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今夜はしゃぶしゃぶにしようかな

作者:

大島健吾は夜道を歩いていた。28歳の会社員で、ゲーム会社に勤めている。その日もいつも通り残業で深夜に帰路についていた。

「はぁ・・・疲れた」こんな日は早く家に帰って、ビール飲みながら好きなアニメを観て癒されたい。そう思いながら夜道を歩いた。

健吾の住む家は人通りの少ない場所にあり、電灯はほぼ無く道は真っ暗だった。

ふと前方から人が歩いてきた。影になっていて見えないが、シルエットから男である事が伺える。健吾は特に気にもせずそのまま歩いた。

真っ暗闇にポツンと立つ自動販売機から出る光の中で、健吾は男とすれ違った。


その男は箱を大事そうに抱えていた。40歳後半といったところだろうか。その男は不気味な程口角をあげた笑顔を浮かべ、瞳は瞳孔が開いていた。

「こんばんは」男が話しかけてきた。健吾は今すぐに逃げ出したかったが、男の尋常ではない顔つきを恐れ、挨拶を返していた。

「こ・・・こんばんは」「こんな時間なにを?」男は間髪入れずに質問してきた。

「・・・仕事が終わって帰っているところです」「ああ、それは大変ですね。僕はこれから妻を捨てに行くところですよ」


「・・・・・・え?」

・・・妻を、捨てる?


「妻の中には別の人格がいましてな。こいつが浮気性でどうにもならなくて。今日退治したので、これから捨てに行くところです」

男が何を言っているのか分からなかった。男はずっと不気味な笑顔を浮かべながら箱を抱えている。

「・・・では私はこれで」

そう言い残すと男は足早にその場を後にした。


健吾は全力で走って家に帰った。凄まじい恐怖が襲っていた。さっきの男はいったいなんだったのか?あの目、あの表情。思い出すだけで言いようのない恐怖に襲われる。

結局その日、健吾は風呂に入る事も寝る事も出来ずに震えながら夜を過ごした。


・・・翌日、健吾の自宅から近い公園で女性の頭部が転がっているのが発見された。



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