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渇望
「美穂、君なしじゃ僕は」
すっと私の唇を彼女の人差し指が塞いだ。
「駄目。そんなこと言っちゃ」
何が違うのだろう。同じ顔なのに夜の交わりの中で見せる彼女の笑顔はたまらなくいやらしく、身体の内側を激しく掻き立てられる。
「死んだら何もかも終わりだよ」
死という言葉に心臓が波打つ。
そうだ。死は全ての終わりだ。美穂。穂波。かけがえのない家族を残して死ぬわけにはいかない。
「もっともっと愛して」
思わず彼女の胸に顔を埋める。彼女の前では私は赤子同然だ。
ーー離さない。絶対に。
妻の身体に溶け入るように、私は美穂の身体に沈んでいった。




