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魔王ルージュ

  慌てて走り出す男、この行動がルージュを地獄へと落とす事もわからずにゲルツの部屋に入っていく。


  「失礼します、大佐」


  「うむ、どうしたそんなに慌てて」


  ゲルツが男を落ち着かせる。


  「はい……すいませんしかし驚くべき結果が出たので、これを見て下さい」


  男は書類を渡す。


  「これは……なんと言う魔力値なんだ!」


  ゲルツが桁違いの魔力に驚く。


  「あの子の体の中にコアとは違うエネルギー体があるのです、フォーゲランク夫妻はこれの研究をして完成させたと思われるます」


  男が説明を続ける。


  「それで何だかの原因であの爆発が起こってしまったと推測します」


  ゲルツは納得し頷く。


  「それでこれからの対処はどのようにしたら良いのでしょうか」


  ゲルツは考えてこう答える。


  「この力を兵器として使う事は可能か?」


  こうゲルツが聞くと男は慌ててこう答える。


  「あの子が望めば可能ですが……しないと思われます」


  するとゲルツは表情を変えてこう言う。


  「なら無理やりでもそうさせろ、これは命令だ!」


  男は動揺しながらこう答える。


  「はっはい しかしそれは非人道的な手段も使いますがよろしいのですか」


  「やり方には何も言わん、この力はコントロールしろいいな」


  「わかりました…… では失礼します」


  そして男は部屋を出て行く。


  「大佐は無茶を言う……しかしやらねば私が罰せられてしまう」


  男は研究所に急いで戻った。


  「さあルージュ、こっちに来てくれるかな」


  ルージュは男の不意陰気が変わってるのに気付く。


  「何か様子がおかしいよ、おじさん」


  ルージュは怯えた表情をしている。


  「いいからこっちに来い!」


  男はルージュの腕を引っ張る。


  「痛いよー 離して!」


  嫌がるルージュだが男が無理やりに椅子の上に座らせ拘束するが、ヨルムが中から出てきて男を殴る。


  「何しようとしてるんだ、このおっさん」


  「ヨルム君!」


男は顔を殴られてしまうが、急に笑い出した。


  「くっくっく、こんな事は想定済みだ」


  すると男はとある機械のスイッチを入れるとヨルムはその場に倒れてしまう。


  「なに……しやがった」


  「ルージュの体を調べた時に違う生命体がある事はわかってたからな」


  不敵に笑う男は続けてこう言う。


  「お前の体は魔力で出来てるんだろう、ならその術式を邪魔する電波を発してやればいいんだよ」


  「クソー、ルージュを離せ!」


  ヨルムが怒鳴る。


  「さあルージュ、実験を始めようか」


  ヨルムを無視してルージュに近づく。


  「お願い…… 止めて、うっうっ」


  泣き出すルージュだったが男はヘルメット状の器具を付ける。


  「これは……なに」


  「君の脳に電流を流す器具さ」


  そう言うと男はスイッチを入れると、ルージュに激痛が走る。


  「いやぁぁぁぁぁぁ」


  苦痛に苦しむルージュしかし男は止めない。


  「はっはっは、苦しいか? だったら軍に忠誠を誓え、その力を軍の為に使うと言え」


  男がルージュを脅迫する。


  「いやぁぁぁ、それだけは絶対に嫌だぁぁぁぁぁ」


  「くっくっく、それがいつまで続くかな?」


  男はさらに電力を強める。


  「うわぁぁぁぁ、もうやめてー」


  地獄のような時間は朝まで続いた、ルージュは虚ろな目で意識もなくなりかけていた。


  「クソ、これ以上やると死んでしまうか」


  そう言うとルージュを違う部屋に閉じ込める。


  (どうしてこんな事になっているんだろう)


  ルージュは心の中でそう思った。


  (ヨルム君もどうなったかわからないし、グレイスも来なかったら私どうなっちゃうのかな)


  ルージュは考えるが答えが出ない。


  (痛い、苦しい、辛い、誰か……助けて)


  そう思った時声が聞こえる。


  (いいよ、私が助けてあげる)


  (あなたは……誰?)


  謎の声に耳を傾ける。


  (私はルージュだよ、あなたの心の中にある一部)


  (???)


  ルージュは困惑する。


  (わからないならいいじゃない、あなたの体私に預けて、この状況なんとかしてあげる)


  (本当に私を助けてくれるの)


  ルージュは聞く。


  (ええ、だからあなたはこう思ってあの男を殺したいと)


  (!!!)


  ルージュは驚く。


  (あなたの心の中にあるはずだよ、憎しみの感情がそう思うだけであなたは助かるよ)


  確かにあるルージュはあの時、何度もあの男を殺したいと願った。


  (わかった……)


  (それじゃああなたはそう思ったまま眠っていいよ、起きた時には終わっているからね)


  そしてルージュは眠ってしまうが体が動きだす、その瞳は赤く染まってた。


  「さあ魔王の復活だよ、業火の炎よ巻き上がれ」


  すると研究所が燃え上がる。


  「うわぁぁぁぁ、何だこれはー」


  あの男以外にも研究員がいたが、全てを燃やし尽くしていく。


  「フフフフフ、誰一人逃がさないよ」


  燃え広がる研究所、そしてルージュが外に出るとグレイスがいた。


  「ルージュ……なのか?」


  グレイスが不意陰気の違うルージュに聞く。


  「うーん、ルージュだけどこう言った方が良いのかな、魔王ルージュって」


  見た目はルージュだが明らかに違う。


  「久しぶりに体があるのは嬉しいよ、けどまだ完全じゃないね」


  「おい……本当にルージュなのか」


  再びグレイスが聞くがルージュは笑ってこう答える。


  「同じ事言わせないでよ、魔王ルージュって言っているでしょう」


  「さっぱりわからねぇーよ、今までのルージュとは違い過ぎる」


  グレイスは混乱している。


  「それならわからなくていいよ、それじゃあ私は行くからね」


  「おい待て! いくなー」


  グレイスが止めようとするが転移魔法で消えてしまう。


  「クソー、ルージュー」


  グレイスは叫ぶが届かない。


  「俺には何も守れないのかよ」


  グレイスは任務中に亡くなった妻の事を思い出していた、そして数時間がたち炎も消し止められるが、研究所にいた職員は皆焼死していたそうだ……。


  そして次話に続く、ルージュは希望を求めて歩き出すしかしそれはまた遠い先、まだルージュは苦しまなくてはいけない、これを乗り越えて希望(ゴール)までたどり着く事は出来るのか……。



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