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新たな来客

結局のところ、ファモとメローヌの二人は2週間ほどアンデルスト家に滞在してから実家へと帰っていった。


この二週間で先輩冒険者達から戦闘技術の指導を、使用人達からは貴族としての立ち振る舞いを。


更に最後は一緒にアンデルスト家で働いてみたりするなどの充実した時間を過ごしたようであった。


2人が帰ってから数日、今度は意外な人物達が訪ねてきた。


「ほうほう……ここがクレアの家か。

実に立派なもんだ」


「お爺様と一緒に招いて頂きありがとうございます」


やってきたのはナグモとイズという祖父と孫のコンビであった。


和の国出身である2人の姿は使用人達から見ても珍しく、2人は注目を集めていた。


その中でも他所行き用の白いワンピースにと帽子を被ったイズの姿は可憐な深窓の令嬢と言った面持ちであり、男女問わずにその姿に見惚れてしまうほどであった。


今回、クレアは同年代の友人としてナグモを家に誘い、イズが案内役を買って出たという経緯がある。


ファモとメローヌの時と違い、今回の2人はクレアの正体を知っていると使用人達には知らされている。


もちろん、機密を扱う事もある仕事なので万が一にもうっかり漏らすような事はしないのだが、その辺りに気を回さないで良いので、使用人達もリラックスしているようである。


「まずは旅の疲れを癒す風呂の準備をしておるのじゃがどうかのう」


「それよりもここで行なっている訓練というものを先に見せてもらえんかな?

学園の授業に役立てたくてな」


「それならばこっちじゃが……イズちゃんはどうする?」


「私も見学したいですね。

こちらのお屋敷の人達がどの程度のレベルなのか興味あります」


という事で2人はクレアの案内の元で庭へとやってきた。


そこでは様々なクラスの使用人達が訓練をしており、その中に混じって大剣を振るうシゾンの姿も見てとれた。


「ふむふむ、皆見事な腕前だな。

どれ、ちょっと混ざらせてもらおうかな」


ナグモはそう言って近くで槍の鍛錬をしていたメイドに声をかける。


メイドは少し驚いてクレアの方を見るが、彼女が頷いた事でナグモの話を聞いて実践し驚愕の表情を浮かべた。


何故ならば横で見ていただけでも明らかに違う程に槍を振るうスピードが上がったからである。


そうなると当然近くで鍛錬をしていた者達もアドバイスを求める。


槍に限らず様々な武器の扱い方をコーチしていく内にナグモの周りには多数の人が集まっていたのであった。

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