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エルフの里

「お姉ちゃん、だいじょう……」


シゾンとイズがクレアの部屋に飛びこんで目にした光景。


そこでは見知らぬ金髪の女性が頭を床につけている姿であった。


「これは土下座ですか。

クレアさん、何をやらかしたんですか?」


「知らん知らん!

此奴が勝手にやってきて勝手に土下座し始めたんじゃよ」


「お願いします!

巫女様に来ていただけなければ私達の森は……」


「と、とりあえず話をキチンと聞くから立ってくれ。

そのままでは一向に進まぬ」


「は、ありがとうございます」


一連の流れから危険はないと判断され、改めて客人として扱われる事になったエルフの女性。


彼女は自分の名前をオヴァーニと名乗った。


彼女を中心にして、話を聞く席が設けられる。


その場にはクレアはもちろん、シゾンとイズ、ナグモも同席しており、お付きとしてカプスとイリスが呼ばれていた。


「とりあえずはオヴァーニ殿の話を聞くと言う事で良いかのう?」


クレアが尋ねると周りの全員が頷いた。


「それでは失礼します。

私はエルフの里の遣いとして参ったオヴァーニと申します。

お話の前に一つ確認を。

私達エルフは神木を中心として村を形成します。

神木から溢れる魔力でエルフの里は守られている……という話はご存知でしょうか?」


「うむ、聞いたことがあるな。

神木から溢れる魔力を使って結界を維持しているのだと」


この話自体は子供の頃に習う話なのでこの場にいる全員が知っていた。


それゆえにエルフは里を出ることが少なく、滅多に見かけることはないということ。


エルフの里に赴いても結界に阻まれて到達することすら困難な事だと言うことは周知の事実であった。


「神木が枯れる事なく我らをお守りくださるのは、里に生まれるハイエルフの巫女様が祈りを捧げてくださっているからなのです。

しかし、先代の巫女様がいなくなられてから100年。

里にハイエルフが産まれることはなく、巫女を継ぐ者も現れませんでした」


「その巫女とはハイエルフしかなれないのでしょうか?」


「ええ、その通りです。

このままでは神木も枯れてしまうのでは……そう心配していた時に外から情報が入ったのです。

外界に巫女様が誕生されたと」


オヴァーニに言葉で全員の視線がクレアへと集まった。


「その巫女というのがワシという訳か。

全く面倒な話になってきたのう」


度重なる厄介な出来事に軽い頭痛を覚える。


だが、放っておくわけにもいかない話でもある。


とりあえずは夜も遅いということでこの日は話を切り上げて次の日にまた話し合うということで解散となったのであった。

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