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ガラスの高速スライダー  作者: スワロズスキー
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一話 小田桐智仁

高速スライダーないし魔球。もし絶対に打たれない変化球が投げられるとしたら当然誰しも投げたがるだろう。だがしかし、投げ続けたら必ず3ヶ月で肘と肩が壊れると言われたらどうするか。その問いに迷いなくその選択が出来る人間はどんな人間か。

一話 魔球


高校球児には様々な夢がある。

その夢は球児の能力によって異なっている。


背番号1を貰うこと。

甲子園に行くこと。

プロ野球選手になること。


俺はプロになれる才能なんてない。

だから「甲子園」を全力で目指すと決めたんだ

野球が大好きだから。


本日、広島県の野球グラウンドにて高校野球春季広島大会2回戦が行われていた。

現在試合は終盤8回裏の攻撃終了。

得点は1ー2。

先行、我らが羽束高校が1点追う形である。

相手の宮島高校は強豪校、、と言うのは嘘で

野球部の強さは中堅校である。


俺こと、小田桐智仁はブルペンにいた。

背番号は「11」である。

簡単に言えばベンチ要員である。

ステータスは三年生の三番手ピッチャー、右投げ右打ちMAX120キロの豪速球とキレのないカーブが武器のピッチャーだ。


そして試合は9回表9番田中からの攻撃。

9番は6回から投げている二番手の田中。

バッティングは俺より酷い。

ここは当然代打が出される。

だから俺は肩を作っている。


「なんとか追いついてくれ。頼むから公式戦で俺に登板の機会をくれ。」


9番田中に変わり、村上。

村上は初球を完璧に捉えた。

だが完璧に捉えた打球は野手の正面に行くと言われている。セカンドライナー。


1番ショート宝崎隼人

うちの天才一年生。宝崎。もしかしたらこいつは二年後プロになるかもしれないと思わせてくれるやつ。こいつには優しくしよう。

宝崎は初球を見送り、2球目のフォークを掬い上げた。


「あいつ、わざと難しい球に手を出すんだよな

初球の甘いストレートの方を打っとけよ。風邪引くなよ!」


センターフライ。

2番セカンド石垣駿。三年生真面目の石垣。

初球を捉え、ショートゴロ。試合終了。


「はー、春大も出場機会なしかよ。」

「まぁしゃーねーよ。夏までにエース奪還して二人で試合に出ようぜ。智仁。」

「そうだな、新田」

こいつは幼馴染の新田怜。三年生。

背番号は20。ブルペンキャッチャー。

キャッチングに定評のあるキャッチャーだ。

「今日も解散した後、アレの練習しようぜ。」


放課後羽束高校グラウンド

俺は新田と二人で居残り練習をしていた。

今俺たちは最後の大会に向けて新球種「スライダー」を練習していたのだった。

俺が投げた球はワンバウンドして、新田のミットに収まった。

「すまん!引っかかった!」

「大丈夫!」

すかさず、ボールを拭いて返してくれた。

新田怜はいいキャッチャーだ。

特にキャッチングが素晴らしい。

どんなボールも撮ってくれる安心感がある。

「春大二回戦負け。

俺たちは甲子園行けないだろうな。」

俺が新田に問いかけると

「まぁそうかもな。

けどやってみないとわからないよな!」

新田は真っ直ぐ答えた。


けど高校野球をやった人間ならわかる。

甲子園に行く事がどれだけ難しいのか。

必然と俺たちは甲子園に行けるのか行けないのか悟らさせれる。

やってみたいと分からない?

やる前から決まってるじゃないか。

このままじゃあ絶対甲子園には行けない。

だけど諦めたくない。


「後悔したくない、最後の夏だから。」


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