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その頃のイズちゃん

「全く……こんな時間になっても帰ってこないなんて」


学生達が休日の日でも先生達には仕事があったりするのだが、その中でも特に忙しいのがイズであった。


ダンジョンから発見され、購買部に売却された装備を引き取って、再びダンジョンの中に戻す作業。


管理システムから各階層に問題が無いか確認した後に構造を変化させる作業。


そしてダンジョンの主というべき人物へのご機嫌取りと、ダンジョンに関するほぼ全ての管理を担っているからである。


これに加えて自堕落な生活を送るエリーの面倒まで見ているのだから、その一日の仕事量は膨大といえるものとなっている。

 

「何やらトラブルがあったのでは無いか?

様子を見に行ってきも良いぞ」


目の前で茶を啜るナグモがそう言うのだが、イズはその言葉に首を振る。


「本当に何か不味いことがあれば真っ先に連絡してきますから。

多分、面倒だけど面白そうとか言う理由で自分から巻き込まれてるだけですよ」


「信頼しておるのじゃな」


「ええ、それは間違いなく。

……ほら、噂をすれば帰ってきましたよ」


「イズちゃん、ただいま!

あら、お爺様もいらっしゃってたのね」


「勝手にお邪魔してすまぬのう」


「いえいえ、前も言いましたけどイズちゃんのお爺様は、私にとってもお爺様に違いありません。

遠慮なく遊びにきてください」


ぺこりと頭を下げるナグモに対して、エリーは笑顔で応える。


「それで、なんでこんなに遅くなっちゃったんですか?」


「クレアちゃん達と偶々会ったから冒険者登録してきたんだけど、そのタイミングで2人に依頼が入っちゃってね。

その依頼が中々厄介で……あ、これお土産」


「ううううう……やっと外に出れたか……」


エリーが何処からか取り出したのはボロボロになった小さき黒竜、ナハトであった。


「ああ、ナハトもお帰りなさい。

その様子では孤児院の警護でボロクソにやられたみたいですね」


「面目ない……」


「イズちゃんはあの孤児院の様子に気付いてたのね。

あら、ありがとう」


そう話ながら椅子に座るエリーにそっとコーヒーを淹れて差し出すイズ。


「先生が知らない方が問題なんですけどね。

あの孤児院付きの教会って、あの人の管轄ですよ」


「え……ああ!

そう言えば最近は姿が見えないから忘れてたわ」


「あそこの管理をやるようになってから殆ど顔を出してませんからね。

遠隔操作の人形に頼りっぱなしですし。

それで一体何があったんです?」


「いま説明するから慌てないで。

それと、クレアちゃんとシゾンちゃんの外泊許可証を発行してもらっていいかしら?」

ちゃんと出しておかないとタイトル詐欺と言われますからね。

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