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開戦

「あの人がクレア……いや、クレーズさんか」


「まさか本当だったなんてね」


「疑っていた訳ではありませんが……目の当たりにすると、なるほどと思う他ありませんわね」


クレアの正体を知らなかった3人、テッドとファモ、メローヌにも今回協力して貰っていたのでクレアの正体を明かしていた。


その上でクレーズの人格を封印した相手に会いにいくという話にしていたのだ。


クレーズに憧れを抱いている学園に入学したテッドなどは大きな動揺を見せるかと思ったのだが、意外にも冷静に対応されてシゾン達は驚いたものである。


ひょっとしたらこの3年間で1番成長したのはテッドなのかもしれない。


事前に聞いていたからこそ、彼らはクレーズの行動に対応出来たのだろう。


憧れの祖父に刀を向けられた事で動揺して動けないシゾン。


そのシゾンに向かって切り掛かるクレーズ。


その一撃をメローヌの大剣が受け止め……きれずに弾かれるが、そこをテッドの鉄甲がカバーして受け止めて弾き返す。


瞬時に踏み込もうとしたクレーズであったが、テッドとクレーズの間に8本の矢が同時に降り注ぎ行動を阻害する。


「やりおるのう……だが!」


クレーズが懐から扇を取り出し、軽く前を煽ぐ。


しかし、仰がれた風は暴風となり、横に動く竜巻となって前衛の3人に襲いかかった。


だが、3人の後方からも強烈な突風が二段構えで吹き荒れて互いの風を相殺した。


「私達を忘れてもらっては困りますよ」


「こうして対峙すると最初の戦いを思い出すな。

違うのはお主は1人で我らが多数という事だが」


オヴァーニとデアンが戦いに加わった事により、クレーズの刀をテッドとメローヌで捌き、合間を見てファモが行動を阻害。


同時に放たれる魔法はお互いに相殺するという構図が生まれた……のだが、クレーズ1人に対して5人が追い込まれて後手に回っているという状況に変わりは無かった。


そんな状況でシゾンはどうしたら良いのか分からずに呆然と立ち尽くしていた。


もちろん、ここで仲間達と共にクレーズへと立ち向かうのが正しい行いである事を頭では理解している。


しかし、それでも身体が動かない。


どうしたら良いのか聞きたい相手は自分たちに向かって刀を振るってきており、相談したい仲間達はその対応に追われて応戦している。


もちろん仲間達も戦いながらもシゾンのことを気にかけてはいた……しかし、ここで自分たちがどう言っても仕方ない事を理解し、そして目の前の対応に追われた結果、自力で立ち直ることを信じていたのであった。

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