高校生活一日目の幕開け
世界は退屈だ。
汚い大人の汚い思想で、この世界は染まっている。
俺もそう思ってたんだ。
そう、あの日までは。
ジリリリリリリリリリリリリリ!!!!!
「ん・・・もうこんな時間か・・・」
やかましく鳴り続ける目覚まし時計を止めながら、俺はそう呟いた。今日も朝から最低な目覚めだ。
「よし兄!起きた!?遅刻するよ遅刻!」
妹の涼花がドアを乱暴に開けながら喚き立てる。全く、こいつには年相応の態度が取れないものか・・・
「おう、起きたよ。それより涼花、お前も明日から中二だろ?もうそろそろ大人の振る舞いというものをだな・・・」
「うるさい!それよりよし兄、今日から高校生でしょ?初日から遅刻とか、よし兄こそ高校生としての振る舞いをだね・・・」
「ん?遅刻?何言ってんだ?今はまだ7時・・・」
そう言いながら目を向けた時計の針は、8を指していた。
「遅刻だあああああああああああああ!!!!!」
俺はそう言いながら階段を駆け下りる。流石中学で陸上部に所属していただけはある。久しぶりの運動でも、それなりの速度を出してくれた。
「ちょ、よし兄、朝ご飯!」
「んなもん食ってる食ってる時間ねえよ!行ってきまーす!」
「もう、しょうがないんだから・・・行ってらっしゃーい!」
こんな感じで、俺の高校生活初日は幕を開けた。
よく晴れた青空が眩しい、春を感じさせるような素晴らしい天気だった。