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二つのタイプの入学生

クレア達が声をかけられた方を向くと、そこには教室で因縁を付けてきた男子生徒が立っていた。


「勝負……とは、どういう事じゃ?」


「そのままの意味だよ!

ここで戦って降参した方が負けだ。

さぁ、勝負……」


「ちょっと待ちなさいよ!」


放っておけばそのまま襲いかかりそうな男子生徒の前にシゾンが立ち塞がる。


男子生徒は身長が180程とかなり大きいのだが、シゾンも体格としては全く負けていない。


「な、邪魔すんじゃねえよ」


「邪魔するに決まってるでしょ!

貴方、見たところ冒険者として活動してから入学してきた人でしょ。

クレアちゃんは入学から冒険者の活動を始めるタイプなのよ」


「そ、それがどうしたって……」


「だから、クラスを持っていない人間に勝負ふっかけるなんてあり得ないって言ってるの!

あんたのやってる事って弱いものいじめと変わんないよ。

それにこんな騒動起こしたら下手したら退学になるわよ、あんた」


この学校では2種類の新入生がいる。


それはクレアやシゾンのように自分のクラスを持たない人間が、授業やダンジョンによってその能力を開花させていくタイプ。


もう一つは男子生徒のように元々冒険者活動をしていたのだが、魔大陸の探索許可が欲しい者や、独学で強くなることに限界を感じた者が入学してくる。


後者の生徒は既に自分のクラスというものを定めて習得しており、前者の生徒との差は大きい。


学校生活を進めていく中でその差というのは段々と埋まっていくものなのだが、入学時で言えばその差は絶対的である。


この喧騒に気付いた周りの生徒も集まってきており、騒動はどんどんと大きくなる。


中にはヒソヒソと……


「あんな小さな子を弱いものいじめですって」


「冒険者上がりって言うか、冒険者崩れじゃん」


「男として恥ずかしくないのかね」


と言うような陰口が聞こえはじめていた。


「ぐ、だ、だが、俺は……」


「もうそこまでで良いわ。

この状況でも拘るのならば何かしらの事情があるのじゃろう。

その勝負受けてやろう」


「ちょっ、おじ……クレアちゃん」


止めようとするシゾンを手で制してクレアは男子生徒の前に立つ。


「ただし、わしは今は攻撃能力を一切持たない唯の一般人じゃ。

それ故にお主の攻撃を全て捌いたら負けを認めてくれぬか?」


「減らず口を!

俺はてめえをぶっ倒してこの学校に主席になってやる」


「クレアじゃ」


「あん?」


「わしの名前はクレアじゃ。

お主の名は?」


「へっ!

俺の名前はテッド……炎拳のテッド様よ!!」


「分かった、テッドよ。

ワシが勝ったら二度とこのような騒ぎは起こすでないぞ」



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