p2 無茶振り
今回は日中に仕上げられた!
前回のあらすじ
主人公・緋高光洋は、高校の初登校中にゴリマッチョ少女にぶつかって命を落としてしまう。
そのまま天国で審判をうけた緋高だったが、判断材料の不足によって異世界転生させられてしまう。
転生科で出会ったパリピ神様から「ルールなしの世界で国を作れ」という無茶振りをかまされた緋高は、拒否するも強制的に転生させられ、ドタバタな異世界生活が始まる。
「秩序ある・・・国家?」
「そ、秩序ある国家。」
淡々としゃべる神様に向けて、俺は率直に思ったことを言う。
「いやいやいや、さすがに無理すぎるでしょ! チート能力とか、せめて雑魚能力でもあればましだけどさぁ! 無能力よ! しかもさ! 俺を誰だと思ってるの!?」
「ろくでなしスケベ万年テスト最下位50mクソ遅野郎。」
「わかってんじゃねぇか! あと言い方厳しすぎ!」
神様にイラつきながら、痛くなってる頭を押さえて神様の言ったことを冷静に思い出す。「この世界で、秩序ある国家を作れ」だと。神様の人間性を疑った……いや、神様性か。
「えっと、ちなみに理由は?」
「がっつり私情だけどさ、神様界にもルールってのがあるの。僕の管轄内の世界は、一応なんもなかったんだけどさ。この世界だけミスで文明が消えちゃったの。神様のルールの中に{それぞれの神が管轄している世界は、常に秩序があり、文明がなければいけない。}てのがあってさ。そういうコンセプトの世界ならいいけど、ここはそういう世界じゃないから。原住民がちょっと立て直してくれたけど。」
「じゃあ、ルール違反を直すため俺に仕事を丸投げしたの?」
しかし、神の口から出てきた言葉はクズ過ぎる一言だった。
「いや、僕さぁ、怒られたくないのよ。神様のトップって超厳しいやつなのよねー。だ か ら君に丸投げして、失敗したら君の責任。成功したら僕の成績ってことでー!」
「……は?」
あまりにクズ過ぎる。こんな奴がどうして神様なんだ。デモとか起こらなかったのか? こんな奴、地獄にでも堕ちちまえばよかったのに
「……クズですね。貴方がアテルさんに避けられてた理由が分かりました。」
「もうーひどいじゃん! 急に距離感遠くなったし、アテちゃんもあんな避けなくったって……」
そこで、俺が一番神様に言いたかったことを思い出した。一番重要なことで、一番謎だったことだ。
「そういえば、なんで俺を選んだんですか。俺よりは有能な人いたでしょ。」
「……居たは居たけど、これって超絶難しい事なのよ。君より有能な人は、天国にとって貴重な財産となる。要は、これは使い捨て推奨の、元から転生者のことなんて考えてない任務(私的)なのよ。まぁ、街作りゲームが得意なのもあるけどね。」
……人使いが荒い。ほんとクズだ。死んでもいいから神様のナビゲーションなんていらない。もう死んだ方がましだろ。
「そういえば、さっきからお喋りばっかで言えなかったけどさ……」
「なんだよ、またクズエピソードか?」
その時、俺の耳に茂みの音が聞こえる。はっきりと聞こえている。結構近い位置から音が聞こえたのだ。
「いるよ、イノシシ。」
「え?」
その時、後ろから何かが突進してくる。俺はそいつにぶつかられ川に頭を打ち付ける……と思ったら、なぜか宙に浮いている。
「な、なんだこれ!? まさか俺のスキル!?」
「んなわけないじゃん。無能力だって。これは僕の能力。神にも能力はあるんだ。理由はよく知らないけどね。詳しい説明は省くけど、要はなんでもできる能力。でかい魔法はそっちに干渉できないけどね。ちっちゃいレベルの魔法なら使えるよ。」
どうやら実力だけは本物の様だ。今も話しながらイノシシたちを止めている。
「早く! 一応これ疲れるから!」
「わかってますよ!」
2年ぶりにまともに走る。今までの体育はいつも体調不良(仮病)で見学してたし、昼休みとかも教室でずっと寝てた。恐らく、今は100m25秒ぐらいかもしれない。迷ってる時間はないので、覚悟を決めて全力でスタートした。俺は機械的に足を進める。しかし、思ったより速い。神様の魔法なのだろう。
「撒けてる?」
「あぁ、天国のモニターで見てるけど結構離れてるよ。」
「良かった。もう一回ぶつかられるとトラウマを思い出しかねない。」
「ゴリマッチョの件?」
「やめて」
なんとかその後撒けた。どうやら、神様が魔法で撃退してくれたらしい。意外と頼りになる。デモが起こらない理由が分かった。
「まぁ、頑張ってよ。こんな感じに命に関わるときには魔法で助けるから。あと、いろいろなことを解説したり説明してあげるよ。」
「適当だなぁ……本当にこんな世界で生き残れるのか……」
「そんなこと言う前に服を着てよ。こっちまで気分が悪くなる。」
「酷い!!」
神様が布を出してくれて、指示に従って作ってみるも、うまくいかない。引きこもりゲームしまくりマンなのに手をよく使うゲームは苦手だったからだ。 結局、神様が手先を起用にする魔法を使ってくれてなんとか布の衣服を作ることができた。
「ふぅ、ようやく見苦しくなくなった。」
「酷すぎない?」
「誰が好きであんなん見るかよ。」
「それはそう。」
しかし、イノシシと服の件で神様がいないと本当に野垂れ死ぬことが分かった。そのお陰で、最初にやるべきことが見える。
「一番最初に仲間を集めなきゃ。馬鹿力でも超天才でも、俺より常識か力があれば何でもいい。神様の支援がある7日以内に、少し小さな集団を作って、神様がいなくても生活できるようにするぞ!」
「いいね。その心意気! そのまま、僕のミスを隠蔽してよ!」
「そう言われるとやる気がなくなるな。」
「ちょっと! ごめんって! だから本気でやって!」
神様とコントのような会話を繰り広げながら、仲間を探すためこの世界をぶらぶらすることに決めた。
どんどんインスピレーションが湧くけど、学校のせいで毎日投稿が厳しい。土日といけるときは平日更新します。夏休みはテスト期間なんで思ったよりは投稿できないかも。