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義腕の王  作者: リョウゴ
二章・神社の巫女とチートのおまけ
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読心者

「答えてもらいましょうか私の質問に。」


 と村上は威圧的な笑顔でそう言う。はっきり言って怖い。


「う………うん。」


 ほら!そんな威圧するから篠原さん小動物みたいに縮こまってしまったじゃないか。


「まずこの文字!見えてるのね?」


 そういって村上さんは手紙をひっつかみ文字を指差す。


「見えているけど……?」


 おかしな事があるのだろうか、と言わんばかりの反応だ。俺には分からないが、おかしいのだろう。


『魔導で書かれた文字は一般人には読めません。例え日本語でも。まあそれよりもすごい気になることが………。』


 そうアイが補足する。すごく気になること?


「それと、開けてから文字が浮かび上がったって言ったけど何で分かるの!?」


「………………。」


「それに2人って誰!?ちょっと怖いんですけど!?」


 ……俺じゃないので必然的にアイと村上だ。巫女は今日はいないようだ。


「………実は私、心が読めるんだ……。」


「へ?」


 突然なその言葉に俺は素っ頓狂な声を上げた。


『稀にいるんですよ、魔導に頼らずに魔法を使う人。そういう人は、超能力者、なんて呼ばれたりします。魔導を扱うことが可能です。固有の魔法、超能力が消えてしまうリスクが有ることを考えると、割に合わないかもしれませんが。それに発現するのがどの年齢かは分からないですよ?』


 魔導師一般素養ってやつだろうか?


「ふーん、で?」


「かるいなぁ、咲ちゃんは。……まあ、多分それでたまに壁の向こう側が分かるときが有るんだよねえ。たぶんそれだよ。」


「…………。」


 村上さん、熟考。


 なーなー篠原さんよー?


「なに?アキ君。」


 やっぱり、心が読めることに嘘偽りはないようだ。まあ、今まで心読まれてるんじゃないかと思うときが多々あったけど。つか紙の向こう側読めるって、そりゃあ………


「何でもない。」


 俺は考えるのをやめた。その先は俺が考える事でもないし。答えは誰も知らないから考えるだけ無駄。面倒だし。


「そうかぁ。」


『そういえば認識阻害は篠原さんには効かないはずですよね。魔法使うから。』


 ということに村上さんが気づいたのか、


「まさかお祓いの時、こいつが何したか見てた?」


 と、篠原さんに問いかける。


「私を突き飛ばした後、幽霊をぼっこぼこにして成仏させてましたよ……ね?」


 まあ、そうだが。


 この時の村上さんほすごく驚いていた。考えて見れば普通、認識阻害の術式使うよな……。


「あのとき思いっきり認識阻害と暗示掛けたんだよ!?みんなに!」


 あれ?村上さん、それだとあなたは俺を見捨てるようにも聞こえるんですが。


 そんなこと、どうせ気にしないだろうが。


「ああ、もう!どうしたらいいの!?………もういいや、なるようになればいい……。」


「うわぁ!村上さん、何するんだよ!?」


 俺の体が地面から1m位浮きぐるぐる回転させられる。ちょっ、酔うんだけど!?


「これから話すことは他言無用、他言したらこいつみたいにぐるぐる回す。分かったね?」


 う……吐きそう。


「じゃあ、駅まで送るからその間に話すわね。………解除。」


 そうつぶやくと俺はその瞬間頭があった方へ吹っ飛んだ。……真横、神社の周りの木々に向かって。


『うわぁぁぁぁぁ!!!減速!衝撃吸収!いや!速すぎ!!?方向転換!減速!』


 アイが叫ぶと同時に叫んだとおりのことが起こるが、減速すると、体にGがかかる。……樹に当たるよりはましだが……。




「……最後に回転エネルギーが暴発するのが問題っと。」


「……あれ、大丈夫なの?」


「まあ、ほっとけばいいのよ、死なないでしょうし。帰るわよ。」


「うへぇ……またこの階段かぁ……。もう来たくないなあ。」


「それなら登らなければ良かったのに。」


「いやあ、でも、咲ちゃん。私は登って良かったと思うよ。」


「何でよ?」


「今まで、この心が読めることはちょっといやだったんだよ。相手の考えていることが分かっちゃうんだよ?まあ…深い所までは見透かせないけど。」


「…………それで?」


「もしかしたら……()()を制御出来るようになるんじゃないかなぁって思うと、ね。良かったって思うんだよ。」


「まあ、折角だし、制御出来ないのなら今より凄くなる可能性もあるし………いやでも…篠ちゃんが危険な目にあうかもしれないけど……。」


「心配してくれてるのはうれしいけど、魔導師とやらの秘匿は絶対、なんでしょ?」


「!!?」


「だったらこの心を読むのを超能力って言うんだっけ?超能力について教えてくれてもいいよね、さすがにぐるぐる回されてすっ飛ぶのは嫌だし。口外しないよ。うん。」


「はあ………。仕方ないわね。」


 村上がそう言うと、篠原は満足そうに微笑んだ。




「おええええええ………。」


 向こうの話が纏まったころこの男は何とか完全停止していた。


 減速する度にかかるGは減っていったが、酔った体には充分脅威である。


『いわゆる、しばらくお待ちください。とか、加工されて口からキラキラしたものが降ってくる感じでしょうかね。』


 現実ではそのようなものがかかることはないが、まあ、彼がどうなっているかは描写しない。


「………十分……拷…問………じゃねえかおええええええ」




『落ちつきましたか、ご主人。』


「やっとだよ……。」


『いやぁ、まさか篠原さん、私の声聞こえてたんですねぇ。』


「いや、聞こえてると言うよりは、読めるというほうがいいんじゃないか?」


『え?どういう事ですか?』


「お前の言葉を俺が言っていると言ってたからだ。まあ違和感はあったみたいだけどね。」


『そうですか……。』


「さぁて、修行修行!今日は肉体強化終わったし………あの魔法が出来ればいいなあ。」


『ご主人、肉体強化は焦ったせいで失敗してたので完全じゃないですよね?』


「うぐっ」


『そういえば思い返せば不思議な事何ですが、篠原さんに声が聞こえるかも!っていうので認識できたんですけど。』


「何だ?」


『念話、指向性を持たせたんじゃなくて、持たされてるんです。誰に向けても念話は出来ません、ご主人だけにしか出来ません。………あーあ。他の人と話したいなぁ……。』


「そうか。」



 その日も俺は夜遅くまで練習していた。

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