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義腕の王  作者: リョウゴ
四章・非凡な少年と鋼色の牙
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月の要塞 1

 勉強会をやるために、最寄りの一本下り方向に隣な駅へ集合というわけだが、駅一つ分移動するのに電車を使うのは馬鹿らしい。丁度目的の駅までの道のりは覚えているので、自転車で移動する。


 早めに行っておくか、と思い10時集合のところに、九時半につくように移動する。三十分前行動だ。


 因みにエリカさんと村上さんは電車で行くと言っていた。まあ、一緒に行く必要ないし、俺は一緒には行かないことにしたが。


 まあ、外が今にも降り出しそうな曇天、もしくは雨が降ってれば電車で行ったかもしれないが、あいにく清々しいくらい、晴れている。雲一つ無い空を見たのは久し振りだ。予報も一日中晴れと言っていた。


 気温はまだそこまで高くなく、快適。


 大きめな交差点の信号が赤になり、止まる。と同時にズボンのポケットが振動する。


 スマホに電話着信だ。ただ、誰からきたのか、分からない。本当に誰だ?


 不信に思ったが、電話に出る。


『おはようございます。鐘本秋さん………ですか?』


 その声は男性とも女性とも取れない音声だった。


「あのー、誰ですか?」


『あ、すいません、名乗ってなかったですね。』


 この声の感じはどちらかというと女性……か?


『え!師匠!?ちょ、やめ……………なの…こ……ない……ぁ、分かりました!お前に名乗る名前はない!』


 ………はあ!?…なんか誰かが電話の向こう側で指示っぽいのを出したようなのが聞こえた直後、電話の相手がわざとらしい感じで名乗るのを嫌がった………どうでも良いけど、相手は女性だ。さっきの声で分かる。


「名乗らない?じゃあ切りますね。」


 といって、俺は一方的に電話を切ろうと耳元からスマホを離そうとするその瞬間。


『この女がどうなってもいいんですかそーですかそんな外道だったんですね知らなかったです見損ないました。』


 ………?


「この女?誰のことだ?」


 俺は切るのを止めて質問する。


『ふっふっふー、それが知りたければここに来てみなさい!じゃあね!』


 そう言って切られてしまった。え?どこよそこ。


 交差点は丁度、青に変わった。





「さっきの電話、何だったのか分かるか?」


『さあ、まあ、知り合いの女子に連絡取ってみればいいんじゃないですか?』


 とりあえずアイに相談をする。連絡を取る、確かに必要だよね。不自然でもないし。


 取り敢えず、また信号で止まり、とあるSNSのアプリで野中が勉強会にさそった人達でグループをつくったのがあったので、そこで発言をし、既読が付いて、反応するかを見る。


 なんて言うか。………えーっと…。


……「なんか突然変な電」…違う。「皆どの位勉強出来る?」でいいか。まあ、なんか今更感すごいけど。


 送信する。


 そして信号が青になったのを確認し、移動を再開した。










 結論を言うと、全員から普通に返ってきていた。全員が見て答えた。おかしなところはない。まあ、女子の知り合いなんて、そのグループに入ってないのだとそんなにいないし、心配はいらないだろ。


 駅までに色々あったにも関わらず、集合の五十分前についてしまっていた。


 正直、電話の事は余り心配していない。そもそも向こうの番号を知らないのに場所を告げずに切るのが悪いんだし。


 そして俺は取り敢えず、SNSのグループに「到着!」などと発言する。



 そしてそのグループではない、意外なところから電話がかかってくる。


『あのね、普通こんなことを聞くのはおかしいと思うんだけど、うちの娘知らないかしら?』


 お隣さんたる、葉坂家から。

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