしい。
何も目的なくただ漫然と旅をするのでは面白くない。せめて何か興味惹かれる物を見たいと思っている時にこの英雄の話を知り、イシュラード魔導王国へと来ることを決めたのである。
「ここ、良いわね」
まず最初に興味を惹かれたのは英雄の像という物である。魔導の英雄について素性はおろか姿形についての文献すらもあまり残っていないらしいのだが、唯一英雄の姿を残したと言われているのがこの『英雄の像』らしい。
他にも英雄の伝説が記されている本が大量にある『英雄の図書館』、魔導の英雄が魔導の練度を高めるために過ごしたと言われる『魔導の館』っていうのもあるらしいしそれも見て回るか。
幸いにも時間とお金は沢山ある。
その他にも目ぼしいところにマークをつけると私は観光雑誌を閉じる。今日はもう遅い。見て回るとしても明日からだ。
――――
「こちらの英雄様の像は歴史が深くてですね――」
次の日、私は早速『英雄の像』へと赴いていた。英雄の像は大きな博物館の中でガラス張りのケースの中で管理されていた。
不思議なことにこの像は経年劣化をすることはないらしい。
博物館の案内人の話を聞きながら私は英雄の像が置かれている博物館を見て回る。ただ、本当に英雄についての文献が少ないのか数点の英雄の持ち物が展示されているだけで他の説明はない。
それは他の観光地でも同様で、英雄の図書館に残されている『英雄の伝説』については創作が多いらしく本当の伝説は存在せず、『魔導の館』はただ魔導の英雄が過ごしたというだけでそれ以外の情報はなかった。
結局半日かけて歩き回った英雄の軌跡からはあまり成果を得られることの無いまま、私はがっくりと項垂れて街を歩いていた。
「良い題材だと思ったんだけどな~」
題材として興味深いことには興味深いのだ。一瞬にして敵を一掃するほどまでに強大な力を持った魔導の英雄だが、出自がはっきりしていない点。
それどころか死亡したのかすら謎に包まれたまま姿をくらませたという点。
まだ戦争から50年ほどしか経過していないにもかかわらず、あまりにも謎が多い魔導の英雄についての架空の伝説を作り上げるのも悪くはない。
しかしそれだとまだ私の中でどこか引っ掛かるところがあるのだ。
色々な思いを巡らせながら歩いている最中、ふと魔導王国にはそぐわない古ぼけた建物が目に入ってくる。
周囲の建物は浮遊し、最新鋭の魔導が施されているというのにその建物だけ何故か木造で魔導も何も施されていなさそうな家である。
建物の上には『骨董品屋』とだけ書かれているのもなんだか怪しい。
何故だか妙にその骨董品屋に惹かれていた私は気が付けばその建物の扉をガラリと開いていた。
「いらっしゃい」
中に居たのは平凡なお爺さんだ。別に偏屈そうな雰囲気でもなく寧ろ温和な感じだ。
「ここだけどうして浮いてないんですか?」
他の建物は地震対策のためか浮遊した建物に浮遊した階段が繋がっている。しかしこの店だけ普通に地面に建物が接触している。
これが帝国であれば目に入る事すらなかっただろう。しかしここは魔導王国。異質と言わずして何と言う。
思わず聞いてしまった私に対してお爺さんは少し驚きを見せた後、ゆっくりと微笑みを浮かべてこう続ける。
「ここは私の古い友人との思い出がいっぱい詰まっておりましてね。中々どうしても魔導を使った建物に建て替えるというのが嫌でねぇ」
「そのご友人は」
「亡くなりました。今となっては遠い昔の話ですが」
「そうだったのですか。これはご失礼を」
「いえいえ大丈夫ですよ。先程も申し上げました通り、遠い昔の話ですので」
そう告げるお爺さんの目はどこか遠くを見て懐かしむようなそんな目をしていた。
「何かお探しですか?」
「あ、ごめんなさい。あまり考えずに入ってきたもので。特にこれといって目的があるわけでもなくて」
「そうですかそうですか。どうぞごゆっくりお探しください。何分この店はいつも暇ですから」
何だろう。ここだけ時がゆっくり進んでいるみたいだ。店の雰囲気に呑まれているのか分からないけれど、この中では自然と心にゆとりが出来ていた。
店の中に置かれている骨董品をゆっくりと眺めていく。
店の外が未来であれば店の中は過去の世界だ。
魔導なんて感じることすらない木人形やアンティークな食器、50年前後のデザインで仕上げられた机など様々である。
「すごいですね。どうやってこんなに骨董品を集めたんですか?」
「実際に戦地に赴いたり、競売で競り落としたり色々ですね。まあもともとは友人の遺品を探そうとしてそんなものを集めておったのですが一向に友人の遺品らしきものは見つかりませんでね、どんどん溜まっていってしまいましたのでせっかくなら売ってしまおうかと」
「戦地に!? それは凄いですね」
戦地というのは50年前の戦争のときの話だろう。恐らく友人は戦場に出向いていたのだろう。そしてそこで……。
「ハハハッ、大したことないですよ。稀代の劇作家さんに比べましたらね」
そう言われて私はハッとしてお爺さんの方を見る。
「知ってたんですか」
「そりゃあ知ってますとも。一時期、演劇にはまっていたことがありましてね。自分でも脚本を書いてみたりしていたのですよ。まあ、結局は自分の才能の無さに嘆いて辞めたんですけれどね」
「そうだったんですか」
まさか魔導王国にまで私の顔が知られているとは思わなかった。驚いちゃった。まあでも脚本を書いてたんだったら私の顔を知っていても納得かも。
自分で言うとあれだけど、劇作家の中では結構有名な方だから。表彰式にも顔を出しているし、別に顔を知られていても不思議ではない。
「でも私も今は全然書けていないんですけれどね。稀代の劇作家と呼ばれるのは恐れ多いです」
「なるほど……少々お待ちいただけますかな?」
「? はい」
何を思ったのか徐に奥の方へと歩いていくお爺さん。そして帰って来た時には一冊の古ぼけた冊子が手に握られていた。
「私の友人の手記です。元々、こいつを世に放ってやろうと思って脚本を書いておったのですが私では中々上手くいかず。読みますか?」
「ぜひぜひ」
そう言ってボロボロになった手記を受け取ると、一枚、また一枚とページを捲っていく。
「私が持っている書物の中で最も美しく魅力的な物語です。せめてあなた様の脚本製作の一助になるのならあいつも喜ぶことでしょう」
「これは……凄いです」
手記に書かれていたのは壮絶な戦争の最中に綴る一人の男性の葛藤の姿、そして愛する者に向けた後悔の念であった。
読み終えたときには私は骨董品店の店主の手を握り、こう迫っていた。
「ぜひ私にこちらの手記の脚本を書かせてください!!!!」
♢
俺の名はリュウ。家名はとうの昔に捨てた。
俺は元々とある国の王族をやっていた。だが、あらぬ疑いを掛けられちまってな。その世界から追放されることが決まったんだ。
そして世界から追放された先ってのがここだった。
正直、地獄だったよ。今まで何不自由なく暮らしてた王子様だったからな。
突然全く知らない世界に単身で放り出されたんだ。それも無実の罪で。まったく困ったもんだよ。
それから俺はこの世界の事を知ろうと街を歩いた。するとどうだ!
過去にタイムスリップでもしちまったかのような古臭い街並みに驚いたのさ。
まさかここまで遅れている世界に来ちまうなんてツイてないなんて当初は思ってたよ。
だが同時にチャンスだと思った。
俺にしかない力を使えば他の奴等を圧倒することが出来る。これで食っていけるぞってな。
それで真っ先にイシュラード王国の軍の入隊試験を受けることにした。
その時だよな。君と出会ったのは。
今でも覚えている。入隊志願者たちの前で見せた君の気品ある立ち居振る舞いに一目惚れしたもんだ。
まさか同い年だったなんてその時は思わなかったよ。
それで事あるごとに君にちょっかいをかけてしまっていたよな。
申し訳ない。君と話すのが恥ずかしくて、でも嬉しくてついああなってしまっていたんだ。
訓練をして君と話す、そんな日々がいつまでも続けられていたら良かったのに。
あの後、イシュラード王国だけが持っている技術を狙って連合軍が攻め入ってきて戦争になった。
軍隊の長だった俺は当然戦地へと駆り出されることになる。
あの時、君は悲しんでくれただろうか?
そんなことは無いか。悲しむ暇があったら剣でも磨いてなさい、なんて怒られるのが想像できるぜ。
兎にも角にも俺は戦地へ赴き、君と離れ離れになってしまったわけだ。
だが安心してくれ。いつも言っていただろう? 俺は最強だって。
大丈夫、すぐに帰るさ。ワッハッハッハ。はは、はぁ。
――――
奴等の攻勢がどうにもおかしい。前までは俺達の魔導の力に押されていた筈がどういう訳か逆にこっちが押され始めているみたいだ。
原因を聞くとどうやらこっちが魔導なのに対して向こうは禁術を使って“悪魔”って奴を召喚したらしい。
その悪魔が強すぎて現在、イシュラード王国は押されてるって話だ。
一般の兵士達じゃ敵わないな。
仕方ない、俺が出るしかないな。
――――
俺がやるしかねえ。俺がやるしかあの悪魔どもを止められねえんだ! でもあの術を使えば俺も死ぬ。
まだ死にたくない。死んだら君に――いや、泣き言はよそう。
まだ他に方法があるかもしれない。
――――
「しかし、悪魔たちの勢いは凄まじくリュウ達イシュラード王国の軍勢は次第にその数を減らしていきました。そして遂に決断の時が訪れます」
――――
これ以上はもうもたないだろう。せめて最後に君の顔を見たかったな……。
なんてぐずぐず言ってたらまた君に怒られちまうな。
すまねえ、忘れてくれ。
面と向かってはあまり言えなかったけど。
愛してる、グレビア。また来世で会おう。
いつかこれが君に伝われば良いのにな。
――――
「そうしてリュウは自分の命を引き換えに見事悪魔ともども敵国を滅ぼし、イシュラード王国を厄災から守り抜くことに成功するのでした。これは遠い遠い記憶の話です」
そうしてナレーションが終了を告げた瞬間、劇場内から大きな拍手が沸き起こった。
ある者は顔に喜びをある者は悲運の英雄に思いを馳せて涙を流しながら立ち上がり、手を叩いていた。
私がその様子を見守っていると肩をトントンと叩く存在が居た。
「ガーベラ! 見事だったよ! やっぱりガーベラは私が思った通り天才だ!」
「ジュリア。ううん、違うの。この物語はとある人の手記をもとにして作った脚本。凄いのは私じゃなくてその人よ」
「でも演劇としてここまで昇華させたのはあなただよ、ガーベラ」
未だ冷めやらぬ興奮をこれでもかというほどにぶつけてきてくれるジュリアに私はにっこりと微笑み、礼を告げる。
「そういえばジュリアにだけ教えてあげるわね」
「何?」
「あのお話にはまだ続きがあるの」
「続き?」
「そう。その続きは――やっぱやめた」
「ええ~。教えてよ~」
「ふふふ、秘密だよ」
少し悪い気もしながら結局ジュリアには教えることなくその場は笑って誤魔化した。
だって『魔導の英雄』の恋文は伝えたい当人にだけ伝わればそれで良いんだから。
♢
演劇『とある異世界人の手記』を見て劇場が興奮冷めやらぬ中、一人呆然とただその場で立ち尽くしている人物が居た。
「イシュラード王よ! 此度のガーベラの演劇はこれまた前作を超える程の出来栄えでありましたなぁ!」
「……ええ、そうね」
「うん? 何か気になる事でもございますか?」
「いえ。そうではありません。ただ嬉しいだけですよ」
そう呟いたグレビア・イシュラード女王の頬には涙が伝っているのであった。
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