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お約束2

「姐さん、中々やりまんなぁ」


「お主こそのう」


歳の頃は20を過ぎた辺りだろうか?


金髪の男は人当たりの良い笑みを浮かべている。


「いや、お姉ちゃん何やってるのよ」


「師匠、カンサーのノリが好きだったからねぇ」


「ええい、いきなり何なんだ!

それとキンカー、お前は下がっていろ」


「へいへい、しゃーあらへんな。

姐さん、また後でな」


キンカーと呼ばれた男は小太りの男に言われて彼らの後ろの方に引っ込んでいった。


「それで……貴女達は一体何の用事でしょうか?

こちらでは少々立て込んだ話をしておるのですが」


「それでは単刀直入に言わせてもらうのじゃが、お主が持っている土地の権利書とやら……それは偽物ではないか?」


「はっはっはっ、何を馬鹿な事を。

大方、ここの職員がそのような事を吹聴したのでしょうが……そんなはずが無いでしょう」


そう言って笑う金貸しが合図をすると、背後にいた男が一枚の紙を手渡した。


「これは正真正銘、この教会と孤児院の権利書ですよ」


「ふむ、しかし偶然じゃがワシも同じ物を持っていてのう」


今度はクレアの方が鞄の中から一枚の紙を取り出して見せる。


「ふふふ、浅知恵で偽造でもしてきましたか?

言っておきますが土地の権利書の偽造はかなりの重罪ですよ」


「それを確かめるためにギルドから鑑定道具を借りてきておる。

お互いの権利書を並べてその道具を使って確かめてみぬか?」


「ブラフとはいえ手の込んだ事を。

とはいえ、鑑定道具に何か仕込んでいる可能性もありますし、使うものが何か仕込んでいる可能性もありますからね」


「それならば道具の使用はそちらの人員に任せてよい。

先程話したキンちゃん辺りに頼みたいのう」


「おっ、やるやる!

退屈だったけど、おもろなってきたやん」


クレアに指名されたキンハーはて片手をあげてぴょんぴょん跳びながら向かってきた。


「そこまで言うのであれば仕方ないですな。

どうだ、キンハー……道具に何かおかしなところはあるか?」


「うーん、特にありまへんな。

この石をその並んだ書類に使えばええんやね?」


「うむ、よろしく頼むのじゃ」


「姐さんの頼みとあれば喜んで!

……ありゃ?

ボスの方の権利書が煤みたいに黒くなっていってまんなぁ」


「ば……馬鹿な!?

ワシの書類の方が偽物だと!!」


慌てた金貸しがクレアの持ち出した書類を掴もうとする……が、キンハーが肩を掴んで動きを止め、その隙にクレアがサッと掴んでバッグの中に収納した。


「何をする!?」


「ボス、ルール破りはあきまへんで。

欲しかったらやり方っちゅうもんがあるでしょ」


「おお、お主はやはり見所があるのう」


「いや〜そうでもあらへんって。

この後のお約束と言えば……」


「どうせ何らかの方法で私のところから盗んだ物だろ!

お前ら、この小娘から権利書を取り返すんだ!

キンハー、お前もだぞ!」


金貸しに支持されたキンハーは両手を上げて首をすくめる。


「やっぱ力押しやないか。

姐さん、仕事やから悪く思わんといてな」


「よいよい、お主の相手はワシがしてやろうぞ。

シゾン、エリー、周りの奴らは任せたぞ」


金貸しのお約束のムーブから、クレア達が受けた指名依頼の最終決戦が今始まった。


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