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Beyond the front line 〜弱キャラよ人類の最前線を超えろ〜〈プロト版〉  作者: トワイライトGoodman
第1章 異世界来訪編
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第15話【光匂う都にて】


 「これは、ユースティア=フィオナ様、バベリアにお戻りになられましたか」

 俺達は央都センターの入り口にある大きな門の前で門番の若い兵士に話しかけられていた。


 「して、そちらの御仁は?」


 「三人は私の新しいパーティーメンバーだ」


 「これは、大変失礼しました」

 門番の人は俺達がフィオナのパーティーメンバーだと聞き勘違いしたのだろうか、大物冒険者に敬意を払うように深々と頭を下げてきた。


 勘違いさせてしまって少し申し訳ないが、まぁーたまにはこんな対応を受けるのも悪くないな。


 「そんなに(かしこ)まらなくてもいいんだぞ」


 「いえいえ、フィオナ様の従者の方々に不遜な態度を取るわけには参りません」

 「では早速開門させますので、少々お待ちを…」


 「開門ーーー!」

 門番の若い兵士は門の反対側に向かって大声で合図を出した。


 ゴォゴォゴォ


 「ではお気をつけて」

 若い兵士はもう一度俺達に深々と頭を下げ俺達を見送った。

  

 「黄金色…?」

 開門した瞬間、俺の目に飛び込んできたのは金色に輝く町並みだった。


 「さっき見た時とはぜんぜん違うな…」


 「この都は何度見ても美しいですねー」


 「二人ともこの都の美しさに目を引かれているようだな」

 「ここ央都センターは世界樹に最も近い都市、つまり世界樹の光の影響を最も受けやすい場所だ」

 「央都センターの建物は白色を基調としたものが(ほとん)ど、そこに昼間は太陽、夜は月の光を放つ世界樹の光が反射し、昼は金色(こんじき)に夜は白縹(しろはなだ)に輝く」


 「白縹ってなんだ?」


 「そんなのも知らないのか、淡い青みを含んだ白色の事だ」

 流石(さすが)は学年トップの成績を誇った悠貴さん、博識でいらっしゃる。


 「まぁ、夜になって実際に見てみるのが一番いいと思いますよ!」


 その後、俺達は俺と悠貴が初めて央都センターを訪れか事もあり、都市の中を練り歩くことにした。


 「そういえば俺達って、どのくらい強くなったんだ?」


 「そうだなー、そろそろお前たちのパラメーターを測っておくか」

 フィオナは俺達を細い路地の行き止まりに連れてきた。


 「ここなら人もいないし大丈夫だろう…」


 「こんな場所に来てどうするんだ?」


 「まぁ、見ていろ」

 フィオナはそう言って路地の地面に魔法陣を書き始める。

 その魔法陣はモンゼンのギルドで見たのとまったく一緒の物だった。


 「よし完成だ、じゃ一人ずつ魔法陣の中央に石版をもって立ってくれ」


 「僕から行きます」

 ミアは颯爽と魔法陣の中央へ飛び出した。


 「『インスタンス』」

 フィオナは地面に手を置き、魔法を唱えた。


 

 すると床に刻まれた魔法陣が薄い青色の光を放ち浮かび上がり、ミアとミアの石版を包み込んだ。

 この流れはモンゼンで見たもの同じだ。


 ーーーーーーーーーーーーーーー

  項目   数値   ランク

  筋力   320   D

  知力   516   B      

  耐久力  102   E 

  魔力   500   C

  俊敏性  214   D

  練度   456   C

  運    745   A


  魔力属性 風、力

  スキル  固有『一発必中』

       普遍『弓技上昇』

 ーーーーーーーーーーーーーーー

 「見てください、魔力値が500にいきました!」

 ミアは自分の石版を見ながらはしゃいでいる。


 「この歳でこの力か、おそらくCランクフロンティアになれるだろう、頑張ったなミア」

 ミアの石版を確認したフィオナはミアの頭を撫でた。


 「フィオナさん、ありがとうございます!もっとお役に立てるように頑張ります!」

 憧れの人と一緒に冒険できてミアはとても嬉しそうな様子だった。

 

 あぁーなんて微笑ましい光景なのだろうと思い、俺は思わず笑みをこぼした。


 「カゲナギ、気持ち悪いぞ」

 「次は君達だ、早く魔法陣の中央へ行け」


 「あ、はい」

 俺はただ微笑ましく思い笑っていたのに気持ち悪いと言われ、少しショックを受けながら魔法陣へと足を進めた。


 「フィオナ俺もか?」


 「もう面倒だから多少魔力を使うが二人まとめてやってしまう」

 「二人で背中を合わせて魔法陣の中央に立ってくれ」


 俺達はフィオナの指示通り二人で魔法陣の中心に立った。


 「『インスタンス』」


 フィオナが魔法を唱えて数秒後、測定は終わり俺達の手元にはパラメーターの書かれた石版があった。

 

 ーーーーーーーーーーーーーーー

  項目   数値   ランク

  筋力   102   E

  知力   652   B

  耐久力  101   E

  魔力         EX

  俊敏性  240   D

  練度   204   D

  運    174   E


  魔力属性 不明

  スキル  特殊『永久不老』

 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 ーーーーーーーーーーーーーーーー

  項目   数値    ランク

  筋力   612    B

  知力   702    A

  耐久力  582    B

  魔力   601    B

  俊敏性  570    B

  練度   408    C

  運    712    A


  魔力属性 火、水、風、土、力

  スキル  固有『英気繁栄』

       特殊『永久不老』

 ーーーーーーーーーーーーーーーー

 どうやら知力と運は数値が変わらないようだ、知力に関しては(しばら)く学校に行ってないから低下してるのでは心配していたが、大丈夫だったみたいで安心した。

 俺は相変わらず魔力はなく、他のパラメーターもほんの少し上昇したと言ったときろだろうか。  

 それに比べ悠貴は相変わらずの伸び具合だ、練度以外もうBランクになってやがる。


 「やはりな……」

 俺が自分と悠貴のパラメーターを見て悠貴の凄さを改めて実感していると、フィオナが緊迫した表情で言葉をもらした。


 「フィオナ、そんなに焦ってどうしたんだ?」

 

 「二人ともスキルの欄を見てみろ」


 「特殊『永久不老』? 何だこのスキル…」

 「陽凪(かげなぎ)にも発現してるじゃないか、おめでとう」

 悠貴は俺の石版にスキルが表記してあった事を純粋に喜んでくれた。


 「そのスキルは名の通り、カゲナギとユウキは歳とらないと言うことだ」


 「えぇーーー!」

 俺と悠貴は思わず大声で声を上げてしまった。


 「あまり大声を出すな、詳しい事は宿舎で説明する」


 俺達はフィオナの言う通り、足早に宿舎へと向かった。

 ここはフロンティアなら誰でも利用できる宿舎らしい。


 「じゃフィオナさっきの説明してくれ」


 「前に私の師匠も君達と同郷といっただろ、その師匠も『永久不老』のスキルを持っていた」

 「師匠が言うには、そのスキルが発現するのはバベリアにいる時だけみたいだ」

 「つまり君達がバベリアにいる間は永遠の17歳だ」


 「シノザクラ・サヤさんもお二人も、どんな所で生まれ育てばそんな特殊スキルが発言するんですか?」

 ミアは少し引き気味で俺達に質問をしてきた。


 「あぁ…まぁー遠い東の国だよ」

 俺は一瞬、俺達の素性(すじょう)がバレそうになり焦ったが、なんとかそれっぽい事を言った。


 「いつか僕もその国に行ってみたいです!」

 

 「フィオナの師匠を捜し終えたら、連れてってやるよ」

 ミア、嘘をついてすまない… 本当は連れては行けないが素性がバレるわけにはいかないのだ。


 「3人とも、そのスキルが発現したことについては、このパーティー内の秘密だ」


 「わかった」


 気づけば、このバベリアは夜を迎えており世界樹から放たれる淡い青色を含んだ光は、都を白縹に輝かせていた。


 ♢ ♢ ♢



 世界連盟本部地下

 何人かの人間が円卓を囲むように着席し、この部屋の明かりは円卓の中央に置かれた一本の蝋燭(ろうそく)のみの薄暗い部屋。


 「先程、ユースティア=フィオナが戻ったとの一報が入った」


 「人類最高到達点を塗り替える、あの探索から約3年…」

 「そしてあの女…」


 「あぁー、突如このバベリアに現れ人類史にも類を見ない程の強さで最前線を開拓したフロンティア、シノザクラ・サヤが同時期に失踪(しっそう)…」


 「あの女が失踪してからバベリアの探索はあの例の浮遊島で止まっておりますのー」

 

 「このままでは、我々の時間が…」


 「まぁまぁ…焦りなさるな、(わし)はもう短命だがあなたはまだ長いですぞ」

 「しかし、あの女の弟子でもあったユースティアなら例の浮遊島の攻略も出来るかもしれませんなー」


 「それでは、ギルドに大探索の命令を出させるよう明日の議会で仕向ける」


 「異議なし…」

 

 『世界樹の(いと)し子たる我らに久遠なる命を』


 御一読していただき、ありがとうございました。

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