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p8 拠点と魔法工学

前回のあらすじ

獣人の男ゼンバルグとその妹デルを救った神様と緋高。

神様は謎の男の話を聞いて以来機嫌が悪い。何があったのだろうか。

獣人の男の工房が拠点へ移動できないので、新たな拠点をここに築くことに。

アダマスに材料集めを任せ、夜も更けてきたので寝ようとする緋高。

寝る直前に神様から発せられた名前「カル・ゼルヘルク」どうやら、神様の親父らしい。

一体、二人に何の関係があるのだろう?

「わ、わぉ」

「ちょっと待て、一晩だろ?」


 俺たちの目線の先には、数千本の伐られた木が横たわっていた。


「ア、アダマスさん一体何者…」

「おい幽霊。斧壊れたぞ」

「普通そこまで伐るとは思わないじゃん…」

「幽霊の普通で測らないでもらいたい」

「幽霊の普通の水準は高いんだけど?」


 本当に誰よりも化け物してる人だな。この人が敵だったらと思うと末恐ろしい。良かった味方に引き込めて。


「ま、まぁ材料は集まったからいいや。後はゼンバルグにお願いしよう」

「でも、どうするのだこれから。ゼンバルグに頼むとはいえ、数週間はかかるでしょ? 妹さんも手伝っているらしいけど、兼業はできないでしょ。」

「確かに、その間暇だな。どうするんだ、幽霊さん。」

「ふふん。安心しなはれ」

「なんで関西弁?」


 国作りに足を止めている時間はないが、ゼンバルグさんとはいえ拠点作りと兼業で何かを作るというのは不可能だ。どうするのか俺は不思議に思った。


「現在、ゼンバルグは拠点作りに注力していて兼業は不可能。そもそも、現在の我々に技術で作る物で足りない物など存在しない。戦闘員、鍛冶屋、知識担当、癒し要員、無能、ゼンバルグ持ち込みの工具、戦闘員の武器、カミルルスの家にあった生活必需品。全部そろっている。じゃあなにをすべきか。」

「おい待てしれっと暴言言ったか?」

「癒し要員って……あの猫ちゃんの事ね。」


 神様が昨日の件から復活したのは良かったが、以前あおり癖は消えていないようだ。


「緋高、最初の方に言ったことを思い出してくれない?」

「最初の方……?」

「ほら、転生前に言ったこと。(小声)」

「……」


 記憶をほじくり返す。そこで、ある発言を思い出した。「その世界に魔法はあるけどスキルはない」という発言だ


「あ! 魔法!」

「そ、めっちゃ影薄いけど、この世界には魔法がある。俺たちが出会った人ほぼ全員が魔法が使えない、又はレベルが低いものしか使えないだったけど、一応この世界のほとんどの人は魔法が普通に使えるんだ。炎を出す魔法とか水を凍らせる魔法とか。」

「確かに、私含め、ほぼ肉体で労働したり、戦闘する人しかこの国にはいないね。」

「そう、だから魔法なんて使う機会なかったけど、ついに来たよ、これで普通の国作りからおさらば。」


 魔法か、確かにあるとだけ聞いて一切魔法の存在を聞いていない。神様がイノシシから救ったりしてくれた時とか以外、魔法らしいものを見た事がない。


「魔法って、今更習得するのか? それとも魔法要員を?」

「いいや、言っちゃ悪いけど君たちは魔法の才能がない。魔法要員は後で作る。今は{これ}とアテルが居るからいらない。」

「{これ}?」

「それが本題。」


 一切の予想がつかない。一体何をするのだろうか。


「今の俺たち……ましてや、人間工学じゃできることが少なすぎる。」

「まぁ、なんか常識っ!! てのを出ないよね。」


 アダマスさんの言うとうり、なんか普通の国作りになってしまいそうだ。


「だから始めるんだよ。魔法工学の時代を。」

「……?」

「魔法工学……聞いたことはあるけど、人間工学よりも難しいと聞くよ?」


 初耳の言葉だ。アダマスさんの反応を見るに、この世界に存在する分野らしい。


「確かに魔法工学は難しいね。」

「でしょ? じゃあどうすんの。ゼンバルグはいま使えないぞ?」

「ふふん、棚ぼたなのか必然なのか、もういるよ、魔法工学の専門家。」

「「?」」


 それも初耳だ。魔法工学の専門家が国メンバーにいる? 一体誰だ? そんな疑問のなか、神様の指示に従って俺たちは工房の奥にある部屋へ入った。そこには「彼女」がいた。


「……何の用ですか。」

「やあやあデルさん。折り入って話があるんだけどさぁ」

「……あなたたちと話すつもりはありません。兄がお世話になっています。」

「そう固くならないでさぁ。別にあのことは怒ってないから。」

「……そうですか。でもあなたたちを襲ったのは変わりありません。」

「……僕、暗いの嫌いなのよ。罪に引け目を感じているなら、僕たちのことを手伝ってくれない? 罪滅ぼしって言っていいのかは分からないけど。」

「……分かりました。私もこのままじゃすっきりしないので。」

「よし、早速始めようか!」


 兄妹そろって職人なのか。とんでもない才能だ。


「魔法工学ってなんだよ神様。」

「魔法工学ってのは、人間工学の範疇を出たものすべてを総称して言うものだ。人間工学と違って、こっちは一切役に立たないものが多いし、材料調達がありえないレベルの難易度だったり、作るとこが難しかったりするけど。その代わり、いいやつだと例えば自分の能力を込めれる銃弾の{魔弾}とか、かっこいいのだと男のロマン、超巨大ロボットとかあるよ。」

「何それかっけー! でも、どうせ最初から大掛かりなものは作らないんだろ?」

「そうだね。もうちょっと国作りが落ち着いてからデカいのは作るよ。」

「で、最初に作るのはなんなんだ?」

「それはね……」


 魔法工学、とても気になる分野だ。気になるというか、男の本能が求めている。俺は、ワクワクしながら次の発言を待った。


「緋高国最初の魔法工学……それは、超巨大データベース、正式名称: 中枢型魔工知性記録体だ!」

「……?」

私情がありまして更新が遅れました。

更新記録:1話のアテルの名前の間違いを修正いたしました「アルメ」→「アテル」

     2話を少し改稿しました。

     4話を少し改稿しました。

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