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初めてのダンジョン

2人がダンジョン前までやってくると、入場管理をしているマリア先生の姿を見つけた。


そのマリア先生の前でテッドが何やら熱弁を振るっているのが分かった。


「君の熱意は分かった。

上に確認を入れるから少しだけ待っていてくれ。

そこの2人は今から挑戦だな?」


「はい、一年生のシゾンとクレア。

アタッカーと神子のパーティです」


「ふむ、君が噂の神子か。

うん、冒険のいろはも分かっているようだし特にアドバイスも要らないだろう。

行きなさい」


「ご苦労様ですじゃ」


2人はマリアに一礼して中へと入っていく。


最初は大きな広間の真ん中に下に降りる階段がある。


端にはエレベーターがあり、その近くには偽装されて分かりづらいがイズとエリーの家があるだろう。


「まさかあんな所に住んでる人がいるなんて思わなかったな」


「ワシも聞いておらねば分からなかったであろうよ。

周りに気付かれても面倒じゃから素知らぬ顔で行くぞ」


という事で、2人の家は放っておいて下へと降りていく。


一階層は石造りの壁と細い通路という如何にもダンジョンというべき造りであった。


シゾンが前を歩き、クレアが後方から手書きでマップを記していく。


「一生懸命書いてるけど来週にはまた変化してるんだよね?」


「それでも今日のうちは使えるのじゃから記しておくのは大事じゃよ。

これによって通ったルートと通らなかったルートを明らかにする事で、結果的に時間の節約にも繋がるからのう」


「クレアちゃんの言うことに間違いはないからね。

信じてるよ」


こうして2人が通路を歩き続けて数分、戦闘から緑色の肌をした小さな生き物達がこちらに向かってきていた。


先行する前二匹が剣、後ろを走る一匹が弓を持っていた。


「ゴブリンの集団じゃな。

強い相手では無いが弓持ちが厄介で困るのう」


「クレアちゃんは私の後ろで援護を。

このぐらいなら1人で何とかなる筈だから」


「うむ、落ち着いて動くのじゃぞ」


通路は狭く、2人が横に並ぶと塞がってしまうくらいである。


身体の大きなシゾンが中央に陣取って構えれば、ゴブリンとてすり抜けることは叶わないだろう。


何も考えていないのか、先行していた剣持ちのゴブリンがシゾンに襲いかかる。


二匹は同時に動き、片方は大きく飛び上がって頭を。


もう一体はシゾンの胴を狙ってきた。


シゾンは手に持った棍棒を大きく振り抜いて、飛んできたゴブリンを打ち払う。


その攻撃で無防備になった胴体にもう一匹のゴブリンが剣を突き出す。


だが、装備していた皮鎧は見た目以上に頑丈であり、ゴブリンのボロボロな剣は通さなかった。


剣が刺さらないこと動揺するゴブリンの隙を見逃さずに棍棒を振り下ろすシゾン。


その一撃は無防備な脳天に炸裂し、ゴブリンの姿が霧のように消えていく。


そこにヒュッという風切り音と共に弓ゴブリンの矢が飛んでくる。


頭にを狙った一撃であったが、これも皮のヘッドギアを通すことなく、力無く地面に落ちていった。


二匹のゴブリンを始末したシゾンは、弓持ちゴブリンとの距離を一気に詰めて棍棒を振り下ろす。


呆気なく終わった戦闘であったが、シゾンには得られるものが多かったようで……


「クレアちゃんが防具の方が大事だって言ってたの分かったよ。

これが無かったら無駄にダメージ受けて薬使ってたね」


と言いながらクレアに笑いかけるのであった。

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