表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義腕の王  作者: リョウゴ
一章・不思議な義腕と無知な少年
7/164

幽霊っていると思いますか 2

「幽霊とか怖いのダメ何じゃなかったっけ、あんた。」


 そう、私、篠原 ()()は、お化けとかそういう類は大の苦手なのだ。何でと言われても、怖いものは怖いのだ、理由なんてない。


「そうだねぇ、野中君が人助けと言うから、ついに行くなんて言ってしまったけど、まあ多分…大丈夫…だと思うよ。」


 本当はすごく怖いけど。


「まあ、平気ならいいか。今まで野中が肝試しとか学祭のお化け屋敷とか誘っても篠原さん、来なかったから、人助けっていう盾を使って連れて行って怖がる様を楽しもうとしてなきゃ良いけどな、野中の奴。」


 そんなことは考えてなかったよ、野中君。


「野中君はそんなこと考えてないと思うけど、私がそうだと思ったり真田さんが同情で誘おうとしてて、ただ男子と遊びたいという考えで動いてたりしてたらすぐ帰るつもりだよ。」


「……怖かったら野中に言えよ?話持ちかけたんだから責任くらいとらせとけ。」


「まあ、うん、野中君だけじゃなくてアキ君も頼りにしてるからね?」


ああ、『俺を頼るな面倒くさい』とか考えてるよ。全く、酷いなあ。


「出来れば俺は頼りにしない方向で宜しく。」


 そこで会話がとぎれて、別れの挨拶をして、別れた。






 そうして別れた後自転車で件のアパートを見てみる事にした俺は、今アパートの近くでとある人物と遭遇した。


「真田さん…?」


 真田さんと思しき人は大きめのバックを背負いアパートの敷地に入っていく。どうやらこちらには気づいてないらしい。


 俺は自転車を、適当なところに置き、アパートの敷地内へ入る。

 このアパートへの入り口は一つで、中に入ると広間になっていて一階部分に四部屋、二階に五部屋という造りになっていた。


「あら、どなた?」


二階部分からは下の広間を見下ろせる造りになっていて、そこから、下を見ることで上にいる真田さんが俺に気付いた。


「酷いなあ、同じクラスの人何だけど。」


「ああ、確か、か、蟹元さん」


「鐘本だよ。というかいいのか?肝試し発案しといて先に見に来て。一人できて、お化けにのろい殺されても知らんぞ。」


「それを言うならあなたも……というか、誰から肝試しについてきいたんです?」


「野中。」

「そうですか。彼が2人誘うといったうちの一人があなただと。」


「まあそうだけど。」

 最初から俺らしか誘うつもりなかったんじゃん。


「そうそう、せっかく会ったんだから、発案者さんに聞いときたいことがあるから答えてくれ」


 そう言うと、話に答えるつもりなのだろうか、こちらに階段を使って軽やかに降りてきた。


「まあ、外に出ましょう、話はそれからにしてください。」



「まあ、まず聞きたいことは───」

 まあ、まずどうでもいいことから、聞こうか。

「幽霊、いるって信じてる?」


「幽霊ですか、はっきり言って信じてないですわよ、でなければ肝試しやる訳ないではないですか。」


「話じゃお祓いの手伝いって聞いたけど?」


「……野中さんはそこまで話していましたか。」


「おかしいよね、お祓いの手伝いを、幽霊なんているはずがないと思っている人がする、なんて。」

 ……まあ、友達がいるはずないものに苦労してて、それを見てるのが苦しいってのなら別だろうけど。


 というか、俺が聞きたいことは本来ただひとつなんだ。


「私は。」


 ……ん?


「……いえ、こんなこと、答える必要がないですわ、帰らせて貰います。」


「え、なんか、ごめんね。」


 俺が謝ろうとしたときには少し離れていた。歩くのはええ。

 というか、地雷踏んだか俺。


「本当は、入るとき背負っていたバックの中身がパンパンに入ってたのに出てきたときに空になってた理由を知りたいだけだったんだがなぁ。」


 そうつぶやき、この場を去ろうとしたときに、何かに見られている気がしてアパートを眺める。


「気のせいか。」


 が、俺は特に気にせずこの場を立ち去った。


  き の せ い だ っ た の だ ろ う か ?


背負っていたバックが空になっていることを明言しないで表現するにはやはり技量が足りなすぎたので明言してます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ