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クレアに迫る恐怖

「ごめんごめん、待たせちゃったね」


「大変お待たせして申し訳ありません」


30分程経過した頃、シゾンとメローヌがやってきた。


「随分と遅かったのう」


「そうだよ〜そのせいでクレアちゃんがプリンを何度も……」


「そ、その話は良いではないか!」


ファモの告げ口を慌てて止めようとしたクレアであったが、時すでに遅しであった。


「来た時から気になってたんだけど、それ全部お姉ちゃんが食べちゃったの?」


シゾンが視線を向けた先では、プリンの空き容器が10個は重なっている。


「いや……その……すまぬ!

美味しかったせいでついつい……」


「美味しくてて食べ過ぎるのは分からないでも無いけど、気をつけた方がいいよ。

お姉ちゃん小ちゃいんだから……横に伸びるよ」


「伸びる!?」


考えもしなかった言葉に驚愕の色を浮かべるクレア。


クレーズとして生きていた頃から肥満とは無縁だった為にかなりショックだったようである。


「それにしても随分と時間がかかったね。

何してたの……って聞くまでも無く、メローヌがどちらが魔物を多く倒せるか!

とか勝負持ちかけたんでしょ?」


「当然ですわ!

我が生涯のライバルと競い合う機会など中々ありませんもの」


「え?私、いつの間にそんな重たいカテゴリに入れられてたの?」


「まぁまぁ、良いではありませんか?

生涯のライバルにして終生の親友ですわよ」


「うわっ、さらに重たくなっちゃった。

まぁ、私もメローヌとは競い合える良い友達だと思ってるからいいか」


「うむうむ、仲良きことは良いことじゃのう」


2人のやり取りを慈愛に満ちた目で見ているクレア。


完全に孫を見守る祖父モードと化していた。


「そう言えば私達2人に話があるって言ってたけど何の話なの?」


「おお、そうじゃった。

2人は夏休みの間に実家に帰る予定はあるのかのう?」


「特に帰る予定は無いですわ。

夏休みの間はギルドの仕事を受けて冒険者の経験を積もうと思ってましたから」


「え、私初めて聞いたんだけど」


「それは勿論言ってませんでしたからね。

家に帰るよりは有意義な夏休みが過ごせそうでしょう?

お二人はどうなさるおつもりですか?」


「ワシらは実家に帰る予定なのじゃよ。

2人とも実家に帰らないのであればワシらの家に遊びに来ぬか?

折角シゾンに出来た友達じゃから2人を招待したいんじゃよ」


「もう、お姉ちゃんにとっても良い友達でしょ!

そういうわけでどうかな?

2人が一緒に来てくれると私たちも嬉しいんだけど」


突然のクレアの提案に2人は顔を見合わせた。


だが、その表情から察するに断るという選択肢は最初から無かったようである。

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