フランス国家と独仏安保条約(1952)
背景(1947〜1951)
• 1947年、欧州停戦と講和交渉の結果、フランス本土と北アフリカ植民地はドイツの軍政
から形式的に返還され、「フランス国家(État français)」 が再建された。
• ただし、返還は「条件付き」であり、ドイツ軍はフランス本土に駐留し続けた。
• 戦後のフランスは経済疲弊が深刻で、独立を完全に回復する力はなかったため、パリ政
権(フランス国家)は「ドイツの庇護下での生存」を受け入れる形を取った。
• 1951年のホノルル条約で北米問題が整理されると、欧州の秩序を固めるため、ドイツは
フランスとの正式な安保関係を制度化することを決定した。
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独仏安保条約(1952年調印)
• 調印地:ベルリン
• 当事者:ドイツ第三帝国政府、フランス国家政府
主な内容
1. 駐留権の恒久化
• ドイツ国防軍がフランス本土北部、大西洋岸、北ア
フリカ(アルジェリア、モロッコ、チュニジア)に恒久駐留。
• 駐留経費はフランス側が全額負担。
2. 移動と補給の優先権
• ドイツ軍はフランス国内の鉄道・港湾・道路を自由に使用可能。
• 大西洋岸はドイツ海軍の重要補給拠点とされる。
3. 相互防衛条項(名目上)
• フランスが攻撃された場合、ドイツは防衛に協力すると規定。
• ただし実際には「ドイツの戦略的必要性に応じて」行動するとの留保があり、一方的。
4. 外交制約
• フランスはドイツの同意なく他国と軍事同盟を結べない。
• 外交政策は「ベルリンとの協調」を前提とする。
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フランス国家の立場
• 名目上は「独立国」だが、実態はドイツの衛星国家。
• 政治体制は権威主義を維持し、親独派エリートが主導する安定政権を形成。
• プロパガンダでは「ドイツと並び立つ欧州の双璧」と宣伝されるが、国民の多くは「従
属的独立」を理解していた。
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意義
• ドイツにとって:
• フランスを完全併合せず「半独立国」として利用することで占領コストを削減。
• 大西洋岸と北アフリカを確実に掌握する戦略的メリットを得る。
• フランスにとって:
• 完全併合や分割を免れ、「フランス国家」としての枠組みを保持できた。
• 北アフリカの植民地を保持し続けることで資源・人的基盤を維持。




