奉天会戦(1905年3月)大敗北シナリオ 詳述
■ 全体の流れ(要約)
1. 日本軍、補給限界と疲弊で攻勢を維持できない
2. 黒溝台―公主嶺正面でロシア軍が反撃に転じる
3. 日本軍の左右翼包囲が破綻
4. 第3軍(乃木)の到着遅延が致命傷
5. 大規模な潰走・多数の投降者
6. 奉天陥落、日本軍は遼陽まで総退却
7. 戦争継続能力が喪失し、講和不可避に
これを、以下で時間順に具体的に描写します。
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1. 3月1日:日本軍の攻勢開始、しかし開始直後から補給難
日本軍(満洲軍総司令部・大山巌)は史実通り“三方包囲”作戦を実施する。
• 右翼(黒木為楨第1軍):鉄嶺北方へ迂回
• 左翼(大谷喜久蔵第4軍):蘇家屯方面から包囲
• 中央(奥保鞏第2軍):正面攻撃でロシア軍を押さえる
しかし敗北ルートでは、史実よりさらに悪影響が重なっている:
● 補給限界
・途中の鉄道がロシア軍撤退時に破壊され修復が間に合わない
・弾薬・食料の不足がすでに深刻
・兵の疲労が限界(旅順・遼陽から戦い通し)
● 指揮通信の混乱
・ワイヤー通信がロシア軍砲撃で断続的に切断
・各軍の調整が遅れ、迂回攻撃のタイミングがずれる
結果:
全軍の攻勢が初日から予定より遅延
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2. 3月4〜6日:右翼(黒木軍)が鉄嶺包囲に失敗
史実で最も危うかったのが右翼の迂回行動。
ここで分岐:
● 距離を伸ばしすぎ、兵力が足りず、ロシア側面を崩せない
ロシア軍第1軍は予備兵力を巧みに投入し、黒木軍の迂回路
を遮断。
● 日本軍は弾薬消耗が限界
迫撃砲・野砲の弾薬が残り少なく、歩兵突撃も行えない。
● 宇都宮第12師団が壊滅
迂回中にロシア軍の集中砲火と騎兵反撃で師団が半壊し、数千の戦死傷者。
結果:
右翼の包囲は頓挫。戦場の主導権をロシアに奪われる
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3. 3月7〜9日:スタッセルの反撃案が採用される(史実では不採用)
敗北シナリオ最大の鍵はここ。
史実のロシア軍は:
• 戦意低下
• 指揮系統不統一
• 消極的防御
だったため、包囲されそうでも撤退を選んだ。
しかし分岐世界では:
● ロシア側の状況が「たまたま良い」
• 参謀部が積極派に傾く
• スタッセル/クルーゲルらが反撃を主張
• 皇帝からの電報が「奉天死守」ではなく「状況に応じて積極作戦をとれ」
この小さな違いは、戦局を一変させる。
● ロシア軍、中央で反攻に転じる
奥軍(日本第2軍)の中央正面が最も疲弊しており、
そこへロシア軍第17軍団が突撃。
日本軍は押し返せず、中央に大きな“裂け目”ができる。
結果:
日本軍中央突破 → 三方包囲が逆に“裏返し”になる
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4. 3月10〜12日:日本軍、全線で後退開始
中央突破で状況は一気に崩壊。
各軍で以下の混乱が連鎖:
● 左翼(大谷軍)
迂回のため伸びきった戦線が孤立し、ロシア軍の反撃で潰走。
数千〜1万人規模の投降者。
● 中央(奥軍)
撤退ルートにロシア騎兵が乱入し、指揮統制が崩れる。
● 右翼(黒木軍)
中央が破れたため、自軍が包囲される危険が発生。
急遽撤退に転じるが、道路が一本しかなく退却路が渋滞し、砲兵隊を多数放
棄。
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5. 3月13〜15日:乃木第3軍の遅延が致命傷に
史実では、乃木軍の到着が遅れて包囲を完成できなかったが、
この世界線では逆に「日本軍を救えなかった」要因になる。
• 遼陽経由で北上中、補給と道路状況で大幅に遅延
• 到着した頃にはすでに全線が崩壊していた
乃木軍は戦力の多くを救援に使うも、
到着=敗走兵の救出戦になってしまう
結果:
日本軍は奉天正面から完全撤退。
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6. 3月16〜20日:日本軍、総退却へ/潰走発生
奉天南方の道路は兵士と補給車両、負傷者で大渋滞し、
• 将校による統制不能
• 武器弾薬の大量投棄
• 砲兵部隊の全滅(馬の疲弊で移動不可)
• 一部師団は半壊・壊滅
ロシア軍は深追いしないが、追撃砲兵だけで大損害を与える。
日本側死傷・捕虜:
・3〜4万人戦死
・5万〜8万人が負傷
・1万〜2万人が捕虜
史実の倍以上の損害となる。
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7. 奉天陥落 → 日本軍、遼陽まで後退
奉天は3月20日前後に陥落。
日本軍は遼陽まで後退し、そこでも防御線を確立できず、大連・旅順への撤
退を検討。
日本の大本営は“戦争続行不可”と判断。
この時点で「講和しかない」状態になる
(理由)
• 弾薬の枯渇
• 兵力損耗
• 補給線崩壊
• 戦略上の主導権喪失
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最終的な敗北の意味
この大敗北の結果、日本は:
• 朝鮮半島の優越権を放棄せざるを得ない
• 満州権益の獲得は不可能
• バルチック艦隊撃破後の講和でも有利を取れない
• ロシアは対馬沖の敗北を「陸の勝利」で補う」
つまりあなたの年表にあるように、
「奉天敗北 → 日本海勝利 → しかし講和条件は日本惨敗級」
という構造が成立する。




