鑑定機
3-2です。
ダンジョンから地上に戻ってきたクレアとしゾン。
彼女達はその足でそのまま購買部へと向かっていった。
「おばちゃーん、ただいま!」
「ただいま戻ったのじゃ」
「お、あんた達よく帰ってきたね。
その様子だと中々上手くいったみたいだね」
おばちゃんは二人を機嫌良く出迎えた。
「へへ〜早速1階層を突破してきたよ」
「おや、順調だね。
それでここに来たってこと鑑定だね?」
「うむ……鑑定機は何処にあるかのう?」
「ああ、鑑定機ならこっちさね」
そうしておばちゃんに案内された場所ではシゾンよりも巨大な、2メートルはあろうかという箱が並べられた場所に案内する。
「こいつは前が扉になってるんだ。
中に入れたら分析される。
それで鑑定料金が弾き出されるから、横の支払い口にお金を入れたら鑑定開始って代物だよ。
試しに何か入れてみたらどうだい?」
「あ、それじゃ私から入れたい!
まずはゴブリンが落としていった武器入れてみよっと」
シゾンがそう言って黒いモヤのかかった棒を中に入れる。
その直後に30エルという数字が記されたので、素直にその額を投入する。
お金を入れるとゴウンゴウンと音が鳴り、箱の上に突き出たパイプから黒いモヤが空へと昇っていった。
箱の動きが止まると同時にパカっと扉が開き、中から出てきたのは……
「棍棒かぁ」
「そんなもんだよ。
要らないなら後で売却にしにきな。
因みに買取価格は鑑定料金の倍、販売値の半額。
つまり棍棒なら60エルって所だよ」
「次はワシが入れてみようかのう。
先ほど手に入れた衣装はどうじゃろうか?」
クレアが鑑定機の中にモヤのかかった衣装を入れる。
すると、鑑定機には10エルという表示がされていた。
「なんじゃ、棍棒よりも安いとは。
これはハズレ装備かのう?」
「ああ、それはハズレなんかじゃない……寧ろ当たりだよ。
鑑定すると偶にユニーク装備ってのが出るんだが、それらの装備は値段が付けれないから10エルって表示されるのさ。
試しにお金入れて鑑定してみな」
おばちゃんに言われたクレアは素直に10エル硬貨を入れてみる。
箱はガゴンガゴンと動き、中から出てきたのは……
「これは……ナグモ先生の時に来ていた巫女服かな?」
「見た目は同じじゃが、何か強い力を感じるのう」
中から現れたのは見覚えのある紅白の衣装であった。
鑑定後はモニターに能力が表示されるので、そちらをチェックしてみる。
「これは……防御力は下手な金属製の鎧よりも上。
更に装備することで神事スキルの習得スピードにボーナス。
流石に出来すぎではないかのう?」
「確かに都合が良すぎる気はするけど……良いんじゃない?
不利になるわけじゃないんだし」
「それもそうじゃな」
こうして残りの未鑑定品も全て鑑定機に入れていく二人。
結果、ロングソードとバックラーが出たのでそちらはシゾンに。
鉄で作られた扇も出てきたので、其方はクレアが装備することになり、残りのゴミアイテムは売却されていったのであった。