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新たな決意

  炎にのまれていく町アレグラ、軍が到着し必死の消火活動をしている、その中にシルヴィア達三人の姿もあった、シルヴィア達の任務は生存者の救出たが見回せば死体ばかり、首や腕がない者や焼け焦げた者さらに死体が焼ける異臭で地獄絵図とはこの事であると認識させられる。


 その中で生存者を探すのは困難である、軍の人間とはいえ戦争など経験がなくこの光景を見れば気分が悪くなりおかしいなりそうな感覚だ、しかし三人は必死で生存者を探すのであった。


  「誰かいませんかー」

  「瓦礫の下も探せ、隠れていた者がいる可能性がある」

  「……駄目もう亡くなっている」


  探せど見つかるのは死体ばかり、しだいにシャーロの顔色も悪くなってくる。


  「大丈夫シャーロ?」

  「無理する事はない医療班の方を手伝うといい」

  「ううん、大丈夫だから続けさせて」


  そして再開すると一人の少女を発見する。


  「いた! 生存者だ、おい大丈夫か」

  「……」


  少女は話しかけられるが反応がない。


  「駄目だよシルヴィア、そんな怖がるでしょ」

  「すまないシャーロよ、私はこういう事は不得手でな」

  「ねぇ君、もう大丈夫だからね」


  ローゼが優しく声をかけると小さな声が聞こえる。


  「……悪魔がいた」

  「えっ、悪魔?」

  「……人を殺して喜ぶ悪魔がいた」

  「どういう意味だ」


  三人には意味がわからないがここで恐ろしい事があったのはわかった。


  「そうだったんだね、よく耐えたねえらい、えらい」

  「うっうっう」


  シャーロは少女を抱き締めて頭を撫でる。


  「うわぁぁぁぁぁん、お父さんもお母さんも皆殺された、笑いながら次々と殺していった」

  「うん、もう大丈夫だから安心して」


  シャーロは少女の背中を擦り安心させる。


  「ねぇシルヴィア、悪魔ってなんだろう」

  「わからぬ、たがこの人数をやるとなるとやはり複数犯だかその痕跡がないのだ」


  死体は町を支配していたごろつき達と住人しかない、遺留物もそれ以外の者を示す物がない。


  「近くの村の住人もごろつき達が町へ向かって行くのはみたがそれ以外はない」

  「それじゃあ誰がこんな事を……」

  「考えてられるのはごろつき達が分け前で揉めて町を巻き込んだか、少数精鋭でごろつきと住人をやったか或いは……」

  「或いは……何」


  ローゼが聞くとシルヴィアはこう答える。


  「影のような軍団を操れる者の犯行……そしてその者とは私らは会っている」

  「あの子が! でもそれは……」


  ローゼは否定したいが可能性はある。


  「まあ推測でしかないがな、シャーロよその子の様子はどうだ」

  「この子の名前はヴェルテ・レベンス、事件の事はまだ無理だよ」

  「ならヴェルテを安全な所に連れていこう」

  「なら二人は戻って良いぞ、私はもう少し調査をする」


  そして二人はヴェルテを連れて戻っていく。


  「ああは言ったがやはりルージュの犯行が考えられる、ごろつき達は町の外で死んでいたのだぞ、それがどうやって町を燃やす、争いになったのなら町の中で死んでいるはずだ」


  シルヴィアは考えを整理する。


  「あとこの人数を短時間に殺せる精鋭などどこにいる、そんな凶悪犯軍が知らない訳がない」


  その後もシルヴィアは調査するが新たな証拠は出てこない、そして軍の判断はごろつき達の争いによるもので片付けてしまう。


  「後は唯一の生存者であるヴェルテの回復を待つしかないか」

  「やっぱりシルヴィアは、あの子がやったと思っているの」

  「ああ、あの子の持っている魔力はきっと桁外れだ、町の一つぐらいなら簡単だろうそれに影の軍団を扱える」


  二人で話しているとシャーロが部屋に入ってくる。


  「ヴェルテの事なんだけど、だいぶ落ち着いているよ」

  「そうか、それで事件の事は」

  「それはまだ駄目、思い出そうとすると体が拒否して震えだすの」


  三人は再び考える。


  「それは時間がかかりそうだな、仕方あるまい」

  「ならシルヴィア、私達でルージュの行方を探してみない」

  「私も賛成、あの子は何か事情があるよ」

  「そうだな、グレイス少佐にも手伝ってもらい我らだけでも真実を探すぞ」


  三人は決意する一方でルージュ達の様子はどうなのか。


  「……」


  あれから家に戻るが沈黙が続いている。


  「なあルージュ」


  ヨルムが沈黙を破り話しかける。


  「気にするなとは言わないが、気にしても何も始まらない」

  「……だったらどうすればいいの、平気な顔でもすればいいの!」


  怒りや悲しみの感情を次々と出してしまう、しかし心の中で魔王が笑っている。


  (フフフ、いいよどんどんと憎しみが私にきている、あなたを乗っ取るのもあと少しかもね)

  「魔王! この事件もてめぇが仕組んだ事か」


  ヨルムも魔王の声を聞く。


  「もういやだよヨルム君、感情を無くす事なんて無理なんだよ」

  「心を強く持て! 魔王に屈したらアレグラ以上に人が死ぬ、諦めるな」


  ヨルムがなんとかルージュを説得する。


  「でも……どうすればいいの」

  「魔力石探しは一旦中断だ、ルージュは魔力石に力を込めろ、そして時間がかかっても良いから心を落ち着かせろ、俺は全力で魔王をどうにかする方法探す!」


  ヨルムが力強く言うとルージュは少し落ち着く。


  「いいの? それじゃあヨルム君が大変だよ」

  「何言っているんだ、俺とルージュは友達だろ、気にするな」


  そう言われるとルージュはヨルムの胸に飛び込む。


  「ありがとう……私頑張るから、何が起こっても動じなくなるから」

  「ああ、待っているだから……今は休め」


  ヨルムが優しくルージュをなだめる、そしてベットの上に寝かせる。


  「ありがとうヨルム君、私の一番の友達だよ」

  「ああ、俺は何が起こってもルージュの友達だからな」


  そして眠りにつくルージュ、しかしまた同じように事件を起こしてしまった、考えが甘かったのか頑張ればなんとかなる一生懸命にやっていると思っていたのかもしれない。

 だがそれでは駄目なのだ、魔王の甘言は人の欲望を突いてくるのだ、しかし七歳のルージュには酷な事かもしれない、親には甘えたいだろうし遊びもしたいそういう普通の子供のような事は一切出来ないのだ


  本当に頑張ってはいるのだが魔王の意識はしだいに強くなっていく、ルージュの体を乗っ取るため悪夢を見せる、悪夢とはアレグラの光景を永遠と毎日見せる、うめき声も泣き声も全てを無視してルージュが人を殺していく。

 ルージュは夜が怖くなり寝る事が出来なくなるがヨルムとブレンディングをしている時は普通に眠れる、でもそれはヨルムにばかり頼っている事を悩む、そして決意する感情を無くす事を。


  それからルージュは何も求めなくなった、食事も必要最低限だけでトレーニング以外は部屋に籠り戦いのための参考書や魔道書を読み続ける毎日だ、それは全て戦い以外のものを捨てるため、魔王に勝つための毎日なのだ。


  そして時間が過ぎていく一年が経ち二年が経ち三年の時が経とうとしてた、ルージュが十歳になった、感情は出さなくなり口数も少なくなった、そんな毎日だったが最近ガルド地方にアイアースと呼ばれるロボットが実現するようになるそれが新たなる野望の始まりとはまだ誰もわからないのであった。


  次話に続きます。


 


 

一気にに時間を経たせましたので次話から三年後のお話になります。

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