初めての会戦!?
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ダンジョンマスターに報告します
敵勢力が南の森に侵入しました。
数60体、容姿から小鬼と断定します。
至急、迎撃して下さい。
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「なっ!?」
「ん?旦那、どうしたんです?」
「南の森に侵入者だ」
侵入者という言葉に反応して皆集まってくる。
「旦那、南の森ってここじゃないですか!?数は?」
「ゴブリンが60体だ」
「ならミノタウロス一人で余裕だな」
「そうですね。彼女の実力なら問題ないでしょう」
カーバンクルとサラが頷きあっている。
「そんなにゴブリンは弱いのか?」
「有象無象は数が多いだけの塵芥ですがこの場合、ミノタウロスが強いと言った方がいいですね。彼女は迷宮筆頭守護者ですから」
(有象無象って。そんなに嫌いなのか)
「そうかなら安心だが.....」
システムを表示しミノタウロスとの間にVCを開く。
「俺の声が聞こえてるか?」
「.......君主様?」
2秒ほどタイムラグがあるらしい。
「あぁ。そうだ。実はさっき南の森に60体のゴブリンが侵入した。迎撃に向かってくれ。転移ポイント72-B-4を限定解除_【承認】」
「了解しました。至急向かいます。およそ10時間後接敵予定です」
「了解。心配ないと思うが無理はするなよ?」
「了解しました」
ダンジョンの端から端まで移動すると10日。
中心部にあるエルフの集落からは単純計算で5日。
途中途中に幾つかある転移ポイントを使用すればもっと早く移動することができるが敵に使用される恐れがある為、侵入者がいる場合は設定をOFFにすることになっている。更に何らかの理由で敵に使用されても一気に集落の中まで転移されないように対をなす転移ポイントにしか跳べないようになっている。
彼女が東の森から南の森に向けて移動してるのをマップで確認する。
現場に指示を出し円滑に作戦を実行する指揮官それこそが防衛時のダンジョンマスターの大きな役割である。
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ダンジョンマスターに報告します
敵勢力が東の森に侵入しました。
数80体、容姿から大鬼と断定します。
至急、迎撃して下さい。
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「ちっ二正面作戦か!」
魔石は一先ず後回しだ。
至急集落に戻る必要があるだろう。
サラマンダーにVCを繋ぐ。
「はい。こちら作戦本部参謀。君主様こちらは準備が整っておりますのでいつでも始められます」
「助かる。現状は分かっているな?」
「はい。ゴブリンによる二正面作戦。おそらく主攻は東の大鬼」
「あぁ。そうだ。一先ず俺もそっちに合流する」
「畏まりました」
VCを切り移動を始める。
(嫌な予感がする。最悪の状況になるかもしれない)
〜エルフの集落:作戦本部司令室〜
1時間程で合流する事ができた。
俺が予想したとおり状況は現在進行形で最悪な方に向かっている。
ここに移動する間に3度目のアナウンスが流れ西の森から豚鬼が100体侵入して来たのを知った。
おそらく北の森にも伏兵がいると思われるので多方面に防衛線を抱える状況だ。
戦力を各方面に分散配備せざるをえず、客観的に見て劣勢だ。
内線戦略としてはセオリー通り各個撃破が望ましいが主力となるミノタウロスがまだ最初の敵に接敵していない状況なので他の方面は専ら遅滞戦により泥沼化する恐れがある。
更に何処か1方面でも敵に抜かれれば物資を補給する為の後方連絡線も遮断され孤立する方面がでる。
この状況で孤立するということは包囲殲滅されるということだ。
そうなった場合最早、戦線を立て直す事は困難だろう。
まさか初戦でここまで大きな戦いになるとは思わなかった。
準備不足も否めない。
完全に俺の失態だ。
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ダンジョンマスターに報告します
敵勢力が北の森と南の森に侵入しました。
合計200体容姿から猪大鬼と断定します。
至急、迎撃して下さい。
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最悪が形をなし俺たちに襲い掛かろうとしている。
主戦力の足止めの為か南の森に援軍が到着したようだ。
「君主様。いかが致しますか?」
「まぁ。予想通りでしたね。配置人数はどんな感じですか?」
「南はミノタウロス。今、ドワーフ、カーバンクルを後詰めとしてミノタウロスの援護に向かわせました。東はエルフ150人とウンディーネ。西はエルフ100人とノーム。北はエルフ150人とシルフ。後方支援としてドリヤード、マンドレイクを待機させています」
「それでは接敵次第各自、戦場機動に移り遅滞戦を開始して下さい」
如何でしたでしょうか?
感想等お待ちしております。