2
「ここどこだろう。」
人に注目されないようにと路地裏を歩きつかれ、喉の呟いた声は誰にも届くこともなく、溢れ落ちた。
夜、いつものように帰ってきたはずだった。大学の友人たちと飲み会をして、楽しくなってしまい、少し飲み過ぎてしまったかなーと反省しながらも、フラフラと自宅のアパートへと道を歩いていたはずだったのだ。
確かに少し眠気もきていたので、うつらうつらと歩いていたのは確かだが、もし道を間違えていたとしてもこんなところに出るなんてありえない。
しかしながら、気づいたら訳のわからない中世ヨーロッパのような街並みの路地裏に居たのだ。
ほんとうに訳がわからない。
立ち止まって見渡して見ると、周りの建物はやはり石畳みの作りがずっと続いていた。そして道にはフヨフヨと浮いた車のような何かが通っていたり、露店だろうか、魔法使いのイメージとは異なった白い布を纏った人々が集まっている、その人々の手の先からは、キラキラと棒の先から出る得体の知れないものがでていた。
やはり、あれは魔法使いで間違いないのだろうか。
まだ少し酔いの残るこの頭では、次々と来る情報に目眩がしそうだ。