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女神の神子姫

「はいはーい、元気が良いのはいい事だけど席に座りましょうか」


扉を開けて入ってきたのは、この教室の担任となるエリーとイズであった。


本日のイズの服装は頭にヴェール、身体にはローブを纏い、口元は布で隠されていた。


「今日はクラス適性を調べるわ。

どの方向に進むかは自由だけど参考にしてね」


教室内の教壇の上に水晶が置かれる。


これに手をかざす事でその者の資質が見えてくるアイテムである。


「うう〜ドキドキするなぁ」


「ふむふむ、シゾンさんの適性はファイター。

適正武器は大剣みたいですね」


「やったー!

お爺ちゃんと一緒だ!!」


水晶の前にはイズが立っており、結果を読み取って生徒達に伝えていく。


希望通りで喜ぶ者、希望と違い悩む者と反応は様々である。


そして、次に現れた人物を見てイズは首を傾けた。


「あら、テッドさんは既にギルドで判明しているんじゃないですか?」


「あ、でも、い、一応検査して欲しくてですね」


「冗談ですよ。

新入生は全員が受けていただくことになっていますから。

テッドさんは……なるほど。

クラスはファイター、適性は格闘。

特殊スキルに炎拳持ち……ですが、使いこなすにはまだまだといった所ですかね」


「やっぱりそうですか。

ありがとうございます、イズ先生」


丁寧な態度で頭を下げるテッドを見て教室が若干ざわつく。


「これからの頑張り次第で使いこなせるようになると思いますよ。

学校生活頑張ってください」


「はい、先生のおかげで無事に謝罪も受け取って貰えました」


最後にもう一度頭を下げたテッドは晴れ晴れとした顔で席へと戻って行った。


「……やっぱり初恋ハンターじゃない」


「先生、聞こえてますよ」


「何も言ってないわよ、次の方どーぞー」


エリーに呼ばれてやってきたのはクレアであった。


「よろしく頼むのじゃ」


「クレアちゃんの場合どうなるか楽しみね」


今までは特に興味を示さなかったエリーだが、クレアの時には率先して近くにやってきた。


クレーズの状態では筋力や体力に特化しており、魔力がからっきしというゴリゴリのファイターだった。


しかし、ハイエルフになったことで筋力や体力が落ち、代わりに魔力が大幅に上がっていたのだ。


普通に考えればソーサラーかプリーストの筈である。


だが、経緯は違えど同じように性転換した事で(イズの場合は一部を除いてだが)適性が大きく変わった2人としても結果がどうなるのか興味はあった。


その結果であるが……


「……あれ?」


「イズちゃん、どうしたの……って、あら。

これって何て読むのかしら?」


「これは私のところの言葉ですね。

女神の神子姫って書いてあります」


どうやら更に想定外の結果になったようである。


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