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義腕の王  作者: リョウゴ
一章・不思議な義腕と無知な少年
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恐怖と幽霊 2

 俺達が広間に行くと階段が元に戻してあった。村上さんは戻って来たのだろう。


 階段を使い二階に上がると二階の広間部分に2人ともいた。


「ああ、2人とも、どうだった?」


「なにもなかったよ。そっちはどうだった?」


「後一部屋残すだけですわ。」


 と真田さんは正面──玄関と反対側─の扉を指差す。


「村上さんは、戻ってきてないの?」


 それは俺も気になっていた。というか、もしかして……。


「まだ地下をさまよっているのでしょう。勿論呼んだなら開けますわよ。」


 やっぱりか。それなら…。


「早く終わらせて降りるべきでしょ、早くやろう。」


 御札なら沢山ある。部屋数を把握してなかったのか、余分に貰っているからな。




「これでよし、と」


 俺の持っていた御札を使ってお祓いした。この部屋は広かったので、手持ちの札全て使った。自衛用がなくなったが野中に分けてもらった。


 部屋の外、一回広間に出る。勿論隠し扉が開くようにした。


「さて、あとは村上さんを待つだけか。」



───バタンッ─


「村上さ──」

 村上さん、お疲れ様。と言おうとした口が動かない。何故ならあまりに驚きすぎて頭が真っ白になったからだ。


 俺が認識できたのは2つ。


 おのがとんできた。

 しのはらさんにあたる。


 開いた扉は隠し扉ではない。二階の最後に簡易的な封印を施した部屋の扉である。がそのときの俺には判るはずもない。下の階からは死角になっているからである。それに、飛んでくる斧を認識する事が可能だったのは、そのとき玄関の反対を向いていたのは、鐘本ただ一人だった。


 頭の中が真っ白になった。が身体が勝手に動いた。


 篠原さんを左へ突き飛ばし、飛んできた斧を避けきれず、右腕で防いだ。

 地下は割と広かった。探索と除霊に手間取ってしまった。特に、人為的なトラップである。侵入者を殺さんと襲いかかってくるトラップの数々。詰めが甘い物ばかりだが避けきるのに苦労した上にあからさまな罠だらけで、私の中にある警戒心が『ヤバいのがあるかもしれない』と時間を掛けるべきと判断したのが悪かった。


 よって、思っていたより時間を掛けてしまったのだ。


「趣味が悪いわね、ここの部屋主どんな趣味してたのよ…。」


 私は地下へ降りたとき使った扉を開けようとした。


「あれ?開かないわね、おーい、あけてー!」


 まさか階段を使って二階へ行ったの?ここを使えば()()()()な二階へは行かないと思ったのに……。


 はあ、まさか()()ちゃんがやったのかな。あの子、幽霊への認識が甘いからなあ……。



 何もすることが無く茫然としていると思い切り扉を開けたような音によく似た小さな音が聞こえた。


 もしかすると開くようになっているかもしれないと、ゆっくりと扉を開けた、その先には───

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