再びレムリアへ
この話で新しいキャラを出しますので彼女達の物語も見てくれたら嬉しいです。
ようやく一つの魔力石を手に入れたルージュ、その後も遺跡を中心に探し続けるが見つからないそうしていると一ヶ月がたった頃ヨルムがあまり言いたくなかった場所をルージュに提案するのであった。
「なあルージュ、あまり言いたくなかったがあとの魔力石は街の中にあるんじゃないか」
「えっ、街の中に」
ルージュが不安そうな顔になる。
「ガルド王国が負けた後、イザークの技術はレムリアやリベールに取られたんだ」
そう聞いたルージュは一つ疑問を聞く。
「あれ? 今レムリアは王都じゃなくて首都なのはおかしくない、レムリアは勝ったんだよね」
「いや、あの戦争に勝者はいない……」
「どう言う事?」
そしてヨルムがまた昔話を始める。
「前に話したフォルトゥレスがあったよな、あれが暴走を始めたんだ」
「えっ、暴走したの……」
ルージュの顔が悲しげになっていく。
「ああ、そしてレムリアもリベールも関係なく焼き払った」
「でもどうして暴走なんてしたの」
「フォルトゥレスはレムリアの王女を生贄にして動かしていたからだ」
「???」
ルージュは困惑する。
「フォルトゥレスとその王女の意識を繋げて動くんだが意識が耐え切れなくなり無意識で攻撃を始めた」
「それで……どうなったの」
「全ての国を焼き尽くした後に王女は死んだ、そして残った人達で民主主義国家としてベガルタ国としてレムリアが首都となったんだ」
そう聞くと納得するルージュ。
「そうだったんだー」
「だからレムリアを探してみないか?」
「でも……軍に見つかったらどうするの」
心配そうな顔をするルージュ。
「大丈夫だ、この魔法がある」
そう言ったヨルムが魔法を唱えると姿が消える
「あれ? ヨルム君どこいったの」
すると何も見えない所から声がする。
「幻術魔法クリアネスこれを使って消えたんだ」
そしてヨルム姿を現す。
「すごーい、これって私にもかけられるの」
「ああ可能だ、これならいけるだろ」
「うんそれなら大丈夫だよ、それじゃあ行こう」
ルージュが立ち上がろうとする。
「後一つ言わせてくれ、本当にピンチになった時にブレンディングと言う方法があるんだ。
「ブレンディング?」
聞いたことがない単語にやはり困惑する。
「俺とルージュが一体化して魔王の力を使う事が出来るようになるものだ」
そう聞いたルージュは不安になる。
「魔王の力……大丈夫なの」
「だからピンチの時だけだ、今の俺達では勝てない程の敵がいたら使う、頭にだけは入れてほしかっただけだ」
するとルージュは気持ちを切り替えてこう言う。
「その力に頼らなくてもいいようにやっていこうよ、ヨルム君」
それを聞いたヨルムも気合いを入れる。
「よっしゃ! なら行こうぜレムリアに」
そしてレムリアに向かう二人、道中に軍に見つからないように慎重に進みレムリアに到着する。
「さあ着いたぞルージュ」
「うん……そうだね」
やはりルージュは研究所の事件を気にする。
「今度こそは俺が絶対に守ってやるからな、安心しろルージュ」
そう言われたルージュはお礼をし、ヨルムがクリアネスを唱えると二人の姿が消える。
「これで大丈夫だね、探そうヨルム君」
こうして二人は魔力石を探し始める、すると三人の少女達がすれ違うとルージュがふっとこう思う。
「あの人達、何か不思議な感じがする」
ルージュが何かを感じた三人こそルージュの希望となる者達である、少しこの三人の物語を話したいと思う。
「やっと配属が決まったねシャーロ」
「決まったといっても、シルヴィアが隊長の小隊だけどね」
「うむ、私がしっかりと導くからな、安心しろ二人共」
この三人は軍学校を卒業したばかりの少女達、歳は全員十五歳まずは自己紹介したいと思います。
一人目がローゼ・モンフォール グレイスの娘で活発な少女、ピンクの髪を後で結んでいる、アームズはアストレア 変身後は槍となり接近戦が得意でコアの大きさは普通である。
二人目がシャーロ・レヴェンス 優しくおっとりとした性格、髪の色は金髪で長めのウェーブがかかっている、アームズはエリスの弓 後方支援が主で回復や補助魔法が得意である。
三人目がシルヴィア・セフィルス 軍関係の名家でリーダーシップが溢れている少女、髪は銀髪でセミロングのストレート、アームズはクラウ・ソラス変身後は剣で魔法の才能があり様々な属性魔法を操る。
そして三人は軍学校入学の時を思い出す。
「こうゆう何か始まる時って私達が出会った事を思い出すよね」
「その話しはシルヴィアに悪いから止めようよ~」
ローゼの話しを止めようとするシャーロだったが険しい顔をしたシルヴィアかこう言う。
「いや話そう、あの出来事を戒めとして、私は前に進みたいと思っている。」
三人が昔の話しを始めようとする。
「あれは私達が軍学校に入ったばかりの頃だったよね」
ローゼは三年前の事を思い出す、学校内で財布の窃盗事件があったのだ。
「名乗り出るなら今のうちだが……そう言って出てくる訳がないので持ち物検査をする」
シルヴィアが率先して犯人探しをするが、ローゼはそれを止めようとする。
「ねえシルヴィア、まずは皆に一対一で話しを聞いてみない、その方が名乗り出やすいと思うよ」
ローゼがシルヴィアに提案するが、それを却下する。
「いや、時間をかければ証拠を処分される可能性がある、検査をしてから教官に報告する」
それを聞いたシャーロが悲しげな顔でこう言う。
「でもこんな皆の前で犯人探しは駄目だよ……」
シャーロもローゼの意見に賛同するが、シルヴィアは止まらない。
「皆の前だからこそ罰になるではないか、いいから始めるぞ」
そして検査が始まった、するとシャーロのカバンから財布が見つかる。
「これはお前のか?」
シルヴィアが聞くと一人の女子生徒が叫ぶ。
「それよ! 私の財布だわ」
「違う……そんなの私知らない!」
シャーロが必死で話すが皆の眼差しが嫌悪感を帯びていた。
「しかしこうして証拠が出てしまったのだ、私が教官に報告しに行こう」
「私……財布なんて盗んでいない」
シャーロは泣きながら訴えるがシルヴィアはそのまま行こうとする。
「待ってシルヴィア、まだ誰かがシャーロに罪を擦り付けている可能性があるよ」
ローゼがシャーロを庇うがシルヴィアはこう言う。
「そのような小さき可能性を考えていたら事件は解決せぬぞ、あとは教官の判断に任せようではないか」
するとローゼはシルヴィアの前に立つ。
「こんな決め方ないよ、もう一度調査し直そう。」
「必要ない、そこをどけろ」
ローゼの肩を掴みどかせようとするがローゼは動かない。
「絶対にあなたをこのまま行かせない」
なかなか動かないローゼに苛立ちを感じるシルヴィア。
「邪魔をするなー!」
掴んでいた手に力を入れるが逆にローゼがシルヴィアの頬にビンタをする。
「これで少しは落ち着いた?」
「貴様ー このシルヴィア・セフィルスに手をあげるだとー」
セフィルス家は軍関係の名家でシルヴィアもそれを誇りに思っている。
「家の名前とか関係ない、あなたの横暴な態度が許せないから」
そう言われたシルヴィアは怒りを噛み殺してこう言う。
「わかったなら……ローゼよ私と決闘をしろ、お前が勝てば調査をやり直そう」
「本当に!」
シャーロが驚く。
「ただし私が勝てばお前も共犯として裁く、どうだローゼよ」
ローゼは力強く即答する。
「いいよそれで、絶対に負けないから」
承諾するローゼをシャーロが止める。
「駄目だよ! それじゃあローゼさんにも迷惑がかかる……だから私が戦うよ」
震えながら話すシャーロに優しく語りかけるローゼ。
「大丈夫だよ、こうゆう事は私の方が得意だからね、シャーロは皆を癒す事が得意でしょう」
「本当に……いいの」
二人は出会って間もないがローゼはシャーロのことをわかっていた。
「うん、私に任せて」
そう言うとシルヴィアに指定された場所に向かう。
「来たな、よく逃げずに来れたな」
シルヴィアが自信満々に立っている。
「逃げないよ、あなたに勝ってみせるから」
「フン、口だけは立派だな、ならばいくぞ」
「アストレア!」
「クラウ・ソラス!」
「スタートアップ!」
二人は同時に戦闘服に変身すると、ローゼは槍をシルヴィアは剣を構える。
「いくよシルヴィア、はぁぁぁぁぁ」
ローゼは前に出るがそれをさせないシルヴィア。
「させぬわ、氷の槍よ敵を撃ち抜け、フリーズランサー」
無数の尖った氷の槍がローゼを襲うがそれを防御するローゼ。
「くっ、何とか……防げた」
「まだこれからたぞ、サンダーボルト」
今度はローゼの頭上に雷撃が降ってくるのを間一髪でかわす。
「はぁはぁ、強い……どうしてこんなに魔法を使う事が出来るの」
「何を驚いている、私は全属性の魔法を扱うことが出来るのだ、さあ再開しようではないか」
そして時間が過ぎていき、シルヴィアが一方的に攻める展開が続いている。
「はぁはぁ、まだまだ……いける」
ボロボロになっているローゼにシルヴィアがこう言う。
「もう降参してくれないか、流石に心苦しいからな」
勝利を確信して余裕のシルヴィア、するとシャーロが叫ぶ。
「もうやめてー ローゼさんもういいよ……降参して」
そう言われたローゼだったが、笑顔でこう答える。
「大丈夫だよシャーロ、私にはまだとっておきがあるからね」
「まだ何かあるのか、だったら最初から出せば良いものを」
呆れた様子のシルヴィアだがローゼがアストレアを構える。
「私の魔法は最初には使えないの、こうして魔力が空気中にないと駄目だから」
ローゼに魔力が集まってくる。
「なんだと……私が使った魔力もお前に集まるなんてありえぬ」
「私のコアはあまり大きくないけど、私は魔法が大好きだからあなたが使った魔力も力になる!」
「そんな魔法聞いたことない……お前は何なのだ」
明らかに取り乱すシルヴィアだった。
「これで終わりだよ、集え魔力達よ、もう一度その力を示せコネクトブラストー」
様々な色の光線がシルヴィアに向かい放たれる。
「ぐうぁぁぁぁぁ」
そのまま吹き飛ばされて倒れてしまう。
「大丈夫ですかシルヴィアさん、今回復魔法を使います」
シャーロは回復魔法を唱える始めた。
「なっ! お前……どうしてだ、私はシャーロを疑っていたのだぞ」
「そんなの関係ないよ、傷ついた人がいたら治してあげたいから」
そしてシルヴィアの傷が癒えた所にローゼも近づいて来る。
「やっぱりシャーロは優しい人だったね」
笑顔のローゼにシルヴィアが起き上がりこう言う。
「この勝負ローゼの勝ちだ、調査はやり直そうあとシャーロ本当にすまなかった」
シルヴィアが深く頭を下げる。
「うん……ちゃんと調べてくれるなら大丈夫」
こう言ってる二人の間に入って肩を抱きローゼがこう言う。
「なら三人で探そうよ、真犯人を」
「うん! そうだね」
「ああ、セフィルスの名にかけて真犯人を捕まえよう」
そうして三人で調べて真犯人を捕まえるのであった……。
「なーんてことがあったよね」
そして現在へと戻る。
「あの後私は誓ったのた、人を見下さない、他の者の話しをちゃんと聞くと心にな」
「もういいでしょ~他の話しをしようよ~」
困った様子のシャーロ、するとシルヴィアが何かに気が付く。
「待って! 何かいるぞ」
「えっ? 何も感じないよ」
ローゼも気付かないがシルヴィア何かを感じている。
「……そこだーアイスニードル」
壁に向かって魔法を放つと……。
「危ねえ! ルージュ」
「えっ?」
ヨルムがとっさにルージュを庇う。
「大丈夫! ヨルム君」
「ああ」
ヨルムの肩には氷の針が刺さっていた。
「なんだ貴様らは! 怪しい奴らめ」
シルヴィアが問い詰めようとするがローゼに止められる。
「駄目だよシルヴィア、まだ小さな子供達なんだから優しくしないと、ねえあなたのお名前は何て言うの?」
ローゼが優しく話すとルージュが名前を言う。
「私はルージュ・フォーゲランクと言います、こっちはヨルム君です」
「何正直に言っているんだよルージュ」
「でも……失礼になると思って」
戸惑うルージュにローゼがまた質問をする。
「ここで何をやってたのかな?」
「えーと、ただ探し物をしていただけで怪しい者じゃないです」
苦しい言い訳をするがシルヴィアが正論を言う。
「幻術を使って消えていた者が怪しくないわけないだろ!」
「それは……そうだけど嘘じゃないよ」
苦しいルージュにヨルムが前に立つ。
「うるせー、一旦逃げるぞルージュ、ヴァンデルン」
転移魔法を唱えると消えてしまった二人。
「何をしていたのかな、あの二人」
「わからぬ、しかしあのヨルムと言う者、なかなかの使い手だぞ」
そして街の外まで逃げてしまった二人この後どうやって魔力石を探すのか……。
次話に続きます。