相棒のいない一週間 3
主に体育祭の競技練習は、朝のHR前、昼休み、放課後であるが、うちの学校のそこそこ活発な部活動がしっかりとグラウンドや体育館などを占拠しているため午後の活動な高校敷地内では殆ど出来ないと言って良い。駐車場とか車通るし。
「なー、練習しようぜ!」
クラスでも中心的人物の男子がそう言う。今は放課後である。
「?グラウンドは使えませんよ?坂田君。」
エリカさんが、そう聞くが、どこで活動するかはこの辺りの土地勘がある人ならばわかる。というか、無くても分かる。
「部活の無い人は隣の運動公園に集合なー!分かったか!」
エリカさんの質問は無視された。
高校の隣にある運動公園は、良いところだ。敷地面積はかなり広い。場所によっては遊具のある子供用の広場があり、運動に適している環境が整えられていて、割と人がいる。高校からは道路を跨いですぐの辺りにある。本当に隣。ただ、何故か敷地内に迷うほど広い森がある理由は分からない。迷子になるだけだろあの広さは。
そんな所で、一所懸命に練習する高校生は俺らのクラスだけじゃないが、そこそこしかいない。
まあ、間違いなくうちのクラスのやる気は異常だろ。
「終わったかー。あーつかれたー。」
そう言うのは野中である。しっかりと解散しきった後に言っている。まあ、普通放課後二時間も練習しないよな。もう6時回っていて、家に真っ直ぐ帰っても7時頃にはなってしまう。
「にしても、秋、お前昨日辺りから元気というか、なんか、足りてないよな…どうした?」
「つか、いつも通りだろ。元気足りてないように見えるのは、体育祭がもうすぐなのが憂鬱だからだろ。多分。」
「そうか?なんか、いつもよりテンション低いって日舞ちゃんも心配してたぞ。」
「そうか?………ってかおい、いつの間に篠原さんのことを下の名前で呼んでるんだよ?」
去年からよく話していた俺達は何故か俺だけ下の名前で呼ばれてたけど、他は苗字で呼び合っていたはずだ。一年も。
「んー、そうしたほうが、下の名前で呼びやすいんじゃないかなって。あ、僕の名前な?日舞ちゃんじゃないよ?………呼べば本人、喜ぶと思うがな……。」
まあ、後の方は聞き流しつつ。
「つか、僕には野郎を送られる趣味はねえし、特に話もないから。じゃあな!」
「じゃあな。……俺にも、野郎を送る趣味はねえっての。」
この後真っ直ぐ帰る。流石にこれから魔法の訓練をしようという気力は出なかったのだ。




