Hunting1
どこかの洞窟だろうか
回りは蝋燭の火だけで薄暗く3人の小汚いローブを纏った人物が
出口を目指し走っている
後ろからは巨大な芋虫みたいな生物が襲い掛かってきている
「ま…まったく貴女があんなLVの低い財宝何か取ろうとするから!!!」
右に居るスタイルが良く背の高い1人の女性が
真ん中に居る小さな少女を怒鳴りつける
「だってー凄く綺麗だったんだもん!!!」
腕をぶんぶんさせながら真ん中に居る少女は右に居る女性を怒鳴る
「良いから走ってください!
あんな芋虫お化けに食べられたいんですか!?」
更に左を走る真ん中の少女より少し背の高い少年が2人の怒鳴り合いを注意しながら
後ろに迫り来る芋虫みたいな生物を指差す
生物は涎だろうか?見るからに気持ち悪い粘液を垂れ流しながら
3人を追いかける生物から見ると3人はご馳走のようだ
そんな如何にも気持ち悪い物を見て先程まで怒鳴りあっていた2人は口を閉じ
先程までとは違うスピードで走り抜ける
ようやく外の明かりが見えてくる
一気に走り抜けその場に倒れこむ
生物は図体が大きく穴から出る事が出来ずつっかえてしまった
「あはは!つっかえちゃったみたいだね!」
先程真ん中に居た少女は息を荒くしながら生物を見て笑っている
「まあ財宝も手に入れたし無事に出てこれたし一件落着かしらね」
ふぅ~と一息入れていると生物は後ろにバックし勢い良く前に突進
穴をぶち破り外に出てくる
「嘘ーーー!!!」
3人が口を揃えて叫ぶ
もう駄目だと思ったその時頭上を赤い閃光が駆け抜ける
「まったく心配してきてみたらやっぱりこんなことになっている……」
赤い髪を靡かせ右手に牙のようなものを持っている女性が3人を見てあきれる
「マスター!!!」
「マスター!!!じゃないわよ……
とりあえずお仕置きはこの化物を倒してからね」
右手に持つ牙を生物に目掛け投げ付ける
すると牙から水が吹き出て見る見る龍の姿へと変わっていく
まさに海龍
海龍は生物をその鋭い牙で噛み付き一撃でねじ伏せる
恐れをなした生物は急いで洞窟の奥へと姿を消した
「もういいわ!戻ってきて」
赤い髪の女性が海龍に叫ぶと海龍は牙だけ残し消えていった
「あはは助かりました……」
少年が女性に近寄ると女性は少年の首元目掛けてチョップ
少年は気絶した
「さて……後はそこの2人ね……」
「い……いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
同様に女性は2人の首元目掛けチョップ
次に目が覚めるとそこは巨大なホールの中
そこはギルドと呼ばれる場所
3人は後ろ手に縛られ椅子に座らされていた
目の前には先程3人を助けた赤髪の女性が座っている
「あははは……師匠?これは一体……?」
洞窟で走ってた立ち位置同様真ん中の青髪の少女が赤髪の女性ルナマリンに
現在の自分たちが何故縛られているのかを問う
「まったく貴方達3人はどうしていつもこうなのかしらね?
巡・宝輝、セイグリット・リン、レギオン・ノアール」
真ん中が巡・宝輝、右がセイグリット・リン、左がレギオン・ノアールと言うらしい
「いや~これには色々とあったんですよ師匠」
てへへと笑い誤魔化す宝輝にルナマリンは頭をゴツンと叩く
「貴女の色々は聞き飽きました!
まったくハンターになって皆1ヶ月も経つのに未だ回収できた財宝は
全部LVの低い財宝ばかり……涙も出ないわ……」
やれやれと言った表情で頭を抱えるルナマリン
ハンターと言うのはこの星『ダイヤモンドスター』に眠る未知の能力を持つ
『財宝』と呼ばれる物質を探し出す職業である
正式名所は財宝ハンター
そしてここ『貯蔵庫』はルナマリンが結成した財宝ハンターの集まる場所ギルドである
「と言われてもまだ僕達は駆け出したばかりですし早々高いLV財宝は……」
「そうでしてよ?それに今回手に入れた財宝はそれなりの価値があると思われますが?」
レギオンとセイグリットがルナマリンに熱く語るが
「残念ながらこの財宝は財宝LV2『雲の欠片』
全28個で1つになる『雲の真珠』の一欠けらよ
これが10個でもあれば財宝LV9くらいになるでしょうけど1つじゃ問題外よ」
先程3人が洞窟より持ち帰った財宝を透明なケースに入れて机の上に置く
「そんな……」
3人は折角苦労して手に入れたのにとがっかりしてしまった




